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【特集】いろどりの杜(東京都足立区):住環境カスタマイズ

URPRESS 2021 vol.66 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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理想の暮らしを自分でつくる!
人とつながる愉快な団地ライフ

築年数が50年以上にもかかわらず満室で、空室の問合せが途絶えない人気の団地がある。
居室のリノベーションはもちろん、庭でのバーベキューや野菜づくりも可能な住環境。
この団地をベースに、人がつながり、面白いことが始まっている。

DIYもキャンプもバーベキューもOK

そのユニークな団地「いろどりの杜(もり)」は、常磐線・東京メトロ綾瀬駅から15分ほど歩いた場所にある。URが建て替えを進めた旧東綾瀬団地(1960年代建設)の、解体せずに残した2棟だ。民間会社、フージャースアセットマネジメントと連携して設備などの必要な工事を行い改修。2020(令和2)年2月からフージャースアセットマネジメントの管理で入居を開始した。

いろどりの杜の写真
鉄塔があるため建て替えの制約があった団地2棟を改修した、いろどりの杜。2020年度グッドデザイン賞を受賞。

48戸はすべて自由にDIYできるのに加え、DIY部分は原状回復が不要で、サポート体制も徹底。工具を借りることができ、さらに団地に居住している大工さんが、相談にのってくれる。

単身男性がDIYした部屋は、玄関の扉を開けると土間のようなスペースが広がっていて、左側には収納にこだわったダイニング、右側にはデスクにもなる棚が備えられ、奥の押し入れが寝床に。ベランダに設置した板はワークスペースにも、庭や空を眺めながらのドリンクスペースにもなっていた。

敷地内にあるDIY用工具などが揃うシェア工房。
理想の暮らしにあわせてDIYした居住者のお部屋。「ドラえもんに憧れていたので」と押し入れを寝るスペースに。

シェア菜園もあるし、庭は自由に使えて、バーベキューセットやテントの貸し出しもある。集合住宅では難しいはずのことが、ここではいずれもOKなのだ。

訪れた4月24日は、住民交流のためのイベントが開かれていた。ピザをはじめベーコンの燻製に肉じゃが……。屋外で軽食を楽しみながら、会話が交わされている。住民だけでなく、その知り合いやこの団地に興味を持った人なども参加しているという。なんともなごやかで、開けた雰囲気なのだ。

シンボルツリーのケヤキの下での交流会。参加者がさりげなく声をかけるなど、初めて参加する人にも配慮がある。居住者の多くは単身または2人暮らし。
参加費は経費を割り勘で。持ち寄りの品も多い。
参加者の「あったら面白いよね」の声を受けて、ドラム缶風呂やサウナテントを住民が持ち込み、イベント時に楽しんでいる。
専用庭付き住戸のほか、シェア菜園もある。庭で収穫したナスやスイカがイベントに差し入れされることもある。

従来の団地にはないチャレンジも

いろどりの杜のコンセプトは「Hands-on Village」。団地を管理するフージャースアセットマネジメントの根本香さんは説明する。

「URさんの団地のしっかりした構造、広大な空間、自由に使える庭は魅力的。部屋のDIYだけでなく、住民間のコミュニティーの活性化、さらには地域に開けたコミュニティーの形成につながればと思っています。"欲しかった暮らし"を自分の手でつくり育てる場となることを目指しています」

コロナ禍ながらコミュニティーの広がりは予想していた以上で、根本さんは驚いているという。

従来の団地にはないアイデア、挑戦も多いため、URとしては安全安心などへの配慮からハードルが高いこともあったが、さまざまな調整を進め実現してきた。

「大事にしたのは、建て替え後の団地であるパークタウン東綾瀬等の地域にお住まいの方への配慮です」とURの中野瑞子(みつこ)は振り返る。以前からお住まいだった方にも思い入れのある団地なので、近隣の方々とよい関係を築けるように、事前に近隣自治会などとフージャースアセットマネジメントさんの顔合わせを実施。いろどりの杜では、イベントへの地域住民の参加も歓迎している。

「今は若い方が住んで、活気が出て明るくなったというお声を聞き、私たちも安堵しました」と中野。共に担当するURの三宅正利と大木大輔も、「屋外空間の使い方などコミュニティー形成の参考になるヒントがたくさんあるので、ここでの学びを他の団地にも活用していきたいです」と口を揃える。

いろどりの杜のコミュニティーづくりを住民となって支えているのは、コミュニティービルダーだ。(株)はじまり商店街の辻 麻梨菜さんもそのひとり。かつては都内のオートロック付きのマンションで、エレベーターで他の人と一緒になるのも避けながら暮らしていたという辻さん。

「2年前から山梨の実家と行き来するようになり、地域に開かれている実家周辺の人の距離感が心地よくて。暮らしの豊かさがそこにある気がしました」

東京でもそんな暮らしができたらと思っていたときに、いろどりの杜と出会った。

「今は玄関から出れば、知り合いばかりで。おはよう、おかえりの挨拶があって、“さくらんぼもらったけど、いる?”などと会話して。気持ちの開き方が全然違いますし、友達がどんどん増えて、毎日が楽しくて」と笑顔の辻さん。団地内でのリアルなイベントのほか、足立区の気になる人にフォーカスしたオンラインイベントを毎月開催するなどして人のつながりを広げ、団地の魅力を発信している。

かつてはマンションの隣に誰が住んでいるかもわからない不安もあり、モノクロに見えていたという辻さんの東京の暮らし。今や仲間と一緒に面白がりながらの日々。仲間からも次々にアイデアが出てきて、やりたいことがいっぱい。暮らしはいろどりにあふれている。

左からURの三宅、大木、中野、フージャースアセットマネジメントの根本さんと石村穂乃佳さん、コミュニティービルダーの辻さん。春から担当になった石村さんは、現地に来て、「あちこちでリモートワークができて、友達もできる環境に驚き、刺激を受けた」と話す。

*記事中の交流イベントは緊急事態宣言の解除期間中に開催されました。

【妹尾和子=文、青木 登=撮影】


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