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【楽しい団地】武庫川団地(兵庫県西宮市)

URPRESS 2021 vol.67 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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新たなシンボル「赤胴車(あかどうしゃ)」がやってきた!後編

兵庫県西宮市にある武庫川団地の広場に、阪神電車の名車両「赤胴車」がやってきた。
7月10日にお披露目が行われ、赤胴車は団地の中で第二の人生をスタートさせている。

伝説の車両が武庫川団地へ

3月4日午前2時、兵庫県尼崎市にある阪神電車の車両基地から、トレーラーに載せて運び出された1両の電車。1979(昭和54)年の武庫川団地の入居開始から、2020(令和2)年に引退するまで、40年以上も毎日、団地の人々を乗せて走っていた、阪神武庫川線の「赤胴車」だ。

赤とクリーム色のツートンカラーの車体が、深夜の道路をそろりと移動する。「赤胴車」という愛称は、この電車が走り始めた当時、人気を博していた漫画「赤胴鈴之助(あかどうすずのすけ)」から付けられた。

到着したのは西宮市にある武庫川団地。この団地の広場の新たな顔として、そして団地と地域のコミュニティースペースとして、赤胴車は第二の人生を歩むことになった。

ここが赤胴車のある広場。コロナ禍のオープニングセレモニーは、距離を取って開催された。地元の高須中学吹奏楽部の演奏が式典を盛り上げた。

第二の人生はコミュニティー拠点

7月10日、赤胴車が設置された広場のオープニングセレモニーとイベントが、武庫川団地で開かれた。

この日のセレモニーであいさつに立った西宮市長をはじめ阪神電気鉄道(以下、阪神電鉄)やURなど関係者は、誰もがこの赤胴車が新たなランドマークになることに大きな期待を寄せていた。

移設公開を記念した電車のヘッドマークが、阪神電鉄の佐々木専務(右)からUR西日本支社長の田中(左)に手渡された。
石井西宮市長、武庫川女子大学副学長、阪神電鉄、URなど来賓によるテープカット。
団地内のお祭り広場では津山市によるマルシェ、階段広場では子ども縁日が開かれた。

武庫川団地自治会長の田邊 繁さんに赤胴車の感想を聞くと、「普段は入れない運転席が開放されていて、子どもたちが大喜びしています。今年は中止になりましたが、夏祭りのときにも赤胴車は大いに活用できそうです。住民の皆さんとアイデアを出し合って、団地の集会所としてだけでなく、団地を含むこの地域全体の活性化に生かしていきたいですね」と満面の笑みで話してくれた。

「赤胴車が来て、ここはどこにもない広場になりました」と話す田邊自治会長。

URと地域活性化の連携協定を結んでいる阪神電鉄で、沿線の活性化を担当する阪神電鉄の山㟢由貴子さんは、「URさんの『赤胴車を団地のシンボルにできないかな』というアイデアから始まったプロジェクトが、こんなに立派な施設になり、感動しています」とほっとした表情だ。

URの盛田欣哉は、「親子カフェとか、車内吊りを使った子どもたちの絵画展など、いろいろアイデアが出始めていて、これからが楽しみです。末永くこの赤胴車が地域の元気の中心であるよう、URも応援していきます」と話す。

赤胴車プロジェクトを推進したメンバー。左からURの盛田、赤胴車の歴史に詳しい武庫川女子大学教授の丸山健夫さん、阪神電鉄沿線価値創造推進室の山㟢さん、同運輸部の岡田慎太郎さん。

皆さんもぜひ一度、足を運んでみてはいかがだろう。ピカピカの赤胴車が、武庫川団地の広場で待っている。

楽しい団地の画像
この車両は1974(昭和49)年、阪神電車のエースとして製造された。車両番号は7890号。前面にあるバンドン式連結器は、日本で唯一のものだ。
子ども運転士体験が大人気。帽子をかぶり、本物の運転席で出発進行!
床の一角が透明アクリルになっていて、車体の下の部分が見えるようになっている。
熱い鉄道ファンたちが、バンドン式連結器の部分を激写!
シートも床もピカピカ。冷暖房も完備している車内。
赤胴車を迎え、広場の一角に駅のホームが出現した。
飲み物の自動販売機も赤胴車カラーに。

※「赤胴車」の利用には事前の申し込みが必要です。

【武田ちよこ=文、青木 登、曽根香住=撮影】

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