岩手震災復興支援本部から(2016年07月)
東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。
2016/7/27
大船渡市でURが建設する最後の災害公営住宅引渡し
7月27日(水)、大船渡市とURとの協力協定に基づく災害公営住宅の整備完了を記念した式典が開催されました。これは大船渡市から要請を受けて建設した川原その2地区災害公営住宅の完成をもって、URが大船渡市から要請を受けた全14地区227戸の災害公営住宅の整備が完了したことを記念したものです。
式典ではURの森本本部長から戸田大船渡市長へ川原その2地区災害公営住宅の鍵の引渡しが行われ、戸田大船渡市長からは「URをはじめとする関係業者のこれまでの知恵と汗が凝縮した重みを感じた。これは復興の次のステージを開ける鍵となる。」と感謝のコメントを頂戴しました。
<森本本部長(右)から戸田市長(左)へ鍵の引渡しを行いました>
式典終了後には内覧会が行われ、式典の出席者のほか近隣にお住いの方など約30名が住戸内を見学し、URの職員も住戸の案内をしました。見学された市民の方からは「広くて使い勝手もよさそうね。」や「ここからなら大船渡湾の花火大会も見えそうね。」などといった声が上がっていました。
<バルコニーからUR職員と一緒に町の様子を眺める見学者>
川原その2地区災害公営住宅はRC造5階建て、型式は2DK及び3DKの2種類、戸数は50戸の共同住宅です。URが大船渡市で建設した災害公営住宅ではデザインコードを統一し、勾配屋根を設けるなど周辺の既存集落と調和するよう配慮し、また、共用スペースには集会所・広場・縁台などを囲み配置するなど入居者同士のコミュニティ形成にも配慮しました。
<川原その2外観写真>
当該住宅は「市営住宅野々田アパート」として、8月下旬から順次入居が始まる予定です。
これまで大船渡市ではURは市・岩手大学と連携し、災害公営住宅の入居者間や周辺地域とのコミュニティ形成、自治組織の形成、さらに次世代の復興を担う人材育成への支援・貢献等を目的に様々な取り組みを実施し、「大船渡市災害公営住宅整備地区における入居者交流会および地元小中学生とのふれあいイベントを通したコミュニティ形成支援の実施」では一般社団法人全日本建設技術協会平成27年度全建賞を受賞しました。
URは引き続き大船渡市の復興事業に全力で取り組んでいきます。
2016/7/17
釜石市鵜住居(うのすまい)地区で工事現場を一般開放
7月17日(日)11時から14時まで、URが釜石市から受託して整備している鵜住居地区の鵜住居地区学校等の工事現場を近隣住民の方に一般開放しました。これは鵜住居地区復興まちづくり協議会が主催したもので、URの釜石復興支援事務所協力のもと実施しました。
この日限定で一般開放されたのは以前まで見晴らし台があった場所。見晴らし台は学校のグラウンド整備に入るため、今年の6月20日に撤去されましたが、地元の方々に復興の進捗状況を直接見て感じてもらいたいという鵜住居地区復興まちづくり協議会からの要望を受け、一般開放することとなりました。
<一般開放された場所からの眺め>
当日はあいにくのお天気でしたが、小さいお子様連れのご家族から年配の方まで70名を超える方がいらっしゃり、近隣の方々のまちづくりへの関心の高さがうかがえました。
<多くの方が詰めかけました>
一般開放部分には鵜住居地区、片岸地区のまちづくりの概要や将来の完成イメージのパネルを設置しました。近隣の方々からは「現在整備中している新しい国道以外は盛土工事中なので、なかなか昔の位置関係が思い出せない。」という意見を伺いましたが、平面図と照らし合わせて目印になる場所をUR職員から説明を受けて新しいまちのイメージを膨らませていました。
<見学者に説明をするUR職員>
地区を俯瞰することで鵜住居の復興の歩みを実感してもらえたのではないでしょうか。 今年の年末にはURが釜石市の要請を受けて建設中の災害公営住宅が完成し、また、来春には鵜住居小学校、釜石東中学校も開校し、今後ますます鵜住居のまちも変化していきます。
<URが建設中の災害公営住宅>
URは引き続き釜石市の復興事業に全力で取り組んでいきます。
2016/7/2
AKB48も祝う!大槌町町方地区の幹線道路が開通!
7月2日(土)、URが大槌町から受託して整備している大槌町町方(まちかた)地区内の県道大槌小鎚線が完成し、開通式が行われました。
町方地区は大槌町の中心市街地で、今回開通した県道大槌小鎚線は、その真ん中を貫く幹線道路(幅員16m、長さ約1km)です。 震災前、この通りは商店や銀行、旅館等が建ち並ぶメインストリートでした。 今回街全体をかさ上げしたその上の同じ場所にメインストリートが復活したものです。


式典には関係者や県道の開通を待ちわびた多くの住民の方も参加し、大槌町の平野公三町長は「開通を迎えられたのは関係者の尽力のおかげ。開通は大槌町にとって復興の大きな一歩。」とあいさつされました。 その後、テープカット・くす玉割り、パレード、郷土芸能団体による演舞や餅まきで県道の開通を祝いました。来場した住民の方からは「5年ぶりに歩いたね」という声も聞かれました。




式の終了後には、スペシャルゲストとしてAKB48グループの大和田南那さん、川本紗矢さん、谷口めぐさん、横山結衣さん、谷川聖さん、佐藤七海さんが登壇し、県道開通を祝うステージを披露!
<開通を祝うAKB48グループの皆さん>
ステージ後、AKBの皆さんは、町民の皆さんと触れ合いながら開通した県道を一緒に歩いたり、イベントのプレゼンターを務めるなど、大いに盛り上げてくれました。


当日は大槌町の賑わいを感じることができた1日でした。 URは引き続き大槌町の復興事業に全力で取り組んでいきます。
2016/7/2
山田町ふれあいセンターがオープン
7月2日、岩手県山田町で、山田町ふれあいセンターの開所式が開催されました。
ふれあいセンターは、URが山田町からの受託を受けて実施する津波復興拠点整備事業の中心市街地内で初めて完成した建物です。 子どもたちが企画・立案したアイデアをもとに、「小中高生世代をはじめとする子どもの居場所」機能と「図書館」機能を持ち、子どもだけでなく地域の方々が交流できる公共施設となりました。



まず、冒頭で佐藤町長があいさつしました。山田町子どもまちづくりクラブ(通称KYT)が提案したふれあいセンター条例の前文案を紹介し、 「震災後の大変な中、子どもたちの成長を感じた。この条例の精神を大切にしていきたい。」と話されました。
<あいさつする佐藤町長>
関係者からのあいさつに続いて、KYTの子どもたちがセンターに込めた思いを漢字一文字で披露しました。 「たくさんの人が触れあれる場所になってほしい。」「新しい何かが生まれるきっかけになってほしい。」など、それぞれの思いが語られました。
<センターに込めた思いを漢字一文字で表現しました。>
同地区には、今年秋に山田町で最大規模の災害公営住宅や、商業施設の完成が予定されており、新しい山田町の中心市街地の姿が見えはじめています。
2016/7/1
釜石市花露辺(けろべ)地区で海の日(平成28年7月18日(月))に夏祭りが開催されます
釜石市花露辺地区は地域住民が団結し、被災から4か月後には独自の復興計画をまとめあげ釜石市に提案するなど、いち早く復興に着手し、岩手県内で初めてまちづくり計画が住民と行政の間で合意に至った地区です。
URも市・ゼネコンと三位一体となり、地元の方々が描いた復興計画の実現のため、災害公営住宅整備・復興市街地整備を進め、平成28年2月に全ての事業を完了させることができました。また、一部の用地を暫定利用するなどいち早く漁業活動の場も再生され、地元の方々による生業(なりわい)の再生も果たしています。


そんな力強く歩みを進める釜石市花露辺地区で、7月18日の海の日に花露辺地区の復興関連工事完了を祝い、復興支援への感謝の意を込めた花露辺町内会主催の夏祭りが開催されます。夏祭りでは、漁に使うサッパ船に大漁旗を掲げて湾内を航行し大漁と安全を祈願する「曳き船」や荒神太鼓演奏、釜石出身の民謡歌手・佐野よりこさんらによる民謡ショーなどが行われる予定です。