街に、ルネッサンス UR都市機構

楽しい団地 梅ノ木団地(福岡県遠賀郡)

URPRESS 2019 vol.56 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


梅ノ木団地 福岡県遠賀郡
大学とコラボ、集会所を明るく変える!

うららかな秋の土曜日、梅ノ木団地の集会所に、団地に住む人たちと、ピンク色のつなぎ姿の女子大生、それに作業をサポートする業者さんたちが集まってきた。今日は、梅ノ木団地集会所でDIYイベントが行われる。約35畳ある集会室の壁を、自分たちの手で、自分たちが決めた色に塗るのだ。

URは昨年7月、北九州市八幡西区にある九州女子大学と連携協定を締結。集会所の改修にあたり、学生たちの力を借りることにした。

現在の集会所は、団地に住む人たちが、老人会や地域活動に頻繁に利用しているが、火を使った調理のできるキッチンがない。九州女子大学と連携内容について話していたところ、団地自治会から「調理ができる設備を作ってほしい」という要望があり、URは集会所の改修を決定。これを機会により使いやすい集会所に改修し、ここを拠点に幅広い世代の交流が生まれる場をつくるのが狙いだ。そしてこの日、団地の皆さんだけでなく、学生さんたちも一緒に集会室のDIYを行うことになったのだ。

学生たちを率いる九州女子大学家政学部人間生活学科の前田修吾教授がこう説明する。

「URさんから集会所改修を一緒に、というお話をいただき、学生たちに声をかけたところ、みんな“やりたい!”と積極的に手を挙げてくれました」

ピンクのつなぎ姿の3年生、阿部桂子さんが、さらにこう話す。

「集会室の壁や天井の色をどうするか。皆さんからいろいろ意見は出るんですが、なかなか決めきれないので、まず私たちがいくつか候補を決め、団地に伺って皆さんにデザイン案を見ていただきながらプレゼンしました。“あたたかな雰囲気がいい”という意見が多く、オレンジ色が候補になりましたが、オレンジ色は飽きるかも、という意見もあって。3回のプレゼンを経て、最終的にこの色に決定しました」

その色とは、天井はクリーム色、壁はパステルグリーン、床は木目調。そこに入るだけで、気持ちが明るく晴ればれするような色だ。さらに集会室から続くテラスをウッドデッキに改修する予定だという。

自治会から団地近くの中学校にも声をかけ、美術部の生徒さん2名も参加した。団地の皆さん、九州女子大の皆さん、それに関係者で「お疲れさま!」の記念撮影。
戸棚の建具も同じ色で塗る。まずは養生テープを貼って……。
梅ノ木団地の活性化に力を注ぐUR職員、左から杉田典夫、小川和朗、古澤龍之。

新しい集会所でやりたいことがいっぱい

さっそく作業開始。レクチャーの後、みんなで分担して壁や戸棚を水性塗料で塗り始める。

団地の人々は、もちろんペンキ塗りは初めて。一方、前田教授とともに門司中央市場のリノベーションプロジェクトでシャッター塗装を経験している大学生たちは、慣れたものだ。団地の人々に声をかけながら、和気藹々と作業は進んだ。

団地に住む中島洋子さんは、

「学生さんたちが行ったプレゼンでは、若い人たちの感性に刺激を受けながら、私たちも積極的に意見を言わせてもらいました。日頃、めったに話す機会のない学生さんたちとふれあえて、こちらも楽しかったですよ」と笑顔で話す。

改修後の集会所は、調理ができるようになり、子どもたちや子連れ世代など、これまで以上に幅広い世代の人たちが利用しやすくなる。団地自治会では、将来「こども食堂」を開くことも考えているそうだ。

「集会所が3カ月間閉まっているので、みんなオープンを心待ちにしています。まずは新年会かしら。そのときは一緒にペンキを塗った学生さんたちもお呼びして、みんなで新しくなった集会所の門出をお祝いしたいですね」と中島さん。

URの団地マネージャー小川和朗も、「使いやすくなった集会所を活用して、再び大学と連携できればと考えています。そして、これまで集会所に縁がなかった方など新たな参加者を掘り起こし、幅広い交流を促したいですね」と話す。

集会所を明るく改修し、より使いやすくする。団地の魅力がアップするだけでなく、そこからさまざまな出会いが生まれることだろう。

「ローラーは下から上へ、塗料を置いていく感じで」との説明を真剣に聞く皆さん。塗ってみると、これが楽しい。
中学生、大学生と団地の皆さんとの共同作業だ。集会所は2月上旬に完成した。
梅ノ木団地は北九州市と隣接した遠賀郡にある。

【武田 ちよこ=文、青木 登=撮影】

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