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【団地最前線10】日本赤十字社とURが連携。夏休みに子どもが安心して過ごせる場を! 水草団地 (愛知県名古屋市)

URPRESS 2023 vol.75 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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【団地最前線10】日本赤十字社とURが連携。夏休みに子どもが安心して過ごせる場を! 水草団地 (愛知県名古屋市)

日本赤十字社とURが連携。夏休みに子どもが安心して過ごせる場を!

地域の健康・安全な生活の追求と地域コミュニティーの活性化に向けて協力して取り組むべく、包括協定を結んだ日本赤十字社とUR。この夏、水草団地で、日本赤十字社愛知県支部とURによる「子どもの居場所づくり」が初めて行われた。

コロナ禍で進んだ日赤とURの連携

日本赤十字社(以下、日赤)とURの連携が進んだのは2020(令和2)年。コロナ禍での深刻な血液不足に対応するため、日赤から要請を受けて、都内のURの9つの団地で献血会を開催したのがきっかけだ。団地住民を含め延べ2400名以上が献血に協力した。

その後、日赤の職員・ボランティアによる高齢者向けの健康生活支援講習会、多世代向けの防災セミナーなどを都内や奈良県のUR団地で実施。名古屋市の水草団地では、昨年10月、地域の方々の交流の機会づくりにと開かれた「水草フェスタ」で、日赤愛知県支部による「幼児安全法講習」の出張講座を開催。子どもの事故の予防や手当、乳幼児に対するAEDの使い方などのレクチャーが、子育て層に喜ばれた。

災害に強い地域社会づくりや超少子高齢社会における地域の健康・安全な生活を追求する日赤。多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まいやまち(ミクストコミュニティ)の実現を目指しているUR。両者はともに国の地域包括ケアシステムの構築を推進する立場であり、より多くの地域での健康・安全な生活の追求と地域コミュニティーの活性化に取り組むべく、2022年12月に包括協定を締結した。

団地集会所で、子どもの居場所づくり

今年8月には日赤愛知県支部とURの連携で、水草団地の集会所を会場に、夏休みの子どもの居場所づくりを目的とした「夏休み みんなの空き地プロジェクト」が実施された。地域の小学生を対象に、自由に安心して過ごせる場所と体験機会を提供するのが目的。団地を含む地域の子どもたちのウェルビーイング※の向上のため、URの豊かな団地環境と日赤のボランティアネットワークとノウハウを活用して、子どもたちが安心して過ごすことのできる「子どもの居場所」を提供しようと企画されたのだ。

8月7日、「夏休み みんなの空き地プロジェクト」開催中の水草団地を訪ねると、15名ほどの小学生が思い思いに過ごしていた。日赤のボランティアと一緒に宿題に励む子もいれば、カードゲームなどで遊ぶ子、ぬり絵や折り紙を楽しむ子もいる。

10時から17時までの開室中、子どもたちは出入り自由。到着したら、まずは各自、その日のスケジュールを決めて書くことからスタートする。

「スケジュールどおりにはなりませんが、そこは自由です。無理にプログラムを組まなくても、子どもたちは自分たちで自由に遊ぶことが今回よくわかりました。日赤さんから地元の小学校の保護者に呼びかけてもらえたおかげで、団地外の子どもたちに団地に来てもらうきっかけになったのもよかったです」とURの須藤弘臣(ひろおみ)は話す。期間中、グループ会社の日本総合住生活の協力のもと、団地管理のお仕事体験や防災関連のワークショップも行われた。

※身体的、精神的に幸福な状態が持続すること。

「夏休み みんなの空き地プロジェクト」で思い思いに楽しむ子どもたち。和室で絵を描いたり、パズルやカードゲームに興じたり。
団地集会所の玄関で、日赤の公式キャラクター「ハートラちゃん」の看板がお出迎え。
カードゲームを楽しむ子供たち
ツイスターで遊ぶ子供たち
こちらは勉強コーナー。困ったときには、大学生中心の日赤のボランティアがサポートしてくれる。
昼食提供の日は、お弁当が配られる。ボリュームたっぷりのお弁当を、子どもたちはうれしそうに食べていた。
お弁当を嬉しそうに食べる子供たち
屋外での防災ワークショップも開催された。
1979年に管理開始された水草団地。ゆったりとした敷地に5~14階建ての棟が並んでいる。
名古屋駅や栄駅からバス1本でアクセスできる便利な場所にある水草団地。

継続的な支援の足掛かりに

左からURの須藤と日赤の安立さん。日赤としては団地集会所での取り組みを踏まえて、将来は多世代が安心して交流できる場を設けたいと考えている。

水草団地での今回のプロジェクトには7日間で延べ86人の子どもたちが参加。昼間は仕事に出かけている保護者がほとんどで、日赤とURの取り組みなので安心して任せられたという声も多かった。

保護者の方からは、猛暑で友だちと外で遊ぶのも難しく、ここがなければ子どもが家で1人で留守番することになるので助かった、という声が多かったです。ここで友達ができた子もいました」

そう話す日本赤十字社愛知県支部の安立陽一さんによれば、日赤にとっても子どもの居場所づくりは初めての試みとのこと。

「今回の取り組みを検証して、子どもや保護者、地域のニーズを確かめながら次につなげていきたいと思っています」

今年度、北は北海道から南は福岡まで、各地でURコミュニティなどURのグループ会社の協力のもと、日赤との連携イベントが企画・実施されている。全国的な事業者との連携により、より多くの地域で多様な世代のウェルビーイングの向上や、社会課題の解決につながるよう期待が寄せられている。

【妹尾和子=文、青木登=撮影】

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