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【復興地探訪 第13回】岩手県釜石市

URPRESS 2024 vol.79 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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復興地探訪 のんびり旅したい 鉄と魚とラグビーのまち

のんびり旅したい鉄と魚とラグビーのまち

岩手県の南東部、三陸の豊かな漁場を擁し、近代製鉄発祥の地として発展してきた釜石市。ラグビーファンにとっても思い入れのあるまちだ。山々が迫り、深い入り江が連なるリアス式海岸の地形が生み出す、豊かな自然も魅力のひとつ。釜石のグルメ、文化・歴史、スポーツ、自然など、さまざまな見どころを紹介しよう。

釜石湾は豊かな漁場であり、釜石港は国際貿易港としても栄えてきた。
鐘崎に立つ高さ48.5mの釜石大観音。胎内にある210段の階段を登り切ると、絶景が広がる。
釜石大観音さまのお膝元につくられた、恋人の聖地のモニュメント。ここで写真を撮ったり、鐘を鳴らすと恋が実るとか。

URの釜石市支援

URは釜石市と2012年3月に協力協定を締結し、鵜住居(うのすまい)、片岸(かたぎし)、花露辺(けろべ)の3地区で、復興市街地整備と災害公営住宅の整備を支援。2017年9月までに、鵜住居地区復興公営住宅120戸、花露辺地区復興公営住宅13戸、片岸地区復興公営住宅18戸の合計151戸の引き渡しを終えた。

「釜石祈りのパーク」、「鵜の郷交流館」が完成。復興のあかりを「灯す」と「共に」「友」を重ねて名付けられた。
「うのすまい・トモス」エリアには、津波伝承施設や観光交流拠点となる「いのちをつなぐ未来館」
ラグビーワールドカップ2019日本大会のフィジー対ウルグアイ戦が行われた、震災復興のシンボルともいえる釜石鵜住居復興スタジアム。
鵜住居駅周辺に広がる復興公営住宅。
JR釜石駅前広場に建つ「釜石復興の鐘」。鐘の表面には、鎮魂、記憶、復興、希望の四つの文字が彫られている。
なかに入るとミッフィーの絵本やグッズに囲まれる「ミッフィーカフェかまいし」。全国からミッフィーファンが訪れる。
三陸鉄道リアス線を中心とした釜石市の全体図

1.三陸の新鮮な魚介類をおいしく

竹寿司

ご夫婦で営むアットホームなお寿司屋さん。寿司はもちろん、刺身、揚げ物、焼き物など、三陸の旬の食材を使った料理はどれもおいしい。おなかいっぱい食べてほしいという大将の熱意が伝わってくる。いつも地元のお客さんでにぎわう人気店だ。

TEL:0193-55-5070

写真はコース料理のなかから、刺身盛り合わせと握り寿司。ボリューム満点だ。コースは4,000円から。

2.オーシャンビューを楽しめる

魚河岸 庄五郎

釜石湾を一望できる魚河岸(うおがし)テラス2階にある「魚河岸 庄五郎」。名物は、旬の地魚にこだわった海鮮丼やお寿司など。地元の水産会社が営むお店とあって、海産物にこだわったメニューが充実。海を見ながらゆっくり食事を楽しもう。ランチのみ営業。

TEL:0193-55-6900

近海でとれる魚介類を中心に、約10種類が盛り付けられた庄五郎丼(1,870円)は、人気の一品。

3.新鮮な海産物を自分で焼いて

サン・フィッシュ釜石の海鮮焼会場

釜石駅前にあるサン・フィッシュ釜石の1階には海鮮焼会場があり、館内の鮮魚店で購入したホタテ貝や牡蠣、ムール貝、イカなどをその場で焼いて食べる、浜焼きが楽しめる。気に入った魚介類があれば、お土産にも。

TEL:0193-31-3668

ガスコンロなど、浜焼きセット一式は借りることができる(有料)。飲み物などの持ち込みは自由。

名物・釜石ラーメンとは?

「極細の縮れ麺」と「琥珀色に透き通った醤油味の淡麗スープ」が特徴の釜石ラーメン。かつて製鉄マンに愛されていた頃、お客さんを待たせないため、早くゆで上がるように工夫されたそうだ。

A.お食事ハウス あゆとく

1940(昭和15)年、食堂としてオープン。極細の自家製麺に、野菜のやさしい甘みがきいたスープが特長だ。現在腕を振るう3代目のシェフは、フランス料理店で修業。ラーメン600円。

TEL:0193-23-5099

ラーメンと並ぶ人気メニューが、スリランカ風チキンカレー(1,080円)。好みに合わせて辛さのレベルを選べる。

B.麺飯店 喜楽

鵜住居駅からすぐ、黄色の目立つ外観が目印だ。がっつり食べたい人におすすめなのが、ラーメン&チャーハン(1,200円)。先代は、東京・渋谷の喜楽で修業したそうだ。

TEL:080-5846-1939

チャーハンとラーメンの写真

C.新華園本店

ご当地ラーメン・釜石ラーメン発祥の店。ちぢれ細麺、チャーシュー、メンマ、ネギにスープがたっぷり。「スープ、麺、具材のバランスが大事」と2代目店主。ランチタイムはいつも行列ができている。ラーメン700円。

TEL:0193-22-1888

ラーメンの写真

釜石の魅力は自然と食 そしてフレンドリーな人たち

釜石市地域おこし協力隊
観光地域づくりコーディネーター 横木寛裕さん

釜石の魅力はたくさんありますが、三つに絞ると「自然、食べ物、市民性」だと思います。夏ならシーカヤックやSUPなどのマリンスポーツ、秋には五葉山(ごようざん)や「みちのく潮風トレイル」などのトレッキングと、海と山の両方の自然を満喫できるアクティビティが体験できます。

食べ物にフォーカスすると、海産物ならウニ、ホタテ、牡蠣、毛ガニなど挙げるときりがありません。釜石ラーメンの食べ歩きも楽しいです。ゼリーのような食感の甲子柿(かっしがき)は注目のフルーツ。季節ごとにおいしいものがたくさんあります。

歴史を振り返ると、近代製鉄の発祥地として、また、実業団ラグビーチームである新日鉄釜石の活躍などがあり、県外や海外からもたくさんの人が訪れてきたからか、それを受け入れるフレンドリーでホスピタリティのある市民性が大きな魅力です。私は大学卒業後、神奈川県から就職で釜石に移住したのですが、そのことを実感しています。ぜひ、釜石の魅力を体感しにいらしてください。お待ちしています。

釜石観光案内所 TEL:0193-27-8172

釜石の名物、ワカメのしゃぶしゃぶ。(C)かまいしDMC
ウニしゃぶの写真ウニしゃぶ、ウニのだしでいただく海産物は絶品だ。
三陸エリアで一番高い山、五葉山。豊かな自然のなかでトレッキングを楽しむ。
鉄の歴史館では、釜石の鉄づくりの歩みなどを貴重な資料や模型・展示品などで紹介している。

【石井克美=文、菅野健児=撮影】

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