【復興地探訪 第10回】岩手県陸前高田市

自然、暮らし、歴史を知る観光拠点が続々オープン
岩手県の南東部に位置する陸前高田市は、大規模な復興事業が終わり、2019年に「高田松原津波復興祈念公園」が整備され、「東日本大震災津波伝承館」や「道の駅高田松原」がオープン。新たにかさ上げされた場所には「陸前高田発酵パークCAMOCY」や「陸前高田市立博物館」も開館して、まちなかに賑わいが戻ってきた。




URの陸前高田市支援

URは陸前高田市と2012年3月に「東日本大震災に係る陸前高田市復興事業の推進に関する協力協定」を締結した。高田・今泉地区で高台や中心市街地の整備を実施。市が進める高台移転、かさ上げによるコンパクトな市街地づくり、避難路の整備、防災啓発など、多重防御による減災まちづくりを推進した。災害公営住宅整備事業は2016年度に完了し、市内6カ所269戸の災害公営住宅の引き渡しを終えた。
1.明治38年創業のぶどう農園
神田葡萄園
ジュースやワインを製造する、100年以上の歴史をもつ葡萄園。震災で大きな被害を受けたが、中断していたワイン造りを2015年からスタートさせた。
TEL:0192-55-2222

2.まちの名物になった担々麺
中華食堂熊谷
1947年創業の中華料理屋さん。震災1年後に仮設店舗で営業を始め、地元の人やボランティアの人たちの食事処として愛されてきた。スープにこだわった白と黒のごまベース2種の担々麺は、まちの名物だ。
TEL:0192-55-2813

3.地元三陸産の旬の魚介類を堪能
旬味旬彩 鮨まつ田
2020年に陸前高田出身の店主が地元に戻り開業した鮨屋。マグロや穴子、かき、イシカゲ貝、アワビなど三陸海岸で獲れる魚介類はどれも新鮮。一品料理もおすすめ。
TEL:0192-22-7839

(下)希少な食材、岩姫サーモンとヤマメの「黄金イクラ」を丼にした「岩姫ゴールド」(2,980円)は、1日限定10食。
4.うまみが詰まったかき
かき小屋 広田湾
広田湾で育ったかきを食べるなら「かき小屋 広田湾」で。かき漁師が営む店なので、鮮度は抜群。蒸しがきは、身はプリプリで、磯の香りとうまみがぎゅっと詰まっている。
TEL:090-8784-2114

5.復興と地方再生プロジェクト
サロンドロワイヤル タカタ本店
「ピーカンナッツで産業を興したい」という思いから、2年前にオープンした高級チョコレート店。東京大学と陸前高田市との産学官連携でプロジェクトを推進する。ピーカンナッツも試験栽培中。
TEL:0192-22-9191

6.お土産にうまい地酒を
器・和雑貨・地酒 いわ井
江戸時代から続く老舗「いわ井」。飾り職人の店から造り酒屋になり、現在は地酒をはじめ、和雑貨などのお土産品を販売する。まちの情報を積極的に発信している。
TEL:0192-55-2912

7.発酵調味料で食材をおいしく
発酵食堂やぎさわ
2020年に誕生した「陸前高田 発酵パーク CAMOCY(カモシー)」内には6つの店舗が並ぶ。八木澤商店が営む「発酵食堂やぎさわ」では、地元の魚や肉と自社の味噌やしょうゆ、麹を使った滋味深い定食が味わえる。
TEL:080-2345-5162


海をテーマにした博物館が11年の歳月を経て開館しました!
全国の博物館や専門機関、市民の皆さまの支援を受け、「陸前高田市立博物館」は2023年11月に開館しました。東日本大震災で被災した「旧市立博物館」と「海と貝のミュージアム」を統合し、陸前高田の自然・歴史・文化を震災の記憶とともに未来へ伝える博物館になっています。被災した資料は約56万点、そのうち46万点をレスキューし、33万点を再生しました。現在7,300点が展示されていますが、そのうち9割が震災前から展示されていた貴重な資料です。今後は陸前高田の魅力を伝える企画展も予定しています。ぜひ、お立ち寄りください。
陸前高田市立博物館館長 松坂泰盛さん
陸前高田市立博物館
TEL:0192-54-4224
営業時間:9~17時(最終入館/16時30分)
料金:無料




【石井克美=文、菅野健児=撮影】
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