街に、ルネッサンス UR都市機構

【特集】西小山駅前地域まちづくり(東京都目黒区)

URPRESS 2021 vol.67 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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駅前らしいにぎわいと防災性
両方をかなえる新たなまちづくり

庶民的な商店街が続く西小山駅前。下町らしい懐かしさとぬくもりを残しながら災害に強くにぎわいのあるまちへの再生が始まっている。

不燃化とにぎわい創出 2つの事業を同時進行

目黒駅から東急目黒線で約5分。西小山駅の周辺には庶民的な商店が連なり、懐かしさの漂う町並みが続いている。

下町らしい風情が残る一方、道路が狭く、木造の建物が目立つこのエリアは、長く防災性の向上が課題になっていた。目黒区から相談を受けて、URは2009(平成21)年に駅前の約1600m2の土地を取得。同時に両者はまちづくり協定を締結。URは取得した土地を駐車場として整備活用しながら、目黒区が事務局を務める「共同化に向けた地元の検討会」に地権者として参加し、共同化の事業推進に取り組んできた。2020年には防災街区整備事業の組合が設立され、防災性の高い共同化建物を建設することになった。

「URは、目黒区の方々とタッグを組んで住宅密集地の不燃化促進を進めると同時に、住民の皆さんの意向をお聞きし、地権者の一員として共同化に協力。さらに、所有地の一部をにぎわい創出に活用する提案をしました。現在は、この2本柱で地域まちづくりに取り組んでいます」とURの三輪 聡が話す。

人をつなげ、にぎわいをつくる新スポット

2つの事業のうち、先行して動き出したのが、にぎわい創出事業だ。URが所有する土地の一部に昨年11月に誕生したのが、にぎわい創出の柱となる商業施設「クラフトビレッジ西小山」だ。コンテナを利用した建物には地元で人気のベーカリーが営むカフェやクラフトビールの店など個性的な飲食店が入り、2階には開放的なテラス席がある。中央にはオープンエリアの中庭が設けられ、購入した料理を食べられるほか、イベントやワークショップなども開かれ、まちの新名所になっている。

施設の運営にあたって、URは事業パートナーとして地域創生事業を手掛けるピーエイを公募で選定。店舗誘致やイベント開催などを得意とする同社と共に事業を進めている。ピーエイ経営企画部の國分洋子さんは「地域のにぎわいをつくって、地域の人たちを元気にするのがこの施設の使命です。オープン以来、商店会や町内会、ご近所の方々から『まちがにぎやかになった』『毎日ウキウキする』と応援の声をいただいて、手応えを感じています」と語る。

周囲にコンテナを並べ、中央に中庭を設けた「クラフトビレッジ西小山」の個性的な外観。コンテナは用途などに合わせて臨機応変に配置を変えられるのもメリット。
心地よい風を感じながら食事を楽しめる2階テラス席。
全国チェーンでなく、個性あふれる個人経営の飲食店を厳選。食材は地元果物店やパン屋から調達するなどのこだわりも。
クラフトビールが飲める「スタンドフィエスタ」の看板商品、具だくさんのキューバサンド。
店舗の奥には人工芝を敷いたオープンエア席も。左の住宅は共同化建物と公園に生まれ変わる予定。
併設されている無料会員制のドッグラン(期間限定)は、地域の愛犬家の交流の場。

9月はじめの週末に開催された「おまつりひろば」を訪れると、中庭にヨーヨー釣りや射的などが出店し、子ども連れで大にぎわい。6歳と3歳の子どもを連れたお父さんは、保育園のママ友に聞いて、初めて訪れたと言う。

「こういうイベントが開けるスペースが身近にあるのは、すごくいいですね」

紙芝居を行っていた「劇団どろんこ座」の篠塚 浩さんは「コロナ禍でイベントが少なくなるなか、オープンな空間で久しぶりに子どもたちの笑顔が見られてうれしい」と自身も笑顔を見せた。

「地域密着型でお子さんから年配の方まで楽しんでもらうのがコンセプト。さらに新たなことに挑戦していきたい」とクラフトビレッジ西小山のフロアマネージャー川上 峻さんは力を込める。

「おまつりひろば」での「劇団どろんこ座」の紙芝居は、子どもたちで大盛況。感染対策を徹底しながら、毎週末には地元住民によるダンスショーなどさまざまな催しを開催している。

安全安心で災害に強いまちに

もうひとつの大きな柱、不燃化促進では、12月から共同化建物の建設に向けて既存建物の解体がスタートする予定。目に見える形で事業が動き始めた。

クラフトビレッジ西小山では、目黒区が「木密地域整備課出張相談窓口」を開設。老朽建築物の除却や不燃建築物への建て替えについて、活用できる助成金の紹介や悩み相談を実施。URとピーエイも、共同化建物の工事期間中の仮店舗として施設内の店舗を提供するなどして、事業を支えている。

目黒区街づくり推進部木密地域整備課木密地域整備係の関根なつみさんは「老朽化住宅の建て替えや空地の確保、道路の拡張などで、万が一火災が起きたときも燃え広がらないまちとなることを期待しています。URさんには、地域密着でサポートし、一緒に盛り上げてくれる存在になっていただきたい」と期待を寄せる。

「クラフトビレッジ西小山を起爆剤に活気のあるまちとして再び動き出し、にぎわいのある安全安心なまちづくりへのいい流れができれば」とURの三輪。古きよき商店街の雰囲気を残しつつ、新たなまちへの歩みが進んでいる。

定期的にミーティングを行い、連携を深めている三者。右からピーエイの國分さん、目黒区の関根さん、URの三輪。
昼は定食、夜は呑み屋の「食堂 西小山」。ランチのまかないカレー定食は、牛すじ入りでコクのある味わい。
11月で開業1年を迎える「クラフトビレッジ西小山」。ポストコロナ時代にも応じた開放的な作りも特徴。

【阿部民子=文、青木 登、菅野健児=撮影】


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