街に、ルネッサンス UR都市機構

未来を照らす(35)モデル・女優 香里奈

URPRESS 2022 vol.72 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

モデルに女優に、多彩で魅力的な表情を見せる

ファッション雑誌『Ray』のモデルとして16歳でデビューし、
その後モデルと女優の両輪で華々しく活躍を続ける香里奈さん。
今年1月13日公開の映画『そして僕は途方に暮れる』では、
主演の藤ヶ谷太輔さんが演じる菅原裕一の姉・菅原香役を演じている。
この映画の見どころなどをお聞きした。

香里奈さんの画像かりな
1984年2月21日生まれ。愛知県出身。2000年~『Ray』(主婦の友社)で活躍し、2009年3月~『GINGER』(幻冬舎)レギュラーモデルを務める。2001年に『カバチタレ!』(フジテレビ系)で俳優デビューし、数々のドラマ・映画に出演。2021年~2022年に放送された『真犯人フラグ』(日本テレビ系)では木幡由実役を演じ話題となった。近年ではSDGs推進活動、ペットブランド「BESTIES」プロデュース、BS11「CC」で番組のナレーションを務めるなど活躍の幅を広げている。2023年1月13日公開の映画『そして僕は途方に暮れる』に菅原香役として出演。

映画『そして僕は途方に暮れる』は「人生を賭けた逃避劇」とキャッチコピーにありますが、どのような映画ですか。また、香里奈さんの役は何ですか。

私の役は藤ヶ谷太輔くん演じるフリーター・菅原裕一の姉の菅原香です。裕一はとても残念な、どうしようもない性格で、自堕落な生活をして、逃げてばかりいますから、姉である私は怒ってばかりいます。香も見栄を張っているところがありますが、姉の役割を果たそうと一生懸命です。

私は3姉妹の末っ子なので、姉の気持ちはわからないのですが、お姉さんがいる方の話や意見を聞いたり、私が妹の立場から見る姉の怒っている様子を思い出しながら演じました。ドラマで姉役が多かったので、その経験も参考にしました。

裕一も逃げると厄介なことになるのはわかっているのに、それでも逃げられると思っていて……。周りが甘やかしてしまったために、ダメ男に育ててしまいましたね(笑)。礼儀とか躾とか、親が子どもに教えて、間違ったことをしたら叱ってくれる人がいるのは大事です。でもそんな裕一を、香は家族だから見捨てきれません。愛着が湧いて、助けてしまいます。

脚本を読んだとき、裕一がダメすぎて暗い印象でした。また、ほかの方の撮影現場はわからないので、画面(え)がどのようになるのかなと楽しみでした。完成した映画はすごくポップな感じに仕上がっていたので、面白いと思いましたね。登場人物みんなが、いいところも悪いところもあるのがよくわかる映画です。

香里奈さんの画像

裕一はどうなるのだろうと心配する反面、観る側に怒りの感情が生まれます。

裕一のダメな部分の描写がたくさんありますからね。怒りたいし、頭にきます。でも裕一でさえ、こんなに生き延びられるのだから、少しぐらいダメでももっと頑張れるだろうと思わせてくれます。だから「自分なんて」と思っている方がこの映画を観たら、「私のほうがマシ」と思えるかもしれません。裕一のダメさが、観る方を前向きにさせてくれる要素でもあると思います。

家族に裕一のような人がいたら、どうしますか。

何とかして更生させようという気持ちになると思います。

裕一のように嫌なことから逃げて現実を見たくない気持ちは、わかるよって思う(笑)。でも、嫌なことに立ち向かって、問題を乗り越えていくのが人生だと思います。

私も逃げたいと思うときがあります。だけど逃げたら仕事が成り立たなくなりますし、迷惑をかけて、自分も悪い状態に陥り、生きていけなくなると思うので気持ちをチェンジできます。私は周りの方々に支えてもらえているからこそ、頑張らなきゃいけないと思います。

撮影ではテイクを重ねたそうですが、どういうことを考えましたか。

私は裕一に叫ぶシーンや怒っているシーンが多かったので、エネルギーを使いました(笑)。感情をぶつけるシーンは何度もテイクを重ねることで変化を感じることができたと思います。「さっきも同じ演技をしたな〜」と思ったり(笑)。撮影現場では監督に委ねて演じさせていただきました。

たくさん撮影したとしても使うのは一つなので、どれが使われるのだろうという興味がありました。監督のそういうスタイルは、今までになかったので、私には貴重な経験になりました。

香里奈さんの画像

印象に残っているシーンはどこですか。

家族でご飯を食べるシーンです。窓の外からドローンで撮影しました。食べるタイミングと、ドローンのタイミングを合わせるために、何度もテイクを重ねることになり、お腹いっぱいに(笑)。

この家族のように、みんなが少しずつ歩み寄ればご飯も一緒に食べられ、同じ空間を共有できると思います。ネタバレになるので詳しく話せませんが、この映画の大事なシーンです。観た後に、いろいろな感情を抱くと思います。

この映画にも描かれているように、人には必ず長所と短所があります。香里奈さんのダメなところをうかがえますか。

お腹をすかしてからスーパーに買い物に行くので、余計なものをたくさん買ってしまうこと(笑)。

この前はごま油がなかったと思って買ったら、2本ストックがありました。昔から親にも、「確認してから行きなさい。何でもメモしなさい」と言われるけど、めんどくさくて(笑)。無駄遣いになっているのでいけないなと思っています。仕事も用事もない日に、洗濯を3回しようと思っていたのに、1回もやれていない、夕方なのに(笑)、とか、小さなことはたくさんあります。

香里奈さんの画像

モデルと女優をなさっていますが、それぞれの魅力はなんですか。

モデルから始めて女優業もやるようになりました。以前は、雑誌のモデルはモデルのみがやる仕事で、「モデル」=「憧れの存在」という感覚だったのが、今はタレント、歌手、アイドルの方もやっています。人気ユーチューバーがモデルもやったりして、身近になった感じがします。

モデルだから生活感を出さないのではなく、素でいいという感覚になりました。ただ洋服を着て、ニコニコしているだけではなくて、自分らしくいて、中身が出せる仕事へと変わってきました。私もいつも自然体でいます。

女優は現場ごとに作品を作る過程が違うのが面白いです。その年齢にしかできない役がありますし、だんだんキャラクターの幅が広くなってきたと思います。

どんな役でもチャレンジしようと思われますか。

10代から20代のときは、声が低く、きゃぴきゃぴしていないからか、サバサバして、仕事に夢中で、恋愛が苦手で、気の強い役が多かったので、そういうイメージがついてしまったようです。実際、気は強いです(笑)。

それももちろん「香里奈」の一部としてありますが、ほかにもいろいろな顔をもっています。求められたものは出していますが、まだ出ていない部分もあります。今後、役を通してお見せできればいいなと思っています。

最近気になっていることはありますか。

ネットで物件を見るのが好きです。友だちから引っ越したいと聞いたら、探してあげて(笑)。家賃はいくらまで、駅近、広さや間取りなどの条件を聞いて、物件を探してメールやラインで送ります。

若いときは、海外などいろいろと行きたいと思っていましたが、今はコロナのパンデミックもあったし、愛犬たちがいるので、家にいる生活になっています。人間関係も狭く深くのタイプですし、家が好きだって改めて思いました。

ソファーやベッドなどの家具も洋服も私は物持ちがいいです。洋服は流行も取り入れるけど、好きなものを着ていればいいんです。気に入ったものに囲まれて心地よく生活したいですね

香里奈さんの画像

映画 『そして僕は途方に暮れる』

平凡な1人のフリーターが、ほんの些細なことから、あらゆる人間関係を断ち切っていく、人生を賭けた逃避劇。逃げ続けたその先で、彼を待ち受けていたものとは……。絶賛を浴びたオリジナルの舞台が映画化された。脚本・監督を務めるのは、『愛の渦』『娼年』などを手がけた、異才・三浦大輔。主人公・菅原裕一を演じるのは、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔。ばつが悪くなるとすぐに逃げ出してしまうクズ男っぷりを見事に体現。前田敦子、中尾明慶、豊川悦司、原田美枝子、香里奈、毎熊克哉、野村周平ら、個性的で魅力溢れるキャスト陣が集結。予測不能なストーリー、共感と反感が渦巻く「現実逃避型」エンタテインメント。

映画のワンシーン

2023年1月13日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会
問い合わせ:ハピネットファントム・スタジオ 
TEL:03-6862-0361

【小西恵美子=文、菅野健児=撮影】
【ヘアメイク=高取篤史(SPEC)、スタイリスト=山本隆司(style³)】

  • LINEで送る(別ウィンドウで開きます)

インタビューバックナンバー

UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

UR都市機構の情報誌[ユーアールプレス]の定期購読は無料です。
冊子は、URの営業センター、賃貸ショップ、本社、支社の窓口などで配布しています。

CONTENTS

メニューを閉じる

メニューを閉じる

ページの先頭へ