街に、ルネッサンス UR都市機構

岩手震災復興支援本部から(2014年08月)

東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。

2014/8/16

宮古市田老地区で第3回高台見学会を開催

8月16日(土)、岩手県宮古市の田老(たろう)地区で、造成中の高台見学会を開催しました。
造成が進む田老地区の乙部(おとべ)高台団地(仮称)への移転を考えている皆さまに見ていただき、今後の生活再建に役立ててもらおうと、URとたろうまちづくりJVが企画したものです。

写真:高台団地<宮古市田老地区の乙部高台団地(仮称)>
写真:高台をのぞむ<高台への入り口。矢印の奥が高台の住宅団地になる>

朝方の雨も見学会が始まる頃には上がり、午前と午後の2回で約100人の方が現地を見学されました。
冒頭に、UR林正宮古復興支援事務所長からあいさつと事業の進ちょくについて説明がありました。

写真:林所長<あいさつをするUR林所長>

そのあと、たろうまちづくりJVの斉藤広所長からあいさつがありました。

写真:斉藤所長<あいさつをするたろうまちづくりJV斉藤所長>

最初に海抜約83mの配水施設が設置される予定地から見学しました。

写真:見学の様子1<宅地見学の様子(配水施設設置予定地)>
写真:見学の様子2<説明するUR職員>
写真:見学の様子3<UR職員に熱心に質問される見学者の方々>
写真:高台から1<高台から田老港方向(南側)を望む(H26/7/6)>
写真:高台から2<高台から田老港方向(南側)を望む(H26/8/16)>

前回の見学会から約1か月経ちましたが、工事は順調に進んでいます。
切土や盛土をする土工事は前回から約10%進み、全体の80%ほどが終わりました。土工事は9月末頃には完了する予定で、それから水道管や道路などのインフラ整備を行って、来年10月ごろには住宅の建築工事に着手できる見込みです。

今回の見学会では、海抜50mの地区西側に整備し、一次造成が完了した宅地も見学しました。実際に住むことになるところで、今回初公開です。

写真:宅地全景<整備した宅地(配水施設予定地から撮影)>

今回は10画地を先行して整備しています。広さは50坪から115坪です。

宅地はひな壇状になっており、宅地の形状やカーポートの位置、給排水施設などの説明が工事担当者からありました。

写真:見学の様子3<宅地見学の様子(宅地の前で説明)>
写真:見学の様子4
写真:見学の様子5

参加された方からは「もう津波で避難したくない。これだけ高いところなら安心」との感想をいただきました。いただく質問の内容も「いつ家を建てられるのか」という時期を問うようなものから「車は何台停められるのか」「区画面積や金額はどのくらいか」といった、生活に関わる具体的なものに変わってきたように思います。

今年10月には宅地の分譲および貸付手続きなどの説明会を実施し、申込みを経て、11月には抽選会を行って購入予定または借地予定の土地が決まります。また、来年9月にはすべての工事が完了し、10月からは念願の住宅建設が始まります。いよいよ新しいまちでの生活再建が見えてきます。

田老地区では、高台移転と併せて津波で被災した市街地の土地区画整理事業も進めており、本年8月には第1回仮換地指定を行って一部の方の新たな土地が決まりました。かさ上げ工事も本格的に始まっており、こちらも平成27年度末ごろには工事完了の予定です。

写真:市街地<かさ上げ工事が進む田老の市街地>
写真:市街地2<かさ上げ工事が進む田老総合事務所前の宅地と国道45号線>

2014/8/9

大槌町大ケ口二丁目地区災害公営住宅で内覧会

8月9日(土)と10日(日)の2日間、もうすぐ完成する大槌町大ケ口二丁目(おがくちにちょうめ)地区の災害公営住宅で内覧会が開催されました。
大ケ口二丁目は木造戸建タイプで、3DKタイプ13戸と4DKタイプ10戸の計23戸を建設しました。

写真:外観1
写真:外観2

当地区も、昨年完成した大ケ口地区同様に大槌町産の杉材を玄関の柱や梁、玄関ホールの壁や天井などに使いました。周辺のまち並みにも馴染むような落ち着いた和風住宅になっています。
敷地が約50坪あるので、駐車場や専用庭も設けています。
また、玄関は車いすや手押し車などを置けるように広くしており、玄関の階段部分がスロープになっている住戸もあります。

写真:外観3<玄関ポーチと駐車場>
写真:玄関<玄関ホール>

1階にはダイニングキッチンと和室、お風呂、トイレを配置し、2階は洋室になっています。

写真:部屋1<1階和室>

1階の和室には外から直接入れるよう訪問介護に対応した導線を設けたほか、神棚や仏壇を置くことが可能なスペースを設けました。

写真:部屋2<1階和室。左側の大きな窓から直接専用庭に出ることができる>
写真:部屋3<1階和室。左側のフローリングになっているスペースに神棚や仏壇を置くことができる>
写真:部屋4<2階>

また、屋外には物置もあります。

写真:外観3
写真:物置<物置の中>

お盆前でかつ天気が悪い中でしたが、2日間で313名の方が見学されました。

写真:見学の様子<内覧会の様子(屋外)>
写真:見学の様子2<内覧会の様子(4DKのダイニングキッチン)。床下収納もある>
写真:見学の様子3<内覧会の様子(ダイニングキッチン)。換気扇の使い方をご案内>
写真:見学の様子4<内覧会の様子(2階の洋室)。物干し用の金具も設置してある>
写真:見学の様子5<内覧会の様子(玄関)>

来場された方からは、「広くて収納があるのが良かった」や「木造の感じが良い」などの感想が寄せられました。

現在も工事を進めており、9月に完成する予定です。

2014/8/7

陸前高田市で工事本格化前に伝統の七夕まつり

陸前高田市の高田地区、今泉地区の方にとって「8月7日」は特別な日です。

毎年この日に、高田地区では「うごく七夕まつり」が、今泉地区では「けんか七夕まつり」がそれぞれ行われます。陸前高田を離れている方も、この日ばかりは陸前高田に戻ってきて祭りに参加するそうです。

うごく七夕まつりは、きらびやかに飾られた大きな山車がお囃子にあわせて勇壮にまちを練り歩きます。特に日が落ちた後は灯がともり、とても幻想的です。 東日本大震災で山車が流されてしまった組もありましたが、山車を新たに制作して参加する組もあります。

写真:山車<出発前の山車。この組は昨年復活を果たした>

市街地のかさ上げ工事のために7月下旬から中心部の道路は立入禁止になっていますが、この日だけは特別に通行止めを部分的に解除して、山車が練り歩けるようにしました。

写真:駅前通り<日中のうごく七夕。通行止めをこの日だけ解除した駅前通りを山車が練り歩く(JR大船渡線陸前高田駅前より撮影)>
写真:日中の動く七夕<日中のうごく七夕。後ろに土砂を運ぶベルトコンベヤーが見える>
写真:夕方の山車の出発<夕方の山車の出発。交通量の多い国道340号を市街地に向かっていく>
写真:夜の山車<日が暮れて灯がともった夜の山車>
写真:夜の山車2<山車と山車がすれ違うところ>
写真:夜の山車3<現在URが建設を進めている下和野地区災害公営住宅のすぐ近くも通った>
写真:夜の山車4<21時頃まで盛りあがっている>

どの組も21時ごろまで祭りを楽しんでいました。


一方、気仙川を挟んだ対岸の今泉地区では「けんか七夕まつり」が行われました。

約900年の歴史があるまつりで、樹齢50年以上の杉の丸太を山車にくくりつけ、相手の山車とぶつかり合う祭りです。震災前は4基の山車がありましたが、3基が流出してしまいました。「伝統を途絶えさせない」という熱意と「亡くなった方への供養を」という想いから昨年1基を新たに造って2基となり、けんかができるようになったそうです。

こちらは山車を引いて回った後、けんかを行います。

写真:喧嘩七夕の山車<けんか七夕の山車>
写真:喧嘩七夕の山車2<山車を引いて歩く様子。左後方に連なっている光は今泉地区から高田地区へ土砂を運ぶ 「希望のかけ橋」>
写真:喧嘩七夕の山車3<山車がぶつかってけんかしている様子。雷のような大きな音を立てて山車がぶつかり合う>

どちらの祭りも、これから復興工事が本格化することから、今までのまちで行うことはできなくなります。この地で行うのが最後ということで、皆さん最後の最後まで祭りを楽しんで、「最後の景色」を目に焼き付けていました。これからは新しいまちで熱く行われることでしょう。

2014/8/6

陸前高田市で復興まちづくり情報館がオープン

8月6日(水)、陸前高田市に復興事業を展示、発信するための復興まちづくり情報館がオープンしました。

この情報館は、陸前高田市、UR、施工者の陸前高田清水JVの三者によって、道の駅高田松原タピック45(休止中)の駐車場の一角に設置されました。

写真:復興まちづくり情報館
写真:情報館のある道の駅全景<道の駅高田松原の全景。奥に高台造成と市街地かさ上げのために設置されたベルトコンベヤーの排出口が見える>

初めにオープンに当たって関係者25人が出席して開所式が行われました。

写真:開所式場<開所式の様子>

戸羽太陸前高田市長は「これまで陸前高田には多くの人が訪れてくださっていましたが、こうした情報発信をする施設がありませんでした。多くの人が復興を学び、また観光の拠点ともなる施設として期待します」とあいさつされました。

写真:戸羽市長<あいさつされる戸羽市長>

続いて開所を祝ってテープカットを行いました。

写真:テープカット<テープカットをする戸羽市長(左から3番目)、桑島義也UR陸前高田復興支援事務所長(左から2番目)ら>

復興まちづくり情報館の中には震災の被災状況、復旧の歩み、復興事業の進ちょくに関するパネルが展示されているほか、被災した高田松原の松の根も展示しています。

写真:情報館の展示1
写真:情報館の展示2

オープンした直後には、愛媛県新居浜市の中学生が来館し、早速大にぎわいを見せていました。

復興まちづくり情報館は、年中無休で9:00から17:00まで開館しています。パネルは随時更新していきますので、お近くまでお越しの際はぜひお立ち寄りください。

2014/8/6

山田町大沢地区で大学生と大沢小学校の児童による壁画アートが開催

8月6日(水)、山田町立大沢小学校の児童14人が首都圏の大学生9人と一緒に、現場事務所の鋼鈑塀に絵を描きました。

これは、大学生が夏休みなどを利用して東日本大震災被災地の子どもたちと長期的に触れ合いながら地域と交流を行っていく「僕らの夏休みProject」の方々 が主催して行われました。

絵は、大沢地区の復興工事を担う大沢地区CMJV事務所の鋼鈑塀に描かれました。児童のみんなが、大学生のお兄さんお姉さんにサポートを受けながらペンキを塗っていきます。

写真:制作前
写真:制作中の様子<制作中の様子>

当日は晴れて日差しも強く、気温も33℃と沿岸部でも珍しいほど暑くなったため、熱中症予防に途中から日除けのシートを張りました。ここは大人が頑張りました。

写真:シートを張る様子<日除けのためのブルーシートを張るJVとURの職員>

日除けで絵を描くみんなは少しは楽になったようです。児童たちは一生懸命筆を握って描いていました。

写真:完成1
写真:絵を描く2

約4時間かけて制作し、ついに完成しました。「大沢に笑顔の花を咲かせよう!!」のキャッチフレーズとともに、虹の中に児童が自画像を描きました。

写真:集合写真1
写真:集合写真2
写真:集合写真3

絵を描いた鋼鈑塀は沿岸部の幹線道路である国道45号線に面しているので、地元の方々だけでなく国道を通る方々にも元気を与えてくれることと期待します。

写真:完成した絵

関連ページ

メニューを閉じる

メニューを閉じる

ページの先頭へ