【復興地探訪 第1回】岩手県大船渡市
大船渡プラザホテルから、キャッセン大船渡方面を眺める。右端に見えるのが、URが手掛けた災害公営住宅「野々田アパート」。美味と特産品が揃った駅前エリアが楽しい
復興が進むまちの「今の魅力」を紹介する新連載。第1回は岩手県大船渡市です。大船渡駅前には津波復興拠点として商業施設や行政施設が集約して造られ、地元の人に愛される新しいまちの中心が生まれました。
漁業のまち大船渡も復活。お店で新鮮な海の幸に舌鼓を打ち、お土産には地元の銘菓や海産物を買って帰ってはいかがでしょうか。穏やかな大船渡湾の海の魅力もお忘れなく。
さあ、大船渡の旅へいざ!
キャッセン大船渡から駅前の「おおふなぽーと」に向かって道路がまっすぐ延びている。
URの大船渡市復興支援
URは大船渡市内で土地区画整理事業、津波復興拠点整備事業、災害公営住宅整備を行い、平成31年度にすべて完了した。大船渡線の線路を挟んで、山側の住宅地は5メートル、海側の商業エリアは3メートル、土地のかさ上げを実施し、現在、「おおふなぽーと」などが建つ駅周辺の基盤整備も行った。あわせて227戸の災害公営住宅を建設した。
BRT大船渡駅も整備された。

1.大船渡の「想い」が詰まったキャッセン大船渡
大船渡駅から歩いてすぐ。駅前広場の先に広がる「キャッセン大船渡」は、須崎川の親水公園を挟んで「フードヴィレッジ」と「モール&パティオ」に分かれている。観光客だけでなく、地元の人にも愛されている。
大船渡湾の牡蠣を召し上がれ
湾岸食堂
震災の年にオープンした「大船渡屋台村」の運営に携わったご主人が、大船渡湾で養殖した牡蠣のおいしさを味わってほしいと開いた店。料理、お酒ともメニューが豊富に揃っている。
TEL:0192-47-4131
生牡蠣(写真)は3個880円。店主おすすめの蒸し牡蠣は3個990円。貝+鶏だしスープが自慢
貝だしラーメン黒船SECOND
アサリとシジミのだしに鶏だしを加えた、さっぱりしたなかにコクのあるスープが自慢。おすすめは全部のっけのSP貝だししょうゆラーメン。岩手県ラーメングランプリ入賞店。
TEL:0192-47-5665
豚・鶏チャーシューに煮たまごなどが全部のった「SP貝だししょうゆ」は1,050円。海産物のお土産はここで
三陸おさかなファクトリー
夏のおすすめは生ウニやカツオ、珍しいところではマンボウの切り身も。地元に揚がった魚介類からオリジナルの加工品や総菜まで、海産物のお土産はここで。
TEL:0192-47-5309
そのままレンジでチンして食卓に出せる「1分懐石」(648円)も人気。2.ワイン造りを地元の文化に
THREE PEAKS
ワイン造りでこの地に新たな文化を創造したいと、オーナー自らブドウを栽培。大船渡産のブドウや、陸前高田市のリンゴなどを使ったワインやシードルを醸造・販売している。
TEL:080-3330-0745
大船渡産ブドウ100%のシャルドネや、花巻産のナイアガラ種を使った白、アップルシードルも。3.フレンチプレスの本格コーヒー
自家焙煎珈琲店よしの珈琲
盛(さかり)駅前にあるスペシャルティコーヒーの店。店主が生の豆の状態で選別して焙煎、それをフレンチプレスで淹れる。豆の販売もある。
TEL:0192-26-2664
豆のおいしさがそのまま出るフレンチプレスにこだわっている。4.避難所としても機能する複合施設
おおふなぽーと
大船渡駅に隣接する「大船渡市防災観光交流センター(通称おおふなぽーと)」。1階の大船渡市観光物産協会で最新の観光情報を入手しよう。
TEL:0192-21-1922(大船渡市観光物産協会)
建物は津波発生時の一時的な避難所として機能。外階段から屋上に上がれる造りだ。5.スイーツの殿堂
かもめテラス
「かもめの玉子」でおなじみのさいとう製菓が運営するショップ。ここでしか手に入らない特別な「かもめの玉子」やスイーツも。
TEL:0120-311-514
店内には和菓子だけでなく洋菓子にベーカリーも。かもめソフトクリーム(左)も人気。6.観光の拠点におすすめ
大船渡プラザホテル
かつてのホテルは震災の津波で3階まで浸水。同年12月に営業を再開させたが、その後、道路整備にかかり、まちの復興を願って駅前に移転。2016年に新装オープンした老舗ホテルだ。
TEL:0192-26-3131
設備の整った客室をはじめ、レストランや結婚式場も完備。7.魚市場で朝食はいかが?
れすとらん海~kai~
大船渡市魚市場の3階にある食堂は、豪華客船から大船渡湾を見下ろすような景観が魅力。市場で働く人たちにまじっていただく朝食や、魚介類たっぷりのランチも人気。
TEL:0192-27-9939
大船渡市魚市場には見学コースがある。この日はワラサやサバなど定置網にかかった魚が次々に水揚げされていた。大船渡市の花・椿をマグロでかたどった人気の椿海鮮丼は1,700円。
ちょっと足を延ばして
複雑な海岸線が続く末崎半島。展望台からも景観が楽しめるが、小型船で海から眺めると、その迫力に圧倒される。写真は穴通磯(あなとおしいそ)と呼ばれる奇岩。
海の魅力を堪能してほしい
津波で瓦礫の山となったまちを見たときには、地球最後の日だと思いましたよ。でも大船渡の人々は粘り強く立ち上がり、ここまで復興してきました。大船渡の魅力はやっぱり海。食べる物も景観も、海からの贈り物がたくさんあります。人もやさしい。ぜひゆっくりと滞在して、海の恵みと人とのふれあいを堪能してください。
大船渡市観光物産協会
会長 齊藤俊明さん*新型コロナウイルスの感染拡大防止等により、店舗や施設の休業日や営業時間などが変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。
【武田ちよこ=文、菅野健児、曽根香住=撮影】
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