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命と暮らしを守る防災の基本(2)

URPRESS 2021 vol.67 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


水害時に必要な「避難」の種類と「タイミング」を知る

今年の夏も各地で大雨による水害や土砂災害が発生しました。
地震と異なり、水害は災害発生を事前察知することができるため、適切に避難できれば、人的被害を減らすことができます。
自宅の状況に合わせた適切な避難方法を考えましょう。

避難には4種類ある

水害時の「避難」にはいくつかの種類があります。名前が似ていますが、それぞれ目的やタイミングが異なります。また、当てはまる避難方法はひとつとは限らず、タイミングにより推移することもあります。まず、わが家がどれに該当するかを確認しましょう。

防災の基本の画像

1.水平避難(立退き避難)

最寄りの「避難場所」への避難です。自宅周辺がハザードマップで色のついた場所にあり、そのまま留まると命に危険が生じる恐れがある場合は、「避難場所(指定緊急避難場所)」に指定されている学校などへ「水平に」避難します。早めに行動を始めれば、必要な荷物を持ってゆっくり移動できます。

2.広域避難

水平避難の一種で、居住している自治体の外へ避難する方法です。市町村全域が浸水するようなエリアでは、地域内に安全な避難場所が確保できないため、他の自治体へ避難をする必要があります。自費でホテルに泊まったり、台風を避けて安全な地域へ旅行に出かけたりするのも、有効な広域避難の方法です。

3.垂直避難

自宅の「高い階」などへ緊急的に避難する方法です。水平避難・広域避難が間に合わず、自宅から身動きが取れなくなった場合や、水害の進行が早く「警戒レベル5:緊急安全確保」などが発令された場合は、今、自分がいる場所で最も安全な所へ移動し、身の安全を確保します。

4.在宅避難

自宅に留まる避難方法です。ハザードマップ上で自宅が安全な場所にある場合や、マンションの高層階に居住している場合は、「避難場所」へ移動せず、自宅で生活を継続します。ただし停電や断水が生じる恐れがあるため、防災備蓄品などを日頃から準備しておく必要があります。

避難のタイミングについて

「1.水平避難・2.広域避難」を行う場合は、避難を開始するタイミングが重要です。水害避難は、自治体から発表される「避難情報」をきっかけに開始することが多くなりますが、具体的には警戒レベル3〜5の3つの段階に分けられます。

警戒レベル4は、2021年5月まで「避難指示・避難勧告」の2つが設定されていましたが、避難勧告は廃止となりました。「避難指示」が出た段階で、自宅周辺が危険となる場合は、速やかに「避難場所」まで移動してください。

プロフィール

たかにともや

備え・防災アドバイザー。地震対策からパンデミックへの備えまで、各種防災情報を講演会やメディアを通じて解説するアドバイザー。防災系YouTuberとしても活躍中。

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【高荷 智也(ソナエルワークス代表)=文・写真】

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