岩手震災復興支援本部から(2015年08月)
東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。
2015/8/7
陸前高田市でかさ上げ前最後の「うごく七夕」「けんか七夕」
毎年8月7日は陸前高田市で華麗な山車を引いてまわる「うごく七夕」と、山車同士をぶつけ合う勇壮な「けんか七夕」という伝統の祭りが開催される日です。
陸前高田を離れている方も、毎年この祭りのために戻ってくるとも言われるほど、特別な祭りです。
今年は昨年までとは様子が異なります。
「うごく七夕」の高田町では、中心市街地の盛土工事が進められていて立入ができなくなっている上、昨年まで山車が練り歩いた陸前高田駅前通りなどはすでに盛土されて形はなくなっています。
しかし、「うごく七夕」を開催したいという地元の皆様の熱意により、これから工事に着手する道路をこの祭りのために通行止め解除をして、会場としました。
かさ上げ前の道路で行うのは今回が最後です。みなさん太鼓や笛、「ヨーイ、ヨイ」「ヨイヤサー」の
掛け声とともにかさ上げ前最後のまちを練り歩いていました。
一方、高田町と気仙川を挟んで対岸にある気仙町で行われる「けんか七夕」を行ってきた道路も
かさ上げ工事に伴って立入ができなくなっていましたが、こちらもこの日限り立入禁止を解除して、
祭りが開催されました。
夜は2回山車をぶつけ合いました。
一旦離れて再度けんかに向かう山車の後ろには、土砂を運ぶベルトコンベヤーの吊り橋部分
「希望のかけ橋」の支柱の一部が見えます。昨年は「希望のかけ橋」全体が見えましたが、
今年は盛土工事のための土砂が置かれているため一部しか見えなくなりました。
こちらもこの道路でできるのが今年最後ということで、最後のけんかはいつも以上に気合が入り、杉の丸太が山車を貫通するほどの迫力でした。
皆さん、最後の景色を夜遅くまで目に焼き付けていました。