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【団地最前線11】ボーネルンドとURが連携 団地空間を活かして健康を増進 袖ヶ浦団地(千葉県習志野市)

URPRESS 2024 vol.76 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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【団地最前線11】ボーネルンドとURが連携 団地空間を活かして健康を増進 袖ヶ浦団地(千葉県習志野市)

ボーネルンドとURが連携 団地空間を活かして健康を増進

公園などの豊かな団地空間を健康やコミュニティーづくりに活かすべく"あそびの道具と環境"を提供するボーネルンドとURが共同研究をスタート。袖ヶ浦団地内にフィットネス器具を設置し、「団地いどばたマーケット」ではエクササイズプログラムを提供するなど、健康づくりに力を入れている。

青空のもとに人が集うマーケット

師走と思えない暖かな好天に恵まれた2023(令和5)年12月の土曜日。袖ヶ浦団地にあるショッピングセンターの広場で、「団地いどばたマーケット」が催された。

定期的に行われているこの催しは、今回で3回目。担当するURの白井博子は「昨年4月にスタートしたコミュニティースペース『団地いどばたラボ』の活動の一環として行っています。世代を超えてヒトとモノがつながる懸け橋になれたら」と開催の動機を語る。

キッチンカーや手作り作家のテントなどが並ぶなか、子どもたちから人気を集めていたのが、ボーネルンドのあそび道具が置かれた「あそびLABO」だ。人工芝の上に安全で軽い大型のブロックを並べ、自由に積み上げたり、つなげたりできるとあって、子どもたちも大喜び。遊び方をサポートするプレイリーダーが見守るなか、さまざまな年齢の子どもが一緒になって遊んでいる。

4歳の男の子を連れてきていたお母さんは「外でこういう遊びはなかなかできないから、子どもも楽しそう。体がたくさん動かせるのもいいですね」と話していた。

ボーネルンドの「あそびLABO」。組み合わせ自在な大型ブロックに、子どもたちも大喜び。
ボーネルンドの「あそびLABO」で遊ぶ子供の様子
団地いどばたマーケットは、今回で3回目の開催。「つどう」「つくる」「ひろげる」をテーマに、地域の楽しい・おいしいが集まる。
団地いどばたマーケットには多くの人が訪れ、キッチンカーやクラフト小物、地元野菜の販売など多彩なコンテンツが好評だった。
多世代が気軽に集まり、つながる「現代のいどばた」を目指して生まれたコミュニティースペース「団地いどばたラボ」を支えるURスタッフ。左から中村佳太郞、白井、根谷拓志。
1967年に管理を開始した袖ヶ浦団地は約2900戸の大型団地。JR総武線・津田沼駅、京成本線・京成津田沼駅、JR京葉線・新習志野駅の3駅の利用が可能。
袖ヶ浦団地のショッピングセンター。スーパーや郵便局、パン屋、八百屋、食堂などがそろっている。

団地の屋外空間を健康づくりに活かす

数あるコンテンツのなかで特に目を引いたのは、広場中央で行われていた「健康増進エクササイズプログラム」だ。プロのトレーナーの指導を受けながら、「姿勢改善」「肩こり改善」「腰痛改善」の3講座を開催。青空のもとでサークルになり、ストレッチやスクワットなどの筋トレも含めて50分、参加者は心地よい時間を過ごした。

参加した60代の女性は「じんわり汗をかく感じで、体がスッキリしました。簡単な体操なので、家でもぜひ続けたい」と声を弾ませた。

マーケットにお目見えした「健康増進エクササイズプログラム」は、ボーネルンドとURの共催で行われたものだ。ボーネルンドとURは23年3月に「健康増進に資する屋外環境の創出による団地の価値向上に関する共同研究協定」を締結。プログラムはその一環だ。

共同研究を始めた経緯と目的について、担当するURの清水和宏が説明する。

「現在、URでは多様な世代が一緒に生き生きと暮らし続けられる『ミクストコミュニティ』の実現や子育て層への訴求、ウェルフェアの推進、団地の活性化に取り組んでいます。ボーネルンドさんとは、UR団地内にある豊かな屋外空間を活用して、幅広い世代の心身の健康増進やコミュニケーション創出などを目指し、協定締結に至りました。今後もともに健康増進に資する屋外環境の活用に関する実証実験を行い、検証や成果などをとりまとめていく予定です」

広場中央で行われた「健康増進エクササイズプログラム」。プロのトレーナーの指導のもと3講座を開催。
袖ヶ浦団地内に5種類のアウトドアフィットネス器具が設置されている。13歳以上なら誰でも無料で、自由に利用できる。

健康で楽しく暮らせるミクストコミュニティ

URと共同研究を行う(株)ボーネルンドの美和竜秀(たつひで)取締役に、今回の共同研究への意気込みを伺った。

「袖ヶ浦団地ではスポーツに通じる取り組みができないかと、今までの健康遊具とは少し違った5種類のアウトドアフィットネス器具を設置し、調査業務を行っています。URさんは、安全面の対応など厳しい基準をお持ちで、我々にとっても非常に勉強になります」

「あそび」を通して子どもの健やかな成長に寄与するよう、"あそびの道具と環境"の提供事業を展開するボーネルンド。近年は子どもだけでなく、多世代が体を動かすことの楽しさを実感できる環境づくりや、さまざまな人が集まってくれる仕掛けづくりにも取り組んでいる。「URさんの目指すミクストコミュニティやウェルビーイングにつながれば」と美和氏。

今後は、イベントの結果などを細かくチューニングしながら、団地住民で自走できるための担い手づくりなど、さまざまなことを考えていく予定だ。

「フィットネス器具の設置では、実際に使われている方から『非常にいい』というお声をいただいています。今後は、こうしたイベントなどを通して使いやすさや安全性などの検証を重ねていきたい。そして、いずれは他の団地にも展開していければいいですね」とURの清水は語る。

子どもから子育て世代、そしてシニアへと。すべての世代が健康で楽しく暮らせるまちづくりが始まっている。

「イベントは器具の使い方などを知っていただくいい機会にもなる」と話すURの清水(左)とボーネルンドの美和取締役(右)。

【阿部民子=文、平野光良=撮影】

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