命と暮らしを守る防災の基本(6)
在宅避難の停電対策は代替グッズとポータブル電源で
在宅避難では停電対策が重要です。
特にマンションなど集合住宅では停電がエレベーターや水道の停止につながるので、電気以外の備えもしておかなければなりません。
停電時の影響と、対策の方向性
停電時に困るのは、照明や家電が使えなくなることだけではありません。インフラの多くは電気で動いているため、水道やガス器具も利用できなくなる恐れがあります。
対策は「電気そのもの」を用意する方法と、「電気の機能」を道具で代替する準備に分けられます。前者であれば乾電池やバッテリー、発電機などを準備。後者はカセットガスコンロの用意などが考えられます。
最新の停電対策用品の活用
ポータブル電源
近年使いやすくなった停電対策用品のひとつが、コンセント付き「ポータブル電源」です。小型のものでも繰り返しスマホ充電が可能で、扇風機や給湯器などの小型家電を動かせます。大型のものになると、電子レンジや炊飯器も使えます。
スマートフォン充電をメインにする場合は、「5,000mAh×7回分×台数分」以上の「定格容量」があるものを選べば、停電が長期化しても安心です。家族2名なら70,000mAhが目安です。
室内にある一通りの家電を動かしたい場合は、コンセントの「定格出力」が「1,500W」以上の大型タイプを選択してください。動かせる時間は「定格容量」によりますが、あらゆる家電を動かすことが可能です。
ソーラーパネル
戸建てであれば「住宅用太陽光発電」が活躍しますが、集合住宅の場合は持ち運び可能なモバイルソーラーパネルがあります。写真の大きなパネルは、大人が両手を広げた程度の大きさですが、出力が100Wあるため、ポータブル電源を充電することも可能です。ベランダなどで直射日光が当たる場所があれば使えます。
中サイズのものは出力20W程度ですが、スマートフォンやモバイルバッテリーの充電が可能で、狭い場所でも使いやすくて便利。軽量なため避難所へ持って行くこともできます。写真の小サイズのものは手のひらサイズですが、出力が小さいためLEDライトやラジオ用途と考えてください。
プロフィール
たかにともや
備え・防災アドバイザー。地震対策からパンデミックへの備えまで、各種防災情報を講演会やメディアを通じて解説するアドバイザー。防災系YouTuberとしても活躍中。著書に『今日から始める 本気の食料備蓄』(徳間書店)。
【高荷 智也(ソナエルワークス代表)=文】
住まいセンターが開催する防災ワークショップ
団地を管理している全国の住まいセンター*では、お住まいの皆さまに防災について楽しく学びながらコミュニティを育んでいただくことを目的とした「防災ワークショップ」を実施しています(令和3年度は全国で20回実施し、令和4年度も随時企画・実施)。
このワークショップでは、住まいセンター社員がファシリテーターとなり、令和元年度に一般社団法人防災教育普及協会と連携して作成した「マイ防災ワークブック」を使用します。
内容としては、防災クイズ、自宅の危険箇所へのシール貼りなどを通して家具を固定すること、備蓄品・行動指針を整理しておくことの重要性を楽しみながら学べるほか、身近にある材料を用いたマスクや携帯トイレの作り方、防災備品の紹介なども行っています。
参加者からは「日頃からの備えの大切さがわかった」「自助・共助の重要性が理解できた」などの声が寄せられています。
*UR都市機構業務受託者 株式会社URコミュニティ所管
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