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命と暮らしを守る防災の基本(8)

URPRESS 2023 vol.73 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


防災をライフスタイルに!日常備蓄は安価&ラクに準備

被災生活では、避難所へ行かずに自宅で生活を継続する「在宅避難」が推奨されています。
このときに重要な「備蓄品」の準備は、お金や手間をかけすぎると長続きしません。
できるだけラクに行える工夫をしましょう。

備蓄は最低3日・できれば7日分

防災備蓄の量は「最低3日・できれば7日分」が目安。大規模な災害が生じると、発災後の72時間は人命救助が優先され、生き延びた人への支援が本格化するのは、早くとも4日目以降となるためです。

想定されている首都直下地震や南海トラフ地震のように被災者・被災地域が大きくなると、1週間程度十分な支援が行きわたらない恐れもあるため、できれば1週間自分たちで生活を継続できる準備が必要になります。

日常備蓄(ローリングストック)の考え方 1「いつも」食べている食品の買い置きを多めにする 2賞味期限の近いものから順番に食べる 3すべて食べ切る前に買ってきて補充する

備蓄品は安価にラクに

最近は非常食や各種防災用品の進化がめざましく、少しお金を出せば便利で使いやすいグッズを揃えることができます。しかし、例えば1週間分の水・食料・日用品をすべて便利な“THE防災グッズ”で揃えると、お金や管理の手間が大きくなってしまいます。

防災対策は「瞬間」で終わるのではなく、継続し続けることが重要です。お金や手間をかけすぎると息切れしてしまい、どこかでやる気を失ってしまいます。防災備蓄はできるだけ安価に、ラクに実施することが重要なのです。

日常備蓄による準備

水・食料・日用品などの備蓄品を、安価かつ手軽に準備する方法が「日常備蓄」と呼ばれる方法です。一般的な防災備蓄では、長期保存できる非常食などをまとめて購入して保管し、賞味期限が来たら入れ替える方法をとりますが、これでは費用と手間がかかります。

日常備蓄では、日頃から食べたり使用したりしている「いつか消費するもの」を少し多めに購入し、なくなる前に補充することで、常に自宅内に在庫を確保することができます。これを非常時にも活用すれば、特別な出費や管理が不要になるという考え方です。

飲料水:水のペットボトルやウォーターサーバーのボトル、あるいはお茶や炭酸水などの普段から飲むものを箱などで購入し、常に数箱をキープする 食料品:普段から食べているレトルトやインスタント食品、缶詰などのおかず類や、パスタ・乾麺・シリアルなど日持ちする食品を多めにストックする。 日用品:ティッシュやトイレットペーパー、除菌剤やマスクなど、平時にも使用する日用品も、少し多めに在庫を確保。 特定品:赤ちゃん用品、介護用品、ペット用品、またアレルギーのある家族用の食べ物など、「我が家には重要だが避難所では入手しづらそう」な消耗品は、1〜2週間程度を日頃から確保すると安心です。

プロフィール

たかにともや

備え・防災アドバイザー。地震対策からパンデミックへの備えまで、各種防災情報を講演会やメディアを通じて解説するアドバイザー。防災系YouTuberとしても活躍中。

たかにともやさんの画像

【高荷 智也(ソナエルワークス代表)=文】

辻堂団地で安否確認訓練を実施!

今年の3月3日、辻堂団地(神奈川県藤沢市)で安否確認訓練が行われました。これは自治会とURが主催、URコミュニティ、日本総合住生活、いのちとぶんか社、ヤマト運輸の4社が協力し、実施したものです。お住まいの方をはじめ地域包括センター、病院、交番、社会福祉協議会、民生委員、藤沢市役所などの地域関係者約100名が参加しました。

当日は13時に地震が発生した想定で、安全を知らせる黄色い旗を北側の窓に掲げてもらい、棟委員がそれを数えて災害対策本部に報告。また、かまどベンチを使った焼き芋や飲み物の提供、トイレベンチ・テントの設置訓練、ヤマト運輸提供による非常食の試食販売も行いました。参加者からは「近隣の人とはじめて話せた」「近くで働いているので災害時には協力したい」などの声が聞かれ、大変有意義なイベントになりました。

災害対策本部では、役割分担など、活発な議論が交わされました。
温かな飲み物や焼き芋の提供、ヤマト運輸のブース、どれも大盛況でした。
トイレベンチ設営の様子。「存在をはじめて知った」「夜はランタンが必要」といった意見も。
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命と暮らしを守る防災の基本 バックナンバー

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