岩手震災復興支援本部から(2014年02月)
東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。
2014/2/19
釜石の現場から秋田県の小学校の授業に参加しました
2月19日(水)、秋田県山本郡八峰(はっぽう)町の八森(はちもり)小学校で行われた「働く人たちに学ぶ」という授業に、UR釜石復興支援事務所の梅津武弘所長が講師として参加しました。
八森小学校では電子黒板などの情報通信技術(ICT)を活用してキャリア教育に関わる授業を行っており、梅津所長は「まちづくりの専門家」として釜石市鵜住居(うのすまい)地区の復興について講義をしました。
講義は、鵜住居地区にある地域の集会施設「絆ハウス」と秋田県八森小学校を、NTT東日本が機材・運営面で協力してインターネット回線を利用したTV会議方式で結び、相互に映像と音声が伝わるようにして行われました。
鵜住居地区の復興事業などについて15分ほど講義をした後、八森小学校の児童からの質問がありました。「働くことのやりがいは何ですか?」といった質問には、「地元の方に感謝されることがやりがいになります。復興の工事をする前に、もう一度行方不明の親族を探したいという要望に応えて、捜索の場を設けた体験はここでしかできません」と答えました。また、「小中学生のうちに身につけておいた方が良いことは何ですか?」といった質問には、「勉強することも大切ですし、周りの友達と仲良くコミュニケーションを取ることも大切です」と答えました。
梅津所長からも、八森小学校の児童に対して「皆さんが普段楽しいと思える場所はどんなところですか?まちづくりの計画の参考にさせてください」と質問したところ、「思う存分野球できるような場所です」と返してくれました。
授業が終わった後、児童から、「仕事をしていて感謝されることが必要だと思いました」などの感想が寄せられました。被災地区外の小学生に、インターネット回線を通じて離れたままで現地の様子などを伝えるというのは、貴重な経験でした。
2014/2/2
宮古市田老地区で移転先高台の見学会を実施
2月2日(日)、岩手県宮古市田老地区で震災前に田老地区にお住まいであった方を対象に移転先となる高台の見学会を行いました。参加者数は、当初100名程度を想定していましたが、それを大幅に上回る160名を超える方が参加されました。
戸数 | 285戸 | 復興公営住宅96戸を含む |
面積 | 25.6ha | |
うち公共施設 | 16.8ha | 道路、公園、集会所等 |
うち住宅敷地 | 7.4ha | |
うち公益的施設 | 1.4ha | 診療所、消防団屯所、保育所・児童館等を想定 |
見学会は午前2回、午後2回の合計4回行いました。
見学会の冒頭、宮古復興支援事務所の安村孝志所長が、「これまで図面でしか皆さまにお示しできなかった移転先となる高台を、ようやくご覧いただけるまでになりました。工事も予定より早く進んでいます。来年秋には皆さまが住宅を建てられるように進めて参ります」と挨拶しました。
続いて、たろうまちづくりJVの斉藤広所長が、現場の工事の詳しい施工状況や、工期短縮のために大型重機を使用している点や環境に配慮するため木材の再利用を行っている点などを説明しました。
その後、2台のマイクロバスにほぼ満員で分乗して高台に上がり、高台の最上部から見学しました。
高台の住宅は南西向きに配置され、ひな壇のように高低差が生じます。
見学者の方からは、「日当たりがよいところが良い」「これだけの高さなら津波も来ないだろうから安心できる」などの意見をいただき、新たな生活をイメージされていました。
今年の秋頃には宅地の形ができあがります。その後、上下水道や道路などの整備をした、来年の秋には住宅が建てられるように工事を進めていきます。