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【団地最前線16】大阪市・堺市・南大阪(大阪府)

  • URPRESS 2025 vol.81 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

【団地最前線16】大阪市・堺市・南大阪(大阪府) サッカーチームとタッグを組んで地域をより元気に、魅力的にする

サッカーチームとタッグを組んで地域をより元気に、魅力的にする

URの賃貸住宅が数多く存在する大阪市・堺市及び南大阪エリア。 このエリアをホームタウンとするプロサッカーチーム・セレッソ大阪と UR西日本支社が、このたび連携して地域活性化に向けて動き出した。

セレッソ大阪とURが地域のために連携

2月22日の土曜日。大阪市にある「ヨドコウ桜スタジアム」で、セレッソ大阪と、UR西日本支社による協定&契約の締結式が行われた。場所はなんと、ピッチ上。セレッソ大阪の試合に先立ち、観客が見守るなか、締結式に現れたのは、セレッソ大阪の森島寛晃社長(4月からは会長)と、UR西日本支社長の高原 功だ。地域活性化の推進を目的とした包括連携協定と、SDGsパートナー契約の締結のための協定書、契約書に、それぞれが署名し、握手を交わした。締結式の様子はスタジアム内の大型ビジョンでライブ放映もされていた。

URがJリーグのサッカーチームと連携協定を締結するのは初めてのこと。そもそも、なぜUR西日本支社がJリーグのサッカーチームと協定を締結することになったのか。発端は、URのひとりの職員の思いからだ。

「地元のサッカーチームが、地元の小学校の子どもたちを試合に無料招待するというチラシを、自分の子どもが学校から持ち帰ってきました。チラシには地元のスポンサー企業名も載っていて、いい取り組みだなあ。URの団地でもできないだろうかと思ったんです」

URの藤澤啓二はそう振り返る。その思いを翌朝さっそく上司の遠藤亮之(あきゆき)に相談したところ、それはいいと話が進展。

「西日本には約400団地、約20万戸のURの賃貸住宅があります。セレッソ大阪さんは大阪市・堺市をホームタウンとしており、なかでも堺市を含む南大阪エリアには、URの団地が133団地、約7万戸の賃貸住宅があります。連携できたら素晴らしい展開があるのではないかと思いました」と遠藤は説明する。大阪・関西万博終了後、関係者の退去により空き住戸が増えることへの対策が必要なことも、2人の頭にはあった。

2021年に完成した、ヨドコウ桜スタジアム。そのピッチで締結式が行われた。
チームキャラクターのロビーとマダム・ロビーナと一緒に記念撮影。右がセレッソ大阪の森島社長(現会長)、左がUR西日本支社長の高原。
「SDGsデー」 に設定された試合の日には、スタジアムの脇にブース(左側)が用意され、セレッソ大阪が関係するSDGsの取り組みを紹介。参加を呼び掛ける。
今回の取り組みの扉を開いたURの藤澤。「セレッソ大阪さんの懐の大きさを感じています」
「関係者の理解と協力のもとに実現した締結です」と話すURの遠藤。大のサッカーファン。
ヨドコウ桜スタジアムの周辺には、URの団地がいくつもある。写真はサンヴァリエ東長居。
スタジアムの横に設けられた「サステナビリティパーク」で、SDGsの取り組みを紹介。

団地に、大阪に住んでよかったと……

URの思いに応えてくれたのが、セレッソ大阪だ。プロサッカーチームとして地域密着で活動を展開し、高い知名度と多くのファンを持つセレッソ大阪は、Jリーグのなかでも率先してSDGs部門を立ち上げ、地域貢献活動を行ってきたチーム。「サッカーを核とする事業を展開し、夢・希望・感動にあふれたスポーツ文化の振興と地域社会の発展に貢献する」をチームのミッションとして掲げている。

チームには「地域活動やイベントに参加するのは当たり前」という土壌があるそうだが、URからのアプローチをどう受け止めたのだろうか。セレッソ大阪の宮島武志副社長にうかがった。

「お話をいただいたとき、もしかしたら地域社会のど真ん中とうまくつながれるのではないかと思いました。スタジアムにいますと、来られる方にしか接することができませんが、団地という住環境に飛び込めたら、幼い方からお年を召した方まで、あらゆる年代の方に接する機会が生まれます。幼い子にはサッカーを、セレッソ大阪を知っていただく。そしてお年を召した方には、新しい楽しみとして、サッカーを観ていただく。URさんとなら団地でそれができるのではないかと思いました」

その実現に向けて、セレッソ大阪のメンバーによる、子どもたちを対象にした団地でのサッカー教室や、高齢者に向けた健康教室の開催、セレッソ大阪の試合への団地住民の招待などがすでに予定されている。金剛団地をはじめ、サッカー教室を開催できる広い空間を有する団地が地域にあるのはURの強みだ。

「やっていくなかで、リクエストやアイデアが出てくると思うので、URさんと一緒に組み立てながら継続的な取り組みにしていけたらと思っています。URの団地に住んでよかった、大阪のまちに住んでよかったと思っていただけるような活動を積極的にしていきたい。お住まいの方には、ぜひ誘い合ってご参加いただけたらと思います。新しい世界が広がると思いますので」

宮島副社長はそう語る。一方、URの藤澤は「団地で育った子が、サッカー教室に参加したり、試合を観に行ったりしたことがきっかけでサッカー選手を目指し、セレッソ大阪に入団して活躍する」そんな夢を抱くようになったと話す。

団地とスポーツを通じて共に地域を盛り上げ、多様な世代が生き生きと暮らし続けるまちづくりに貢献する。今後、各地に広がっていくかもしれない、そんな期待がふくらむ取り組みが、今年、大阪で始まった。

セレッソ大阪の宮島副社長。「地域のために、互いにメリットとなる活動を長く続けていきたいですね」
セレッソとは、スペイン語で「桜」。
大阪市の市花でもある「桜」の色に身を包んだ選手とサポーターが一丸となって試合に挑む。(C)セレッソ大阪

【妹尾和子=文、青木 登=撮影】

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