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【楽しい団地】千島団地 大阪府大阪市

URPRESS 2022 vol.72 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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団地とともに大正区の魅力をアップ!

大阪市大正区役所と地域活性化にかかわる連携協定を結んでいるURは 大正区の中心にある千島団地を舞台に、 DIYなどをコンテンツにしたイベントを開催。 大正区の魅力アップに、官民連携して取り組んでいる。

大正クラフトライフマーケットの様子昨年11月27日に千島団地で行われた「大正クラフトライフマーケット」は、音楽ライブ、薪割りや焚き火で焼きマシュマロ体験、キッチンカーや東北復興マルシェなど、盛りだくさん。

DIYをキーワードに活性化をはかる

人口減少に悩む大正区役所とURは、2016(平成28)年6月、地域活性化にかかわる連携協定を結んだ。大正区役所に隣接して広がる千島団地は、約2200戸の大型団地。築50年近くたち、高齢化が進み空き住戸も増えていた。そこで、ものづくりのまちという大正区の特徴を生かし、DIYをキーワードに、大正区と千島団地の魅力アップをはかる取り組み「TAISHO☆UP」がスタートした。

大正区に本社を置くDIY専門店「壁紙屋本舗」が強力なパートナーとなり、16年に「壁紙屋本舗ラボ」を千島団地1階にオープン。ここを拠点に、千島団地は「DIYができる団地」という新たな魅力を発信しはじめた。

着ぐるみと子供たちの写真
ハンモックでくつろぐ親子の写真
焚火で焼きマシュマロを体験をしている子供の写真
薪割り体験をしている子供の写真

外に開かれた団地を目指して

昨年11月末の日曜日、壁紙屋本舗、URの共催、大正区役所連携で、「大正クラフトライフマーケット」が千島団地を舞台に開かれた。団地の隣にある千島公園でも同じ日に「大正トンボロマルシェ」が開催され、区外からもたくさんの人が訪れて盛り上がりを見せた。

当日は、大正区内の空き家を巡るおさんぽラリーも行われ、そのスポットの一つになった千島団地のモデルルームには、次々と親子連れがやってきた。ここは壁紙屋本舗のスタッフが「おうちキャンプ」をテーマにセルフリフォームした部屋。オシャレに変身した部屋に、訪れた人たちは驚きの声を上げていた。

現在、千島団地では、募集中の部屋はすべて床や壁紙などを自分好みに変えるプチDIYが可能だ(申請が必要)。全面的なDIYができる部屋もある。

壁紙屋本舗ラボ店長の林 耕一郎さんは、「全面的なDIYはちょっと敷居が高いようですが、床や壁紙、ふすまを変えたい、という方は多いですね。ラボに相談に来られたり、壁紙の貼り方のワークショップに参加する方も。団地外から当店に来られる方には、はじめて千島団地に来たという方も多いです」と話す。

URの二宮佳一は、「壁紙屋本舗ラボをきっかけに千島団地を知る人も多く、千島団地に対する印象も少しずつ変わってきています。閉じられた団地ではなく、外に開かれた団地空間を目指すことで、団地の魅力アップにつながると思います」と話す。

壁紙屋ラボの前にたくさんショップが出店されている様子「大正クラフトライフマーケット」では壁紙屋ラボの前にたくさんショップが出店し、ワークショップが開催された。
壁紙屋本舗ラボ店長の林さん壁紙屋本舗ラボ店長の林さんは、「DIYで団地をもっと面白くできる」と意気込む。
壁紙をすべてはがし、間柱を格子状に組んで壁を一面棚にするという斬新なアイデアの部屋壁紙をすべてはがし、間柱を格子状に組んで壁を一面棚にするという斬新なアイデアの部屋だ。梶谷さんは「壁面に圧迫感がなくて、住み心地がいい。訪れる人に驚かれ、自慢できる部屋です」と満足気。
梶谷貴文さんの画像友人の建築家がフルDIYした千島団地の部屋に住む梶谷貴文さん。
おうちの中でキャンプ気分が味わえる部屋の様子壁紙屋本舗の若手スタッフがセルフリフォームした、おうちの中でキャンプ気分が味わえる部屋。
壁面がすべて棚になっている部屋の画像壁面がすべて棚になっている梶谷さんの住まい。
壁紙屋本舗がリフォームしたキャンプ気分が味わえる部屋の画像壁紙屋本舗がリフォームしたキャンプ気分が味わえる部屋。
URの二宮の画像「団地に足を踏み入れてみて、印象が良くなった、という意見も多い」と話すURの二宮。

フィットネスなどコンセプトはいろいろ

外に開かれた団地の取り組みは、もう一つある。空き店舗を活用して18年にオープンしたフィットネス&コインランドリー「クイック ドライ フィット」だ。

ここは毛布など大きな物も洗濯乾燥ができるコインランドリーと、フィットネスジムの複合施設。洗濯や乾燥を待つ間に、マシンを使ってトレーニングができる。しかもスタッフが常駐しているので、指導も受けられる。

「コインランドリーだけでなくフィットネスもあることで、団地の内外から人が来られて、仕上がりを待つ間、おしゃべりの輪が広がっています。ここが新しい団地の憩いの場になっています」と店長の兵頭継一郎さん。

大正区役所地域協働課の小竹郁子さんは、「大正区に移り住む人を増やすためには、大正区の魅力を発掘し、それを皆さんに知ってもらうための取り組みを継続することが大切。その一つとして、URさんが定期的に実施する『大正クラフトライフマーケット』などのイベントと連携させていただき、来場された方に、大正区って魅力的だな、ここで何か始めたいな、住んでみたいなと思ってもらう。これからもURさんとともに大正区の魅力の発信を継続して、大正区のエリア価値向上を図っていきます」と話す。

URの藤澤啓二も、「DIYだけでなく、アートや音楽などコンセプトはさまざまあります。いろいろ組み合わせながら、団地の魅力、大正区の魅力を発信していきます」と語った。 官民一体となった取り組みの継続に、期待が寄せられている。

大正区役所の小竹さんの画像「これからもURさんと一緒にイベントを仕掛けていきたい」と話す大正区役所の小竹さん。
コインランドリーとフィットネスの複合施設「クイック ドライ フィット」の内装
コインランドリーとフィットネスの複合施設「クイック ドライ フィット」。の外装3号棟1階にあるコインランドリーとフィットネスの複合施設「クイック ドライ フィット」。
トレーナーも務める店長の兵頭さんトレーナーも務める店長の兵頭さん。ピラティスやミット打ちも始めた。
URの藤澤の画像URの藤澤は、「団地DIYをもっとメディアに取り上げてもらう」と目論む。

【武田ちよこ=文、菅野健児=撮影】

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