岩手震災復興支援本部から(2014年12月)
東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。
2014/12/21
宮古市田老地区で乙部団地抽選会を実施
12月21日(日)、岩手県宮古市の田老地区で乙部団地への高台移転を希望している方の宅地の位置を決める抽選会がありました。
この抽選会は宮古市が主催し、すでに高台への移転希望を出している皆さんが集まりました。
まずは、希望する宅地面積に応じたグループに分かれ、希望する宅地の位置を選びます。
集計の結果、他に希望者がいなかった宅地は移転者が決定し、決定した方には今後の手続きを確認しました。
一方、希望者が複数あった宅地は抽選になりました。抽選はまず、くじを引く順番を決めるくじを引きます。
その後、くじで決まった順に封筒を取り、中に「確定」と書かれた紙を取った方がその宅地の決定者となりました。
残念ながら外れてしまった方は、ご家族の方などと残る宅地の中で希望する宅地を相談し、再度抽選を行います。
再抽選の方法は同じ手順で、希望宅地の投函→集計の結果1名なら決定、2名以上の場合は同じくくじ引き、という流れで行い、最後の1人になるまで続きました。多い方では5回程抽選になった方もいらっしゃったようです。
長丁場になりお疲れの方もいらっしゃいましたが、ようやく皆さんの宅地の位置が決まり、ホッとされた様子でした。
現在、宅地の最終的な整地にかかっており、来年の秋には住宅着工に必要な調査に入ることができるようになる予定です。
2014/12/14
陸前高田市水上(みずかみ)地区災害公営住宅で内覧会を実施
12月13日(土)と14日(日)、岩手県陸前高田市の水上地区災害公営住宅で内覧会が開かれました。
水上地区は陸前高田の中心部から車で15分ほど気仙沼方面に行ったところにあります。水上地区よりも低い場所にあった主に漁業を中心産業とする集落が、東日本大震災の被害にあいました。
当地区は鉄筋コンクリート造4階建で2DK~3DKの住宅30戸と、集会所と物置を設置しています。
住戸プランは、9月に完成した下和野地区災害公営住宅と同じものになっており、車いす対応住戸も設置しています。2DK-2プランでは見守りに配慮したプランとして、玄関脇に腰をかけて話ができるよう座板を設置しているほか、玄関脇から屋内の光が漏れることで生活状況が伝わるようになっています。
エントランスの壁には、地元の気仙杉を使いました。
また、漁業従事者に配慮して、駐車場の一角に外部物置を設置しました。ここには漁で使用するかっぱなどをかけておくことができます。
2日間とも非常に寒い日でしたが、135名の方が来場されました。
ご覧になった方からは「広くて良い。台所やお風呂なんかも使いやすそう」との感想をいただきました。
水上地区では年内に入居が始まる予定です。引き続き復興の加速化に努めてまいります。
2014/12/7
大槌町柾内(まさない)地区災害公営住宅で内覧会を実施
12月6日(土)と7日(日)、岩手県大槌町の柾内地区災害公営住宅で内覧会が開かれました。
柾内地区は、今年9月に完成した大ケ口二丁目(おがくちにちょうめ)地区災害公営住宅と同じ木造戸建タイプで、3DKタイプ6戸と4DKタイプ7戸の計13戸を建設しました。
また、大ケ口二丁目地区と共通の仕様でほぼ統一されており、大槌町産の杉材を玄関部分などに使用した落ち着いた和風住宅になっています。
その後、順番に箱に入った封筒を取り、封筒の中から「移転宅地決定」と書かれたものを取った人が当選です。
12月になり寒い日だったにもかかわらず、2日間で200名を超える方がご覧になりました。
柾内地区でも入居が近づいてきました。
2014/12/7
釜石市鵜住居(うのすまい)地区で公開試験盛土見学会
岩手県釜石市の鵜住居地区や片岸地区等では盛土による市街地をかさ上げする復興事業を実施しています。12月7日(日)、盛土の安全性について実際の工事を直接地権者の方々に見てもらうことで理解を深めてもらうため、公開試験盛土見学会が開催されました。
当日は寒い中でしたが、今年は災害があったことなどから関心が高く、約110名もの方が参加されました。
始めに盛土による宅地整備の方法を、UR釜石復興支援事務所の和田唯司基盤工事課長が説明しました。
盛土には主に「まさ土」と呼ばれる花崗岩が風化してできた土を使用します。手順はまず、約30cmの厚さに敷き均し、ブルドーザーなどで締固めて(転圧)、密度測定試験を行って締固め度を測定します。これを繰り返していき、鵜住居地区では平均で1.7m、片岸地区では平均1.1mまで盛土する計画です。
このうち、転圧から密度測定までの工程を、施工者である大林JVの担当者解説を交えて見学しました。
そして締固めた地盤に木製杭を見学者に打ち込んでもらい、地盤の固さを体験していただきました。
その後、完成後の宅地の盛土強度を確認する試験として行われる「スウェーデン式サウンディング試験」について解説がありました。
最後は見学者の方に、実際にモデル地盤に上ってもらい、宅地の完成イメージを確認していただきました。
参加された方からは「大丈夫そうだと思った。実際に見て聞くことができて良かった」との感想もありました。
これからお住まいになる方に安心して住宅を建てていただけるよう、引き続き丁寧にご説明していきます。
2014/12/6
宮古市田老地区で第4回高台見学会を実施
12月6日(土)と7日(日)、岩手県宮古市の田老(たろう)地区で造成が進む高台の見学会がありました。
これは、田老地区の乙部高台団地を実際に見ていただき、宅地の位置を決める12月21日(日)の抽選会を前に、画地を希望する際の参考にしていただこうと、宮古市が主催したものです。
今回は最後の現地見学会で、抽選会を控えていることから2日で400名近い方が参加されました。
冒頭、宮古市の中村晃都市計画課長が、「工事は順調に進んでいます。21日の抽選会に向けて実際に現地を見ていただき、イメージを膨らませてください」とあいさつされました。
続いて、UR宮古復興支援事務所の林正所長が、10月24日(金)に行われた宅地説明会で質問があった宅地の安全性について、ボーリング調査から安全性が確認されたことなどについて説明しました。
その後はバスに分乗して高台に移動しました。
高台ではバスの停留所が設けられ、自由に見学して回ることができるようになっていました。
参加された皆さんは、眺望や日当たり、風の向きなどを確認して回られていました。
一部、モデル街区として宅地の擁壁や法面がほぼ完成した宅地もあり、職員に熱心に質問されている方も多くいらっしゃいました。
今月21日の抽選会で、どこに住宅を建てられるのかが決まります。
工事ついては、水道管の敷設や道路舗装などを行い、来年秋には住宅を建築するにあたっての調査に着手することができるようになる予定です。
田老地区での生活再建も、いよいよ具体的な姿が見えてきました。