【URのまちづくり最前線 第35回】UR×Jリーグが連携して進めるまちづくり
スポーツを通して高める
まちの魅力と地域への愛着
スポーツをきっかけに、人のつながりと地域への愛着を育む取り組みが全国各地で始まっています。
Jリーグクラブと新たなまちづくりを
大熊インキュベーションセンターで開催された復興交流イベントで、いわきFCのトップチーム選手によるサッカー教室を行った。2025年9月10日、JリーグとURがスポーツとまちづくりを通じた地域活性化に関する包括連携協定を締結した。地域の持続的な発展と住民の豊かなくらしの実現を目指しての連携協定だ。
URの坪内恵介は協定締結への思いを次のように説明する。
「『ここに住み続けたい』と思えるまちをつくるのがURの仕事です。スポーツをきっかけに住民同士が知り合い、交流する機会が生まれる。そうしたつながりを重ねることで、地域への親しみや愛着が育つ。地域に根づいた活動をされているJリーグとなら、そんなまちづくりができると考えました」
1993年の開幕から33年を経たJリーグは、J1からJ3まで全60のクラブが全国42都道府県に存在する。Jリーグのパートナー事業本部カテゴリーダイレクターの叶屋宏一さんによれば、クラブは日頃から地域とのつながりを大切にし、ホームタウン活動を通じて、誰もが気軽にスポーツに関わり、楽しむことができる環境づくり、スポーツを通じた豊かな社会づくりを目指しているとのこと。
サッカーの試合以外にも、さまざまな地域貢献活動を行っていて、その数は年間3万回(!)以上。平均すると毎日80ほどの活動が行われていることになる。活動には、まちづくりや介護予防・健康増進、気候アクション、多様性・多文化理解などのテーマも含まれている。
「今回の連携協定を通して、全国各地のJリーグクラブが、地域のURさんの団地などをお借りして一緒に活動できるようになりました。スポーツを通してコミュニティづくりに貢献できるのは非常にありがたいことで、サッカーに触れたことがない、スタジアムに来たことがない人に直接アクセスできるのも我々にとって大きなプラスです」と叶屋さんは語る。
2026年 全国各地でUR×Jリーグの連携イベントを開催!
いわきFC×おおくま学園祭2026「OKUMA ODYSSEY」(福島県大熊町)
3月14日開催
ギラヴァンツ北九州×徳力くすのき公園(北九州市)2月21日開催
徳力団地に隣接する公園でサッカー教室と気候変動プログラムを開催。
名古屋グランパス×千代が丘団地(名古屋市) 3月24日開催
ヴィッセル神戸×ポートアイランド団地(神戸市)6月6日開催
FC東京×渋谷区×UR「本町防災まちづくり×サッカーDAY」(渋谷区)
6月21日開催
サッカーを入口に人と地域がつながる
これまでに全国12カ所でURとJリーグの連携イベントを開催。「名古屋グランパス」と千代が丘団地で、「奈良クラブ」と平城第二団地で、「湘南ベルマーレ」と浜見平団地でなど、団地内でサッカースクールを開催。そのほか、「FC東京」と渋谷区のコミュニティーセンターで防災をテーマにしたイベントを開催したり、「いわきFC」と大熊町主催のイベントに参加するなど、団地に限らず幅広い活動を繰り広げている。
団地では「UR SPORTS LAB 2026 PLAY GREEN」として、サッカー教室と気候アクションプログラムを組み合わせて実施。気候アクションプログラムは、Jリーグクラブが注力しているSDGs、環境教育の一環で、紙芝居を見ながら「サッカーができる環境を守るには何ができるか?」を参加者に考えてもらうもの。紙芝居や防災クイズなど、子どもの心を実にうまくひきつける仕掛けで展開するJリーグクラブのスタッフに、URメンバーは毎回驚くという。
「Jリーグとの連携イベントには、団地内外から多くの若い親子が参加し、保護者同士が知り合う場面もあります。日常では出会うことのない人たちが、スポーツをきっかけに出会う。そこに、スポーツが人をつなぐ力を感じています」とURの坪内。
またURの小幡美貴は、参加者へのアンケートから、Jリーグとの連携イベントが、URの団地や取り組みを知ってもらうきっかけになっていることを強く感じていると話す。
「Jリーグクラブのスタッフに教えてもらえるからと参加された近隣の方から、『初めて団地に足を踏み入れて、広場や集会所など交流の場が充実していることを知った』などの声が聞けました」
お互いの強みを生かしてタッグを組む3人。左からURの坪内、Jリーグの叶屋さん、URの小幡。ボールを通して多世代の交流を
今後は、走らずに楽しめる「ウォーキングフットボール」に気候変動学習を組み合わせ、子どもからシニアまで幅広い世代が交流できるプログラムを予定している。さらに、イベントで終わらせず、JリーグクラブとURの現場が地域の課題を共有し、その地域に合った継続的な取り組みに育てていくことを目指している。
魅力的なまちづくり、コミュニティづくりという共通の思いをもつURとJリーグ。互いの強みを活かしながら、今後どんな共創プレイが生まれていくのだろうか。
【妹尾和子=文、菅野健児=撮影(人物)】
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