街に、ルネッサンス UR都市機構

【特集】 四谷駅前地区第一種市街地再開発事業

URPRESS 2020 vol.61 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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URが三菱地所とともに取り組んできた四谷駅前の再開発事業が、今年ついに完成。
大規模複合施設「CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)」が、四谷のまちの価値向上に貢献する。

JR四ツ谷駅四ツ谷口正面にそびえる「YOTSUYA TOWER」。ビルの手前には、外堀通りからつながる樹木が植えられた「出迎えの広場」がある。このビルだけで6,000人が就業すると予測されている。
オフィスビルと低層部を貫通する歩行者通路「パサージュ」。この手前に「コモレビの広場」がある。

大規模な跡地に新しいまちが生まれた

JR四ツ谷駅から外堀通りに出ると、目の前に現れる高層ビル。1月末に竣工した31階建てのオフィスビル「YOTSUYA TOWER」だ。

このビルを中心に、飲食店やショップなどが入る「CO・MO・RE Mall」や住宅、地下にスポーツができる多目的ホールのある文化・国際交流・スポーツ施設、教育施設で構成された「コモレ四谷」。新宿区立の小学校や財務省の官舎などがあった約1・8ヘクタールの土地を生かして、URが再開発を手がけた大規模複合施設だ。

3月からオフィスへの入居が始まり、商業施設も次々にオープン。地域の憩いの場となる「コモレビの広場」が完成する今年の夏に、まちびらきを予定している。

オフィスの天井高は2.8m、1フロアの面積は約2,000㎡、四谷エリアでは希少な広さであり快適性の高いオフィス空間が生まれる。
文化・国際交流・スポーツ施設が入る建物の地下1、2階にある「四谷スポーツスクエア」の多目的ホール。
左に見えるのが住宅「ザ・レジデンス四谷ガーデン」。
文化・国際交流・スポーツ施設が入る建物。この手前に武蔵野の雑木林をイメージした木々を植栽した「コモレビの広場」(約3,300㎡)を造成中。ここには災害時に活用可能なマンホールトイレなども設ける。7月には「まちびらき」のイベントも企画している。

初期から参加してお互いの強みを生かす

小学校の統廃合と財務省官舎の廃止がほぼ同時期に決まり、新宿区と地元住民とで跡地利用検討を含むまちづくりの検討が開始され、URは事務局を担った。2006年には国と新宿区、個人の住宅や商店など多様な地権者たちが四谷駅前地区再開発協議会を結成。10年、URは協議会や行政である新宿区からの再開発の施行要請を受け、市街地再開発事業の施行者として事業を遂行する立場となった。

今回の事業では、民間のノウハウを導入して魅力あるまちづくりを推進するため、URは事業パートナーを公募。URが基本設計を終えた事業の初期の段階から、民間事業者にパートナーとして参画してもらう公民連携の取り組みのひとつだ。

三菱地所の稲さんは「竣工はスタート地点。にぎわいが生まれ、徐々に生きた建物となるのが楽しみです」と話す。
「さまざまな地権者の方々との協議は、時間を要しましたが、勉強になりました」と話すURの沖津。

早期に事業パートナーを公募した理由を、URの沖津龍太郎は「民間の強みをこの事業に生かしたかったのです」と説明する。

「事業の初期段階から民間事業者に参加してもらい、オフィスや商業施設の商品企画や設計などに関して、デベロッパーの知見やノウハウを反映することで、よりよいものをつくりたいという思いがありました」

公正な審査を経て事業パートナーとなったのは三菱地所株式会社。丸の内をはじめ数多くのオフィスビルや商業施設の実績がある。

URの基本設計を基にして、三菱地所の提言を踏まえて協議を行い、建物の価値向上となる設計変更を行った箇所もある。

「設計の早い段階から参加・提言させていただき、双方がより良い開発を目指して議論を重ねたので、大変でしたが、やりがいがありました」と、三菱地所でこの事業を担当する稲 友靖さんも言う。

「双方の意見がくい違うことはありましたが、一つひとつの問題に対して、丁寧に合意を目指しました」と沖津。両社が行ったミーティングは、優に150回を超えたという。

稲さんも「私どもにとっても、再開発事業を数多く手がけ、ノウハウも蓄積されているURさんの地権者への丁寧な対応ぶりなど、学ぶところがたくさんありました」と振り返る。

「完成したビルに地権者さんが戻ってきて、ここで店舗を再開する姿を見ると、この仕事をやってきてよかったと思います」

そう語る沖津には、事業パートナーとともにつくりあげた「コモレ四谷」が、新しいまちのシンボルになる様子が見えているようだ。

【武田ちよこ=文、菅野健児=撮影】


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