岩手震災復興支援本部から(2014年03月)
東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。
2014/3/24
陸前高田市今泉地区で土砂を搬送するためのベルトコンベヤーが稼働
3月24日(月)、岩手県陸前高田市今泉地区で、造成中の高台住宅団地から土砂を搬送するために設置したベルトコンベヤーが稼働し、式典が行われました。
今泉地区は土地区画整理事業で高台の造成と市街地のかさ上げを行います。
平地や移転先となるちょうど良い高台が少ないため、当地区では130mほどの山を約50mまで切り崩し、そのときに発生した土砂は今泉地区、高田地区のかさ上げ工事や、近隣の宮城県気仙沼市の復興事業に使用される予定です。
<設置されたベルトコンベヤー(平成26年3月4日撮影)>
このベルトコンベヤーは延長約3km、幅1.8mあり、1日に20,000m3(10tダンプトラック4,000台/日)の土砂を運ぶことができます。これにより、ダンプカーで運ぶよりも工期を6年程度短くすることができるほか、交通事故を回避することもできます。また、崩す山は岩が多いため、破砕機を8基設置して岩を砕いてから運ぶことになります。



式典には行政、工事関係者の他、このベルトコンベヤーを「希望のかけ橋」と名付けた地元小学生とその父兄の約70名が出席しました。 式典では、陸前高田市の戸羽太市長やUR都市機構の佐々木功岩手震災復興支援局長らが挨拶をし、テープカットをして祝いました。


その後、戸羽市長によってスイッチが入れられ、重ダンプに載せていた岩や土砂が破砕機に投入されて細かく砕かれ、ベルトコンベヤーに乗って川を渡り、仮置き場に落とされました。
<運ばれていく土砂>
最後は、陸前高田市のマスコットキャラクター「たかたのゆめちゃん」と記念撮影をして式典を終えました。
まだ試験運転段階であり、自動制御運転は4月中頃に、総延長3kmのベルトコンベヤーがつながって全ての破砕機が動き出す本格稼働は6月から7月頃に始まります。
被災された方はいつから住宅を建てられるのか、気にされています。一日も早く被災された方の生活再建ができるよう、ベルトコンベヤーという復興を加速させる機械も使って進めていきます。
2014/3/8
山田町織笠地区で高台団地の見学会を行いました
3月8日(土)、岩手県下閉伊郡(しもへいぐん)山田町の織笠地区で、被災した低地部からの移転先となる高台住宅団地の現場見学会が行われました。
<織笠地区の高台(平成26年1月31日撮影)>
織笠地区は
(1)土地区画整理事業(約2.5ha)による被災市街地の7~8m程度のかさ上げ
(2)防災集団移転促進事業(約11.2ha)による被災市街地から高台への移転
の2つの事業で復興まちづくりを行います。
今回は、(2)防災集団移転促進事業で造成している高台住宅団地の現場見学会を行い、強風と雪が舞う天気にもかかわらず、約60名の方が参加しました。
見学会の冒頭に、UR山田復興支援事務所の平林義勝所長や施工者の山田町CMJV(大林・戸田・飛島・建設技術研究所・復建技術山田町震災復興事業共同企業体)工事事務所の西彰一所長が、挨拶と事業進捗状況の報告をしました。
<挨拶する平林所長>
まずは低地の部分で事業の説明をしました。
<高台見学会の様子>
このエリアは土地区画整理事業でかさ上げするところです。電柱に赤いテープが巻いてあり、ここまでかさ上げします。奥に見える緑色の筒のようなものは、高台から低地へ土砂を搬送するためのベルトコンベヤーです。織笠地区は道路が狭く、ダンブカーでの搬送は難しいため、高台を削って発生した土砂をベルトコンベヤーによって低地に搬送することにしました。
続いて高台に登って見学しました。




参加された方々は、写真を撮ったり担当者に話を聞いたりして、事業に対する理解を深めていました。見学された方からは、「このまま順調に早く工事を進めてほしい」といった期待の声や「7mのかさ上げは、まだ実感がわかない」という感想も聞かれました