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【特集】コンフォール茅ケ崎浜見平(神奈川県茅ケ崎市)

URPRESS 2020 vol.62 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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高度成長時代に生まれた団地が
地域の生活・防災拠点としてよみがえる

JR茅ケ崎駅からバスで約10分の浜見平団地で建替事業が進んでいる。
棟数を抑え、公共公益施設と商業施設を誘致。公園は防災拠点として整備した。
単なる建て替えにとどまらない、現代のライフスタイルに合った新しいまちが生まれつつある。

  • 主要道路の一つ、左富士通り。5階建てから8階建てとなったUR賃貸住宅棟。湘南の空を背景に8階までに高さを抑えた高層の建物が並ぶまちなみ。

  • 商業施設棟には、スーパーマーケット、ドラッグストア、飲食店、銀行、郵便局、医療施設などがあり、駅前に出なくても普段の生活には事足りる。高齢者も安心して住めるまちだ。

茅ヶ崎市と連携しまちの将来像を描く

東京駅からJRで約1時間。茅ヶ崎は、今も昔も子育て世代に人気の湘南エリアのベッドタウンだ。1964(昭和39)年、浜見平団地は、茅ヶ崎市にとって初めての大規模団地として誕生した(93棟、3407戸)。

それから約40年がたった2005(平成17)年、URは浜見平団地の建替事業に着手。団地の建て替えに加え、防災機能を担う公園の整備などを同時に進めている。また、整備敷地の一部を商業用地として賃貸し、市役所出張所や図書室、体育室、地域包括支援センターなどが入る茅ヶ崎市南西部複合施設「ハマミーナ」と、スーパーマーケットや飲食店が入る商業施設棟が建設された。左富士通りと鉄砲道という2つの道路が交差するエリアに、「ハマミーナ」、商業施設棟、公園が集まる生活拠点ゾーンをつくり、そこからまるで鳥の翼のようにUR賃貸などの住宅地区が広がる。

このような事業にとって重要なのは、単にハードを建て替えるだけではなく、自治体と連携することだ。URによる建替計画を受けて、茅ヶ崎市は「浜見平地区まちづくり計画」を策定。「浜見平地区を市南西部の生活・防災拠点とする」という目標を掲げた。
「浜見平団地の建替事業は茅ヶ崎市にとって大きな出来事です。URさんには計画策定の段階から協議に参加していただき、建て替えにとどまらない、より住みやすい新たなまちをつくるという方向性を共有してきました」と市経済部拠点整備課課長の大川哲裕さんは言う。

現在、全工事の半分ほどが完了しており、完成した住棟に戻ってきた住民と新規に入居した住民が混ざり合い、新しい暮らしが始まっている。今後、戸建てゾーンや民間事業者によるマンション建設が進めば、ますます多様な世代が暮らすまちへと成長していくだろう。

  • 茅ヶ崎市経済部拠点整備課の皆さん。左から2人目が課長の大川さん。

住民参加で進むまちづくり

これからのまちづくりをどう進めるのか、どのようなまちを目指すのかについて、URと茅ヶ崎市に加え、地元自治会やNPOが参加する、しろやまコミュニティ会議が定期的に開催され、意見交換と情報共有が行われている。とくに防災については、団地や周辺の住民の要望、意見から課題が見えてくることも多いとURの坂田辰男は言う。

「コミュニティ会議には団地内だけでなく、周辺の自治会にも参加していただいています。災害時は、団地内の施設や公園が付近一帯を含めた防災拠点になることもあり、地域の方々は事業に対して非常に高い関心をお持ちです」

事業区画の中心に位置する「しろやま公園」には発災時用に、飲料水兼用耐震性貯水槽、防災トイレ、かまどベンチ、防災倉庫、井戸などが整備されており、「ハマミーナ」は市の早期避難所に指定されている。また、UR賃貸住宅や商業施設は津波一時退避場所として茅ヶ崎市と協定を結んでいる。

また茅ヶ崎市も団地内主要道路の無電柱化や、雨水路を暗渠化して上部を緑道にするなど、災害時でも安心して移動できる開かれたまちづくりに取り組んでいる。

  • 区画中央に位置する「しろやま公園」。親子連れからお年寄りまで、普段は人々の集う憩いの空間。災害時は防災拠点となる。

  • 災害時はかまどになる、かまどベンチ。

  • 参考:浜見平地区まちづくり計画
    扇形の要の部分が生活拠点ゾーン。そこから住宅地区が広がっている。

長期プロジェクトゆえのやりがいがある

建て替え前の浜見平団地を知るURの高橋 健は言う。「UR賃貸住宅棟の建て替えや公園整備が進んで明るく開放的になり、景色が一変したという印象です。現代のライフスタイルに合った新しい居住空間ができつつあると思っています」

団地の建替事業は長期にわたるプロジェクトだ。スタートから完了までの間に変化する社会や人々の意識に寄り添いながら、住みよいまちを目指す仕事に、UR担当者をはじめ、プロジェクトに携わる人々は大きなやりがいを感じている。

  • 左上から時計回りにURの高橋、坂田、金井、山口。

牧岡幸代=文、菅野健児=撮影


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