街に、ルネッサンス UR都市機構

URのまちづくり最前線 第5回

URPRESS 2017 vol.50 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

四谷駅前地区第一種市街地再開発事業 東京都新宿区
都心の中心地に、緑豊かなにぎわいと交流の拠点をつくる

東京都心の中心部に位置し、外濠の豊かな緑に恵まれたまち、四谷。
JR中央線と東京メトロ丸ノ内線・南北線が集結する四ツ谷駅前で、いまUR都市機構が中心となって大規模な再開発が進められている。
四谷駅前再開発事業の完成予想図。四季を感じられるようにさまざまな樹種を三次元的に配置し、緑とふれあう新しいまちが誕生する。

ランドマークとなる大規模複合施設の開発

昨年度に着工し、現在、工事が進む現場。

JR四ツ谷駅を出て、外堀通りを渡ってすぐ右手。工事用の塀に囲まれた一帯では、目下ショベルカーや土砂搬出用のダンプカーがフル稼働中だ。ここが現在UR都市機構が手がけている四谷駅前地区再開発事業の現場。2020(平成32)年には、外堀通り沿いの約2.4ヘクタールの敷地に、超高層ビルと低層の建物が連なる新しいまちが姿を現す予定だ。敷地内の広場と低層建物の階段状のテラスを緑化して、外濠公園からつながる美しい緑が空間を彩る計画になっている。「オフィスや商業施設、住宅はもちろん、教育施設や新宿区の公益施設も入り、31階建てのビルは四谷地区で初めての超高層建築になります」

UR都市機構東日本都市再生本部の四谷駅前再開発事務所で、事業計画を担当する田村一馬は説明する。プランニングでは、駅前の立地を生かしたにぎわい交流拠点をつくることを目的に、(1)防災性の高い広場空間をつくる (2)官舎や小学校などの大規模な跡地の有効活用 (3)道路の拡幅や歩行者用通路の整備によって快適で安全、かつ緊急時には避難路になる歩行環境の確保、という大きく3つの課題解決を目指しているという。

かつてこのエリアは、財務省官舎と新宿区立四谷第三小学校が3分の2ほどを占め、通り沿いに住宅や商店が並んでいた。再開発への気運が高まったのは10年ほど前。URは豊富な再開発事業の経験とノウハウをもつことから、地権者が結成した四谷駅前地区再開発協議会からの要請を受けて、2006年度から事業に関わるようになった。

田村によれば、地権者の数の多さに加え、多様なこともこの地区の特徴だという。「国(財務省)」「新宿区」といった大規模地権者と、ここに住んだり事業を営んだりしてきた地権者は合わせて約60名。借家人も入れると170名以上にもなる。国・公共団体・事業者・個人と、異なる性格をもつ多くの地権者に対して、公平・中立な立場でアプローチできるのがURの強み。だが、立場や要望、土地 への思いはそれぞれ異なり、調整には長い時間と粘り強い話し合いを必要とした。再開発協議会の会長、齊藤源久さんは、「官舎と小学校が廃止されたタイミングがほぼ同時期だったから、この規模での再開発事業に踏み出せました。公的な性格をもち、公共の利益を考えるURだから遂行できたのかもしれません」と振り返った。

この日は掘削状況の確認が行われていた。
「四谷のランドマークとして多様な人が集まるまちに」と URの田村一馬。
再開発協議会の会長である齊藤源久さん。四谷生まれで、現在もこのまちで事業を営んでいる。

事業パートナー制度で各々の強みを生かす

今回のケースでは、URの再開発事業としては初めて事業パートナー制度を採用していることも見逃せない。これは計画の早い段階から民間事業者が事業に参画し、建設するオフィス、商業施設や集合住宅の権利を取得する一方で、商品企画や管理運営などへの提言やアドバイスを行う。民間ならではの視点やノウハウを開発に生かせることに加え、パートナー企業にとっても自社に合わせた建物仕様などの要望を反映しやすいメリットがある。パートナーである三菱地所株式会社の担当者、都市開発二部の樋口知美さんは言う。「弊社が長年培った経験を基に、建物を取得するオーナーの立場、そして建物を管理運営していく管理者の立場から、さまざまな提言をしています。私どもでは個人の地権者が多く、これほど大規模な開発を手がける機会はなかなかありませんので、URさんの仕事ぶりを目の当たりにする得難い機会。勉強になります」

URで現場を担当する東日本賃貸住宅本部四谷駅前技術監理課の松田一慶は、「今も毎日のように事業パートナーや新宿区との協議、設計者や工事施工者との打ち合わせなど、会議の連続」だと言う。その一方で、この地区内に出店予定の地権者を集めて勉強会を開き、再開発でつくられた都内の商業施設を見学するなど、より良いまちづくりへのルール策定のお手伝いも行う。URの担う業務は、驚くほど幅広く、きめ細かい。「これまでの人の流れを変え、土日にもにぎわいを生み、四谷の良さを発信できるまちにしたい」

話を伺った人全員が、新しいまちへの期待をそう語る。今後は「どういうコミュニティーをつくるか」「どうブランディングしていくか」をURと地権者、民間事業者が一体となって考えていく。四谷の魅力をさらに輝かせるその日まで、URの地道な努力が続いていく。

事業パートナーである三菱地所の樋口知美さんは、「お互いの強みを生かしながら、魅力あるまちをつくりたい」と語る。
「四谷のまち、ひいてはUR再開発のブランディングができるような建築物を目指す」と話すURの松田一慶。
2020年度の完成をめざし、日々緊張感のある仕事が続く。

【西上原三千代=文、菅野健児=撮影】

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