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【特集】互いの強みを生かして地域の課題解決へ 日本赤十字社愛知県支部×UR中部支社(水草団地)

URPRESS 2024 vol.78 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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愛知県では日本赤十字社愛知県支部とUR中部支社が連携。
地域の課題を踏まえ、「子どもの居場所づくり」「子育て支援」から活動を広げている。

タッグを組んで子どもの居場所づくり

コロナ禍での深刻な血液不足に対応するため、団地で献血会を開催したのをきっかけに進んだURと日本赤十字社との連携。2022(令和4)年12月には両者で包括協定を締結した。

各地で健康・安全な生活と地域コミュニティーの活性化に共に取り組むなか、日本赤十字社愛知県支部(以下、日赤)とUR中部支社は、幼児安全法講習の出張講座を開くなど、連携しながら活動を進めてきた。

昨年8月には、水草団地(名古屋市)の集会所で、地域の小学生に居場所を提供する「夏休み みんなの空き地プロジェクト」を開催。URの豊かな団地環境と日本赤十字社のボランティアネットワーク・ノウハウを生かして、子どもたちが安心して過ごせる場所と時間を提供した。多くの子どもたちの参加を得て、他学年やボランティアとの交流も生まれ、参加者や保護者から喜ばれた。

「夏休み みんなの空き地プロジェクト」のような子どもの居場所づくりは、実は日赤にとって初めての取り組みだったと日赤事務局社会活動推進課の安立陽一さんは話す。

「子どもの貧困や子どもの孤独・孤立という社会課題を受けて実施した夏休みの子どもの居場所づくりでしたが、昨年は事故なく行うことに必死でした。今年は担い手を増やし、おやつや作品づくりなどの体験プログラムも行う予定です。コロナ禍で社会課題が変化するなか、日赤がどこで何ができるのかを考えてきました。URさんと取り組むことで地域で活動できる場を提供いただけて、ありがたいです」

今年の「夏休み みんなの空き地プロジェクト」は、水草団地と、同じ名古屋市内のアーバンラフレ鳴子で開催予定。県内の子ども支援関係の(一社)愛知県PFS協会、日本福祉大学などの協力も得て、企画段階から参加、活動の担い手になってもらっている。

昨年、水草団地で開催した「夏休み みんなの空き地プロジェクト」。日赤のボランティアと一緒に宿題に取り組んだり、カードゲームで遊んだり。15名ほどの子どもたちが1週間、自由に過ごした。
日本赤十字社
日赤の小西さん(左)と安立さん(右)。日赤とUR、それぞれの強みを生かして課題の解決に取り組みたいと話す。(写真左)
日赤の公式キャラクター「ハートラちゃん」。(写真右)
ゆったりとした敷地に住棟が立つ水草団地。
子供達の様子
お弁当を食べる子供たち

支社と支部で連携して挑戦的、先進的な活動を

ミクストコミュニティの実現に向けて、日赤さんに学びながら取り組んでいきたいと語るURの黒瀬。

そして今年7月、日赤愛知県支部とUR中部支社で新たに包括協定が締結された。

「中部圏における多様化する地域課題に対応していくため、より踏み込んだ社会活動を、相互に協力し、持続的に行っていくことを目的とした協定です」

URの黒瀬祐弥は目的をそのように説明する。昨年の「夏休み みんなの空き地プロジェクト」を通して得た知見、見えてきた課題があり、それを踏まえてより挑戦的、先進的な活動に取り組んでいきたいという思いが背景にはある。

「日本赤十字社は災害救護を一義的に行っていますが、各県の社会課題への取り組みも強化しています。愛知県では(1)子ども・子育て支援、(2)高齢者支援、(3)外国人との多文化共生の3つの課題解決に取り組んでいますが、マンパワーに限りがありますので、URさんとの連携を大変ありがたく感じています」

日赤事務局参事の小西佑卓(ゆうた)さんのその言葉を受けて、URの池本誠一は次のように応えた。

「まさに日赤さんが進めようとされている内容と、我々が団地を絡めてやりたいことが、うまく重なっていて、大変ありがたいです。我々が進めている団地の地域医療福祉拠点化は、多様な世代が団地に愛着をもって暮らせるミクストコミュニティの実現を目指しています。今後も、子育て支援など日赤さんとさまざまな取り組みを進め、ウェルビーイングな暮らしを提供していきたいと思っています」

地域の社会課題に取り組み、地域包括ケアシステムの構築を推進する役割を担うURと日赤。URが団地で開催している子育てサロンに日赤病院の栄養士が参加して食の相談会を開催するなど、地域医療福祉拠点化を進める団地を中心に、今後さらに活動を拡大予定だ。両者のアイデアはいろいろあるので、まずは試してみて、挑戦を重ねていく。

防災教育を含めて、日赤の幅広い活動内容から学ぶことは、URにとって多々あり、居住者にとってもメリットが多い。愛知県でタッグを組んで進める取り組みが県外に広がっていく日も遠くないはずだ。

URの池本。団地によって異なる住民の属性やニーズに配慮しながら、活動を進めていきたいと話す。
「夏休み みんなの空き地プロジェクト」で、防災ワークショップも行った。
URが整備に関わった愛知県美浜町運動公園陸上競技場の竣工式(6月30日)に、日赤の献血ブースが出展。

【妹尾和子=文、青木 登、菅野健児=撮影】


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