【特集】子育てするなら団地が一番! 「UR子育てサポーター」が奮闘中(浦安マリナイースト21望海の街)
環境やハード面だけでなく、ソフト面からも子育て世帯を支援しようとURが始めた子育てサポーター。
そのイベントの現場におじゃまして、活動への思いをうかがった。
多様な世代が生き生きと暮らせるまちを目指す
海からの風を受けて揺れるヤシの葉の下、日差しが降り注ぐ広場には、子どもたちの歓声が響いている。ここは千葉県浦安市にある浦安マリナイースト21望海(のぞみ)の街。ここで5月末の土曜日、「PLAYFUL DAY」というイベントが開かれた。
浦安マリナイースト21は、JR新浦安駅の南にURが造成したまち。この日のイベントは、浦安エリアのプレーヤーの連携促進と、望海の街集会所にある「のぞみのあそびば」の周知が目的だ。
ボーネルンドのあそび場「プレイフルガーデン」など、親子で楽しめる催しが団地広場などで行われるなか、集会所で人気を呼んでいたのが「バスボムづくり」。入浴剤を親子で作るこのワークショップを開催したのは、浦安エリアを担当するUR子育てサポーターの菊地真弓とスタッフたちだ。
URは多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まちを「ミクストコミュニティ」と名付け、その実現を目指してさまざまな施策を行っているが、子育てサポーターもそのひとつ。
URでこの事業を担当するウェルフェア推進部の上野昭徳に話を聞いた。
「出生率の低下が大きな社会問題となっている昨今、子育て世帯が安心して暮らせる社会をつくることは、日本の喫緊の課題です。URでは2022年7月から子育てサポーターを配置して、団地で安心して子育てができるようサポートを始めました。子育てするならUR団地がいい。たくさんの方にそう思っていただき、子育て世帯から選ばれ続ける団地になることを目指しています」
子育てママたちの知り合いづくりを手助け
浦安エリアを担当する子育てサポーターの菊地は、自身も2人の小学生の子どもを持つ母。第一子を出産後、周りに知人のいない環境での「孤育て」に悩むなか、地域の先輩ママたちのコミュニティー活動と出会い、救われた経験があるという。
「自分もそういう場をつくりたい、という思いで、UR子育てサポーターに応募しました」と菊地。現在の活動は、月1回、子育て関連のイベントを企画・開催し、イベントの様子や、子育て情報をインスタグラムなどで発信する。
「近所に知り合いがいるだけで、子育て中の大きな支えになるので、参加した人たちが知り合いになれるよう、イベントは少人数で行っています。保育付きのイベントでは、疲れきった表情のママが来られることもあります。そういうときは、ただ話を聞き、共感することが大事ですね。それだけで、ママの表情がやわらぐことがありますから」
多様な世代の交流を促したいので、手遊びや読み聞かせなど、高齢者に手伝ってもらえるイベントも企画したいと話す菊地。団地自治会をはじめ、地域のさまざまな活動とも連携して、側面から支援したいと考えている。
「まち全体で赤ちゃん誕生を祝い、ギフトを贈る民間のプロジェクトがあります。地域で子どもを見守り、地域で子育てを支援する社会を目指す活動です。このようなプロジェクトを団地でも始められないかなと、今はそのためのネットワークづくりをしているところです」(菊地)
「イベント後のアンケートでは、参加者との交流ができた、コミュニケーションがとれた、という回答が常に8割を超えていて、少しずつですが活動が浸透している手応えを感じています」とURの上野。UR子育てサポーターは現在は都内と神奈川県、千葉県だけの配置だが、認知度を上げ、活動を拡大していきたいという。
たくさんの人が集まって暮らす団地ならではの、ゆるやかなつながりを生かし、地域全体で子育てを見守る社会。その実現のために、UR子育てサポーターは今日も奮闘中だ。
【武田ちよこ=文、平野光良=撮影】
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