岩手震災復興支援本部から(2013年12月)
東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。
2013/12/20
釜石市花露辺(けろべ)地区で復興公営住宅が竣工し、防災集団移転促進事業で整備した全宅地を引渡しました
12月20日(金)、岩手県釜石市花露辺地区で復興公営住宅が竣工し、入居者の方々に引き渡されました。
花露辺地区は釜石駅から約12kmのところにある漁業を主な産業とした70世帯ほどの集落で、500mのうちに61mの高さまで上る急斜面地に住宅が建っています。この地区も10mを超える津波に襲われて被災しました。
URは釜石市からの要請・委託により、花露辺地区で3つの事業を実施しています。
- 復興公営住宅の整備
- 防災集団移転促進事業による高台移転
- 漁業集落防災機能強化事業による集落道の整備等
敷地面積 | 約1,426m² |
建物面積 | 建築面積 460m² 延べ面積 1,317m² |
構造・階数 | 鉄筋コンクリート造4階建て |
戸数等 | 2LDK 13戸 集会所、防災倉庫、掛け下げ等 |


復興公営住宅の建設用地には、もともと漁村センターがあり、震災後は避難所として機能していました。その漁村センターで住民が夕食を囲みながら復興について話し合ったそうです。そして震災発生から3カ月も経たない間に住民間で復興についての意見がまとまり、岩手県内で初めてまちづくり計画が住民と行政の間で合意に至りました。
この地区の方の多くは漁業によって生計を立てていらっしゃいます。被災された方の中にも漁師の方がいるため、この地区ならではの工夫をしています。
この赤い部分は「掛け下げ」と呼ばれ、漁具や車等についた潮を洗い流す場です。
各住戸の玄関脇には、かっぱを掛けるところがあります。奥行もあるので、漁具などを置くこともできます。
また、皆が集える場所として、集会所も設置されています。
復興公営住宅は12月20日に竣工し、URから釜石市へ引渡された後、入居する方へ鍵が渡されました。
これにより、新年を新たな住宅で迎えることができるようになります。
竣工した復興公営住宅に隣接して、防災集団移転促進事業による宅地を整備し、12月26日に、釜石市に引き渡しました。
この事業では4区画の宅地を整備しました。一部は8月末に引渡しを行い、すでに住宅の再建が始まっています。今回、残る区画もすべて引き渡しました。
<防災集団移転促進事業で整備した宅地(赤枠内に4区画あります。)>
当地区は、URが受託している面整備事業で、初めて住宅用の宅地の引渡しを行いました。
これから被災された方の自力再建も始まっていきます。