【特集】金剛団地(大阪府富田林市):地域の魅力向上拠点
地域の魅力アップを目指す
働き、学び、集う場が誕生
大阪の金剛(こんごう)団地に、今年1月、地域の魅力向上拠点「∞KON ROOM」がオープンした。
会議やコワーキング&自習のためのスペース、休憩もできるスペースを備えるこの場所が、地域の人々の新たな交流を生む拠点、地域の人の声を拾う場になり始めている。
勉強も会議も休憩もできるスペースが誕生
大阪中心地へアクセスしやすく、緑豊かな落ち着いた住環境が広がる金剛団地。南海電鉄金剛駅の東側に広がるこの団地の一角に誕生した「∞KON ROOM」は、富田林市とURが共同で設置した地域の魅力向上のための拠点だ。読み方に迷っていたら、
「インフィニットコンルームという名称です。"無限の可能性のある金剛地区のお部屋"という意味で、公募により決定しました」
と富田林市金剛地区再生室の加茂武さんが教えてくれた。「∞KON ROOM」は、(1)コワーキング&自習スペース、(2)会議スペース、(3)休憩スペースの3つのエリアで構成されていて、フリーWi-Fiやコピー、レンタルパソコンなどのサービスが整っている。地域の人が集まったり、ビジネスなどの込み入った話ができる、個室タイプの会議スペースもある。
加茂さんによれば、金剛地区には集会場やふらっと立ち寄れる場所、活動の拠点となる所が少ないこともあり、以前から〝自分たちの居場所が欲しい〟という声が地元の方々から上がっていたという。コロナ禍のなか何か地域の方のために取り組めないかとの思いも重なり、今回の実証実験につながった。URの賃貸ショップが駅前に移転して空いていた団地内のスペースの利用をURが提案。地域の方々が働く、学ぶ、集うための場が誕生した。オープン前から関わっているURの石田真優子は、
「コロナ禍によるライフスタイルやワークスタイルの変化を踏まえ、地域の皆さんのニーズを取り入れながら、さまざまなことにトライする社会実験の場でもあります」
と、この拠点について説明する。
オープン前にDIYイベントを開催し、地域の方のご協力のもと地場の河内木材でベンチや椅子を制作。木のぬくもりに包まれた心地よい休憩スペースが誕生した。
「ホテルのロビーや学食のように、会議している人もいれば、本を読んでいる人、ぼうっとしている人もいる。思い思いの過ごし方ができる場所が理想ですね」
と加茂さんは期待する。
地域の人が集う場 ニーズを拾う場に
緊急事態宣言発令などで予定どおりにイベントの開催や会議スペースの解放ができないこともあったが、徐々に利用者は増加中。買い物帰りに立ち寄っておしゃべりしていく方や、自習に来る高校生や大学生などリピーターが増えつつあると、施設の運営管理を担うダン計画研究所の松下玲加さんは話す。高校時代までこの地域に住んでいたという松下さん。
「私が学生の頃は、このような場所がなかったので、お友達と一緒に来て勉強している学生さんの姿などを見ていると、すごくいいなあと思います。近隣の方にも金剛団地や金剛地区を知っていただくきっかけになればうれしいです」
3月に開催したプチマルシェでは、江戸時代からの街並みが残る富田林市の寺内(じない)町のショップが出店して好評だった。
「富田林市は南海と近鉄の線路が南北に延びていて、東西の行き来がしづらく、東西の地域交流が課題でもあります。ニュータウンとして開発された金剛地区には旧市街の寺内町へ行ったことがない方もいるので、ここでのイベントが少しでも東西交流のお役に立ててよかったです」と加茂さん。
今後は大発見MAP作成ワークショップで集まった「金剛地区のステキスポット」巡りや、近くの公園を会場にしてのイベントなど、外へ出ていく活動も企画している。
また、この拠点を使って実現したいことをサポートする企画「KONなことやってみたい!」のSNSでの募集もスタートした。
地域の人が集う場であり、地域の人の声、ニーズを拾う場でもある「∞KON ROOM」での実証実験は2023年2月末までの予定。小さなスペースながら、地域にとって重要な役目を担う拠点になっている。
【妹尾和子=文、菅野健児=撮影】
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