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命と暮らしを守る防災の基本(11)

URPRESS 2024 vol.76 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


大地震直後の注意事項!「強い余震」への対策ポイント

大地震後には「数日から1週間程度、強い地震に警戒」と注意喚起されますが、2024年1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」も同じ状況となりました。具体的に何をすべきなのか、改めて知っておきましょう。
※能登半島地震で犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。

大地震後に必ず発生する余震

大地震の後に発生する余震。最初に生じた「本震」が大きいほど、余震も大きくなります。直近では次の通りです。

1995年:阪神・淡路大震災では本震M7.3 最大震度7、112分後に 最大の余震M5.4 最大震度4 、2004年:新潟県中越地震では本震M6.8 最大震度7、38分後に最大の余震M6.5 最大震度6強、2011年:東日本大震災では本震M9.0 最大震度7、29分後に最大の余震M7.6 最大震度6強、2016年:熊本地震では本震M6.5 最大震度7、27時間後に最大の余震M7.3 最大震度7、2024年:令和6年能登半島地震では本震M7.6 最大震度7、8分後に最大の余震M6.1 最大震度5強の地震が起こっています。

2011年の東日本大震災は、本震そのものがマグニチュード9.0と史上最大規模だったため、余震も通常の地震であれば大震災クラスとなるM7.6の大きさとなりました。また2016年の熊本地震では、「本震」の後に、より大きな地震が発生する事態となり、これ以来「余震に警戒」という言葉ではなく、「より強い地震に警戒」などの表現が使われるようになりました。

対策1 自宅が危険な場合は屋外へ避難

1回目の地震で不安定な家具が転倒した場合、しばらくは床に倒しておきましょう。そのまま元に戻すと、余震の際に同じように転倒する恐れがあるためです。また、部屋の片付けや家具の移動などを行うときには、できるだけ2名以上で対応し、今、余震が起きたらどうするかを考えながら対応してください。

1回目の地震で自宅の建物が損傷し、2回目の強い揺れに見舞われると倒壊の恐れがある場合は、次の地震までに屋外へ避難してください。津波などがすぐに到達するエリアや、土砂災害の恐れがある地域に住んでいる場合も、1回目の地震の後に避難して、津波や土砂災害の恐れがなくなるまで危険なエリアには戻らないことが重要です。

対策2 自宅の中に「安全ゾーン」を作る

自宅に留まる場合は、2回目の強い揺れに見舞われたときや、緊急地震速報が鳴ったときに逃げ込める、「家の中でここだけは安全」という場所を作っておきましょう。

安全ゾーンとは、家具の転倒、家電の衝突、荷物の落下、ガラスの飛散などが起こらない空間です。理想的には日頃から家中を片付けて安全ゾーンにできればよいのですが、難しい場合は大地震の直後だけでも物を片付けた安全な場所を準備してください。

対策3 夜間の停電対策

夜間の大地震で停電になると、自宅だけでなく周辺の明かりもなくなるため、完全な暗闇になります。明かりがなければ安全行動が取れないばかりか、避難にも支障が生じます。大地震直後の夜間は、スマートフォンや小型のライトを常にポケットに入れておき、できれば日頃から「停電時自動点灯ライト」などを、寝室・廊下・脱衣所などに設置しておくと安心です。

対策4 イメージトレーニングをする

費用や時間をかけずに行える対策が、イメージトレーニングです。「今この瞬間に地震が起きたり、緊急地震速報が鳴ったら、どう動くか?」を考えることで、とっさの行動がとりやすくなります。強い地震が生じやすい「余震警戒」の期間中には、ぜひ思い出してほしい対策です。特に火を使った調理や入浴中、トイレの中でなど、「今揺れてほしくない」ときに行うと効果的です。

プロフィール

たかにともや

備え・防災アドバイザー。地震対策からパンデミックへの備えまで、各種防災情報を講演会やメディアを通じて解説するアドバイザー。防災系YouTuberとしても活躍中。最新刊は『今日から始める 家庭の防災計画』(徳間書店)。

たかにともやさんの写真

【高荷 智也(ソナエルワークス代表)=文】

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