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【楽しい団地】 豊成団地 愛知県名古屋市

URPRESS 2022 vol.72 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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自分たちで地域を盛り上げよう!

自治会がないなか、コミュニティー活性化のために 住民を中心としたサークルを結成し、活動している団地がある。豊成(ほうせい)団地だ。 サークルメンバーが企画・運営に携わったイベントにおじゃました。

多くの人が集まった「あいちフェスタ」多くの人が集まった「あいちフェスタ」。サークルメンバーの提案で、集会場で活動している日本語教室のメンバーに協力してもらい、英語版、中国語版のチラシも制作してPRした。

新スタイルで開催された「あいちフェスタ」

名古屋駅からバスで12分ほどで、豊成団地に到着した。5棟の高層棟からなるこの団地は住棟間が広く、公園や広場も多く、ゆったりとしている。昨年10月の日曜日の昼下がり、団地内の広場で開催されていたのは「あいちフェスタ」だ。フリーマーケットが並び、野菜や軽食の販売コーナーのほか、三重県津市の事業者や愛知県美浜町による産地直送プチマルシェもある。そのほか災害時図上訓練コーナー、血圧や握力などを測定してもらえる健康チェックコーナー、介護相談コーナーまで。ステージでは二胡の演奏や、ゴスペルソングが披露され、集まった人々が思い思いに楽しんでいる。穏やかでゆるやかな空気が流れていた。

「あいちフェスタ」は、もともと地域の方々の交流や防災意識の向上のために、URが地域関係者に協力を呼びかけて主催してきたイベント。3回目となる今回の特徴は、昨年5月に誕生した「あいちフェスタサークル」(仮称)とURの共催であることだ。

「豊成団地には自治会がないのですが、いざというときの協力体制や、豊かな団地生活のためにも、ゆるやかなコミュニティーがあったほうがいいのではないかとの思いがあり、まずは一緒にイベントを企画・運営してコミュニティーづくりに参加してくれるメンバーを募集しました」とサークル立ち上げの経緯をURの成田 遼が説明する。

その呼びかけに10数名が集まり、フェスタの企画・運営を進める「あいちフェスタサークル」(仮称)と、防災サークル「まな防」(仮称)が誕生。現在も活動を続けている。メンバーの多くは豊成団地の住民だが、団地外の人もいる。世代も30~80代まで幅広く、多くは30~40代だ。

独身時代から結婚、子どもの誕生と、ライフステージに合わせて居住棟を移りながら豊成団地で暮らして9年になる江口悠さんは「あいちフェスタサークル」(仮称)の一員。以前から地元に貢献したいとの思いがあり、参加したと言う。

「とはいえアイデアマンでもなく。メンバーの意見をURの成田さんが整理しながら、誰も傷つけることなく、うまくまとめて実現できる方向に導いてくれました」と江口さん。一方、成田は、

「どうしたらメンバーの提案を実現できるかに心を砕きました。我々と一緒に活動していくことで、チラシの制作の仕方やフリーマーケットの出店者の募集方法などイベント開催のノウハウもたまっていくと思います。イベントをきっかけに、居住者さんたちが自分たちでやりたいことを実現していかれるようになるのが理想です」と話す。

アンケートの収集様子来場者の声がサークル活動の推進力になるので、アンケートの収集には力を入れた。
ゲームを通して参加者と意見交換の様子「災害時図上訓練コーナー」では「まな防」のメンバーが、DIGというゲームを通して参加者と意見交換した。
ゲームを通して参加者と意見交換の様子
江口さんの画像江口さん。子どもたちが自由に安心して遊べる広場や公園があり、それを大人が見守り合う「昭和のコミュニティー」のような環境が豊成団地の魅力だと語る。
スタンプラリーであちこちをまわる仕掛けに。子どもたちにも人気だった。
スタンプラリーをする子供
手作り感のある、ほのぼのとした雰囲気も魅力のイベント。

災害時に慌てず協力し合えるように

「自治会がないので、災害が起きたときにどうなってしまうのだろう、自分たちでどうにかしなければと思っていたので、きっかけをくださってよかったです」と話すのは、防災サークル「まな防」(仮称)のメンバーである古田わか奈さん。毎月の集まりでは、「DIG」という災害想像ゲームを通して、自分たちのまちで災害が起きたときにどうするかを考えたり、資料や事例集を参考に学んだりしている。

「自分では思いつかない、いろいろな気づきを得られてありがたいです。在宅避難の重要性など、一人ひとりが意識を高めていくことで、いざというときに慌てず、どうしたらよいか判断できますし、協力し合えると思います」と古田さん。

豊成団地は地域医療福祉拠点化も進めている。あいちフェスタでは、みなと医療生活協同組合が健康ブースを、地域包括支援センター(いきいき支援センター)が介護相談ブースを設けるなど、地域の医療福祉団体の協力も目立った。地域の人々が、必要な医療・福祉機関とつながれるようにとの配慮から、ステージでは活動をPRする時間も設けていた。

「イベントのようなふわっとしたつながりから、医療や福祉との連携がうまく進む仕組みをつくれたらと思い、関係者の情報共有会も立ち上げました」(成田)

多世代、多様な人材のつながりが、ゆるやかに広がり始めている豊成団地。

「みんなが無理せず、かつ持続するためには、必要とされることを自分たちが楽しくやるしかないのではないでしょうか」という江口さんの言葉が印象的だった。地域の人が楽しみながら展開していく豊成団地の今後の活動に期待が高まる。

団地内に保育園や医療施設もある豊成団地団地内に保育園や医療施設もある豊成団地。夜のライトアップも好評で、若い世代からも人気がある。
愛知大学の二胡部の演奏ステージでは、愛知大学の二胡部やゴスペルクワイア「Voices of Vision」の演奏が行われた。そのほか、会場のブースを巡るスタンプラリーも開催した。
ゴスペルクワイア「Voices of Vision」の演奏
特産品の販売や観光地のPRの様子URの「地方都市と団地をつなげるプロジェクト」を通じて、愛知県美浜町と三重県津市の事業者が出店。特産品の販売や観光地のPRを行った。
5棟、1,178戸からなる豊成団地の様子5棟、1,178戸からなる豊成団地。1LDKから4DKと住棟のバリエーションも豊富。
URの成田の画像「団地をお庭のように居住者さんに使ってもらえたらうれしい」と話すURの成田。一人ひとりの思いに寄り添いながら、調整、実行に励む。

【妹尾和子=文、青木 登=撮影】

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