【復興地探訪 第9回】岩手県大槌(おおつち)町

魅力のある体験プログラムや特産品が続々と誕生
岩手県沿岸部のほぼ中央に位置する大槌町は海と山が近く、海の暮らしと山の暮らしが共存している。その魅力を知るには、自転車でまちを巡る体験プログラムや、郷土芸能鑑賞がおすすめ。また、「岩手大槌サーモン」や「大槌ジビエ」など、新しい特産品も次々と誕生している。
大槌湾に浮かぶ蓬莱(ほうらい)島は、「ひょうたん島」の愛称で親しまれている。人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルになったと言われている。
返す波のない「片寄せ波の浜」として知られている浪板海岸。サーフィンやSUP(スタンド・アップ・パドルボード)が楽しめる。
中央、右/大槌町周辺の地図上/駅前にある「三陸屋台村おおつち〇〇横丁」には、焼き鳥の「七福食堂」や浜焼きの「おおとら」など9店が軒を連ねる。
左上/絶滅危惧種の魚・イトヨが生息する源水川。
左下/大槌町で栽培されている酒米と源水地区の湧き水で造った純米吟醸酒「源水」。地域おこしの酒として2022年に発売された。
URの大槌町支援
URは大槌町と2012(平成24)年4月に「東日本大震災に係る災害公営住宅の整備に係る基本協定」、7月に「東日本大震災に係る大槌町復興整備事業の推進に関する協力協定」を締結した。17年に、災害公営住宅整備事業の関連工事は完了し、町内9カ所243戸の災害公営住宅の引き渡しを終えた。
和風の外観で木のぬくもりが感じられる本町・上町町営住宅。
歴史的にも文化的にもシンボルだった「御社地(おしゃち)」と呼ばれる湧水池を再生。左奥は御社地(おしゃち)町営住宅。1.自転車屋さん&カフェ
チャリカフェ
震災後、仮設商店街で営業していた内金崎自転車商会は、2018年に中心市街地に戻ってカフェを併設した。お豆腐ハンバーグプレートやタコライスなど、食事メニューも充実。
TEL:0193-27-5888
手作りのこしあんが自慢の「御社地大福」は、昔、人気のあった重兵ヱまんじゅうの味を再現した。2.海の幸と郷土料理が自慢
さんずろ家
浪板海岸を見下ろす、気持ちのいいオーシャンビューの老舗食事処。三陸の海の幸はもちろん、郷土料理の「ひっつみ」や大槌名物「磯ラーメン」、「いかめし定食」も人気。民宿も営んでいる。
TEL:0193-44-2413
中央/ワカメとマツモ、フノリという3種の海藻たっぷりの磯ラーメン。蒸しウニ丼セットで(1,320円)。右下/郷土料理のひっつみ汁は、小麦粉を練った生地を、一口大の平たい団子状に手でちぎって、野菜や鶏肉、海鮮などの具材と一緒に煮こんだ料理。「浜ひっつみ」は1,200円。
3.旬の海の幸がおいしい居酒屋
居酒屋ゑびす
地元のおいしい海産物と大槌名物が楽しめる人気の居酒屋。「いかの腑入り」は、いかの身とゲソをいかの腑(肝)、味噌、ネギ、しょうがなどと炒めた大槌名物。
TEL:090-6784-9120
上品な味わいの岩手大槌サーモンの刺身(800円)
さわやかな磯の香りと味わいのホヤ刺し(500円)など、旬の海の幸は絶品だ。夏は、ウニもおすすめ。
大槌名物「いかの腑入り」(700円)。4.おおつちジオフードに認定!
どんりゅう庵
2012年、横浜の震災支援機構が、復興支援活動のためにオープンしたカレー店。まちの人たちを元気にし、今では大槌名物に!県外からもお客さんが訪れる。
TEL:0193-41-1777
トマト風味で酸味のきいたカレーと、イカスミを使ったカレーの合いがけ、「赤と黒のひょうたん島カレー」(700円)。ひょうたん形のライスがカワイイ!5.地元のスイーツをお土産に
菓子工房エルマーノ
地元で愛され続けている洋菓子店。さまざまな種類のケーキや焼き菓子が並ぶ。和菓子店だった先代の味「あんころ柿」のファンも多い。
TEL:0193-42-3525
お土産に人気のスイーツは、「おおちゃん焼きドーナツ」や「大槌城山ポテト」、「あんころ柿」など。6.「大槌ジビエ」が誕生
MOMIJI直売所
2020年、「『害獣』を『まちの財産』に」という思いから誕生した、鹿肉ブランド「大槌鹿」。直売所では、冷凍鹿肉や加工品を販売する。町の新たな食ブランドとして注目の的だ!
TEL:0193-27-8741
上/MOMIJIの鹿肉を使った「ジビエ鹿肉ステーキ」は、居酒屋ゑびすで食べられる右下/「岩手ぅんめぇ~もん!!グランプリ2022」優秀賞を受賞した「大槌鹿のシチュー」。
左下/若い鹿のみを食用にする。うま味、柔らかさ、臭みのなさが特長だ。
大槌の人と食と景色に出会いまちの魅力を感じてほしい
「おおつちチャリクエ」(1人4,500円)では、三陸鉄道と並走できるルートもある。
郷土芸能の大神楽や虎舞が鑑賞できる「郷土芸能かがり火の舞」は、毎月第2・4土曜日の夜、小鎚神社で開催。鑑賞料金1人500円。まちの復興工事が終わり、これから大槌町の魅力を多くの方に知ってもらいたいと思っています。2年前から始めた「おおつちチャリクエ」は、電動自転車でまちを巡りながら4つの体験ができるプログラムです。
(1)撮影スポットを巡り4カ所以上の写真を撮ってくる。
(2)スポットに立ち寄って海産物やスイーツをいただく(3~4カ所)。
(3)地元の人と一緒にプチ体験をする。
(4)飲食店クーポン(500円)を利用して食事をする。
すべてをコンプリートするとプチ・プレゼントを差し上げます。地元の人たちとの交流は、まさに旅の醍醐味。きっと忘れられない旅になると思います。お待ちしています!
大槌町観光交流協会 TEL:0193-42-5121
(一社)大槌町観光交流協会大槌町観光コーディネーター
服部真理さん
【石井克美=文、菅野健児=撮影】
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