岩手震災復興支援本部から(2014年09月)
東日本大震災の復興支援について現地の姿をお伝えします。
2014/9/27
山田町織笠(おりかさ)地区で第2回現地見学会を実施
9月27日(土)午後、岩手県山田町の織笠地区で造成中の高台の見学会を、高台住宅団地の土地を希望する方向けに行いました
今年3月上旬に第1回の見学会を行った見学会の第2回目となりました。今回は前回の約60名を大幅に上回る約110名の方が参加しました。
織笠地区は防災集団移転促進事業による高台移転と、土地区画整理事業による低地部のかさ上げによって市街地の復興を行います。
このうち高台部1ブロック60区画については今年度で造成工事を終え、平成27年7月頃からは住宅の建設ができる予定です。残りの高台部分とかさ上げする部分も平成27年12月頃には造成工事を終える予定で進めています。
見学会は13:30から行いました。
冒頭にUR山田復興支援事務所の平林義勝所長が「住宅の再建に向けたスケジュールが具体的に見えてきました。宅地の位置を確認するなどしてイメージをして下さい」とあいさつしました。
その後施工者である山田町CMJVの西彰一所長が「工事は順調に進んでいます」とあいさつし、今後のスケジュールを説明しました。
あいさつの後、工事担当者が先導して高台に上りました。
高台部1ブロックは造成がかなり進み、現地は海抜20m強の高さでほぼ平坦に造成されていました。
ポイントごとに工事担当者から説明がありました。
参加者に手渡されたタブレット端末には将来のまち並みのイメージ図が入っており、GPS機能などで立っている位置と向きによってどのようなまち並みになるのかを見ることができます。
当日は天候にも恵まれ、山田町のシンボルであるオランダ島(大島)もきれいに見ることができました。
途中、ロードローラーで地盤を締固める様子もご覧いただきました。ロードローラーは振動を加えながら進みます。その方がよく締まるそうです。
最後に参加された皆さんで山田湾をバックに集合写真を撮りました。
一日も早く皆さまにこの場所に住宅を建設していただけるよう事業を進めてまいります。
2014/9/24
竹下復興大臣らが岩手県内の復興まちづくりの現場を視察
9月24日(水)と25日(木)の2日にわたり、9月3日に就任された竹下亘復興大臣が岩手県の復興まちづくり事業を行っている現場を視察されました。
視察先は大槌町から陸前高田市にかけての3市1町の現場です。
24日は大槌町と大船渡市の現場を視察されました。
そのうち大船渡市の大船渡駅周辺地区の視察では、まず戸田公明大船渡市長が旧大船渡駅前広場で、土地区画整理事業で市街地のかさ上げや産業用地の集積を図ること、津波復興拠点事業でにぎわいの核となる大船渡駅前の商業再生を進めて行くことなど、事業の概要説明をしました。
その後、UR大船渡復興支援事務所の中川一郎所長が説明をしました。中川所長からは、県の防潮堤事業やJR大船渡線の切り替えなどの関連公共事業との調整が数多くある上、地権者の方々約530名との合意形成も必要であり、工事も60戸の移転をしながら進めていることなど、現場に即した内容を説明しました。
説明後、戸田市長から「復興事業は地区ごとに状況も異なるので、状況に応じて対応してほしい」、「復興事業で生じた非居住エリアの管理なども数多く残るので、予算措置などをお願いしたい」と要望し、竹下大臣からは「細かいことまでも対応していきたい」と積極的なお答えがありました。
この日の視察の最後に仮設の「大船渡夢商店街」を訪れ、店舗を回って声をかけられていました。
翌25日は小泉進次郎政務官も合流し、釜石市と陸前高田市の現場を視察されました。このうち陸前高田市の現場では、今泉地区で土砂を運ぶベルトコンベヤーを視察された後、まちづくり情報館を視察されました。
最後は報道陣の質問に答えられ、「復興事業も各地区共通の課題や自治体ごとの課題、地域別の課題があることを改めて感じた。一人ひとり事情も違うがその思いに沿えるよう勧めて行きたい」「安倍政権は地方創生を掲げている。地方の抱える課題で一番難しいのがこの被災地。ここできちっと課題を解決することが日本の課題解決につながる」との思いを述べられました。
2014/9/23
陸前高田市下和野(しもわの)地区で災害公営住宅の内覧会を開催
9月22日(月)と23日(火・祝)の2日にわたり、岩手県陸前高田市の下和野地区で間もなく完成する災害公営住宅の内覧会を行いました。
下和野地区災害公営住宅は、鉄筋コンクリート造6階建と7階建の2棟、計120戸となっています。
当地区は、東日本大震災の津波によって浸水したエリアにあるため、被災した市街地をかさ上げする高田地区土地区画整理事業のエリアに含まれています。本来であれば市街地のかさ上げ(本工事)をしてから着工するところですが、この災害公営住宅はかさ上げ盛土の安定性を検証するために先行的に試験盛土を行ったところに建設したため、完成を1年以上前倒しすることができました。周辺の市街地は、7月にベルトコンベヤーが完成し、盛土工事が本格化しています。
いち早く建設できたということもあり、復興のシンボルともいえる建物となりました。
また、住戸は2階以上に配置して海側の棟の1階には店舗や福祉施設を設置しました。これは「住む方の利便性向上」や、団地西側の道路沿いが将来商業用地となる計画であることから「にぎわいの創出」や「商売を行う方の生活再建」に配慮しています。
その他にも2階レベルは回廊やミニコモン(共用広場)で2つの住棟をつなげてコミュニティー形成に役立つようにしています。
海側の棟の最上階には集会室を設けています。住民同士の交流の場としてだけでなく、緊急時には100人程度が避難できるスペースを設けて周辺地域の防災面にも寄与しています。屋根には太陽光発電パネルも設置しました。
住戸も1DK~4DKまであり、2DKと3DKは2パターンの住戸を設けた他、車いすの方にも配慮したプランの2DK住宅もあります。
下和野地区は陸前高田市で建設された災害公営住宅第1号ということもあり、2日間で750名を超える方が見学されました。
その内覧会に先立ち、陸前高田市の戸羽太市長など市の関係者の方々が見学されました。
戸羽市長は「復興のシンボルとも言える立派な災害公営住宅が完成し、被災された方にも復興の光が見えてくるのではないかと思います」と完成に喜びを感じられているようでした。
その後市民の皆さんの内覧が行われました。
入居が決まっている方はカーテンや物入れの寸法を測ったり、機器の使用方法を熱心に聞いたりされていました。
いよいよ10月1日(水)から入居が始まります。