宮城・福島震災復興支援本部から(2015年01月)
2015/1/31
気仙沼市南郷(なんごう)地区で市内初の災害公営住宅入居式の開催
1月31日(土)、気仙沼市南郷地区災害公営住宅(市営南郷住宅)の2、3号棟が竣工し、入居が始まりました。
この住宅は3棟計165戸(1号棟10階建て90戸、2号棟6階建て40戸、3号棟6階建て35戸。1号棟は3月竣工予定)の住宅と駐車場の他に、南郷コミュニティセンターと、“かどニワ”と“大きなニワ”の2つの広場があります。
南郷住宅は、学区のほとんどが被災し気仙沼小学校と統合された旧南気仙沼小学校の跡地に建てられました。南気仙沼小学校は、普段の学校活動のみならず、毎年夏祭りの会場などとして活用され、また震災当時は、地域住民が避難され、多くの命を助けた避難場所となっていたなど、地域コミュニティの中心を担ってきました。そうした南気仙沼小学校の記憶の継承のため、校歌の石碑や門柱等を敷地内に残しています。
3階建であった旧南気仙沼小学校の面影を継承していこうと、全住棟の外壁の色を3階部分までと、4階以上の部分とで塗り分けています。また、屋外階段や4階以上のベランダには気仙沼らしさを象徴する大漁旗をイメージする赤、青、黄を住棟ごとに差し色として使っています。
津波対策も考えられていて、1階には住宅を入れず高齢者相談所の他、駐車場と全住戸分の倉庫を配置しているほか、入居者だけでなく、地域住民も屋外階段を利用し津波から逃れることができる津波避難ビルとしての機能を持たせています。
地域に開かれた集会所となる南郷コミュニティセンターには、5つの集会室の他、防災倉庫、シャワー室、調理ができる給湯室などがあります。1階にデッキを設け、集会室と“大きなニワ”と連続したスペースにすることでイベント時に一体利用できるようにしています。災害時に備え、大きなニワにはかまどベンチが設置されています。
入居開始日当日は、気仙沼市災害公営住宅入居式が行われました。
この式典は、気仙沼市で最初の災害公営住宅の入居となる南郷地区だけではなく、これから整備していく気仙沼市内の2,200戸全ての災害公営住宅を含めた入居式になっています。
式の冒頭で気仙沼市の菅原茂(しげる)市長は「仮設住宅に長く住まれていたみなさまが、災害公営住宅に入居してかえって不便になってはいけない。そういった気持ちで高齢者が安心して暮らせるような住宅を造った。入居者には広くなった住戸で足を延ばして、落ち着いて生活していただければと思う」とあいさつされ、仮設住宅でのこれまでの不自由な生活を労わりました。
次にUR都市機構の石渡(いしわたり)廣一(ひろかず)理事は「気仙沼市で災害公営住宅が初めての完成したことに、私たちURも最高の喜びを感じている。これを弾みに、今後も全力で復興支援に取り組んでいきたい」とこの住宅の竣工にあたっての思いと今後の復興支援の意気込みについて述べました。
入居者代表の佐藤常平さんは「入居者一同が力を合わせ、これからは安心、安全な地域づくりを目指していきたい」と入居にあたっての思いを述べられました。
閉式後、南郷住宅の竣工を祝い、“大きなニワ”で餅まきが行われました。
小雨の降る中でしたが、参加者の皆さんは、コミュニティセンター2階のベランダから撒かれたお餅を楽しそうに集めていました。
URは、3月完成予定の1号棟をはじめとして、引続き気仙沼市の復興に全力で取り組んで参ります。
2015/1/17
気仙沼市南郷(なんごう)地区災害公営住宅の内覧会
1月31日(土)に市内初の入居を迎える気仙沼市南郷地区災害公営住宅で、1月17日(土)と18日(日)の2日間入居予定の方を対象にした内覧会を開催しました。南郷地区には1号棟10階建て90戸、2号棟6階建て40戸、3号棟6階建て35戸の計165戸の住宅の整備を進めていて、そのうち2、3号棟の計75戸がまもなく竣工します。
当住宅には高齢者や体の不自由な方の入居を想定し、高齢者見守り型住戸と車椅子対応型住戸を用意しました。高齢者見守り型住戸とは、玄関の近くにダイニングキッチンを配置することで、共用廊下の通行者が窓越しに暮らしの気配を感じるように配慮した間取りの住戸です。
車椅子対応型住戸は、ドアは全て引き戸で、玄関やバルコニーをはじめ、住戸内には段差がありません。その他、トイレ、洗面所、キッチンなど至るところが車椅子を利用される方の使いやすさを考慮して設計されています。
流し台とコンロの下に空間を設けたキッチンになっています。
内覧会には、2日間で合わせて約140世帯の入居予定の方にお越しいただきました。入居予定の皆さんは家具の配置を考えたり、浴室、物入、キッチンなど設備の使い方を確認したりして、入居後の生活を想像されていました。UR職員は入居への不安を少しでも減らせるよう、皆さんの疑問にお応えしました。
皆さんからは、「想像以上に広く立派でうれしい」「仮設住宅では隙間風や騒音で悩まされたが、これからは安心して生活が送れそう」「風呂が広くてのんびり入れそう。入居が待ち遠しい」など、喜びの声をたくさん聞くことができました。
1月31日(土)には、入居式が行われ、同日午後から入居が始まる予定です。
2015/1/15
いわき市豊間(とよま)地区とよマルシェオープン!
福島県いわき市豊間地区です。現在、県による防潮堤の工事と同時並行で、建物基礎の撤去作業や高台の造成工事を行っています。
1月15日(木)、地区のすぐ脇を通る県道15号沿いに、被災前、地区内で営業されていた方々による復興仮設商店街「とよマルシェ」がグランドオープンしました。
当地区は甚大な津波被害を受けたため、震災後に営業再開した店舗がコンビニエンスストア1軒だけという状況が続いていました。しかし昨秋に、近くに被災者向けの災害公営住宅「豊間団地(総戸数192戸)」が完成し、地域住民や団地入居者からより充実した生活利便施設を求める声が高まってきました。
その声に応え、地域住民の生活利便性の向上と地域コミュニティの再生に向けて、独立行政法人中小基盤整備機構の仮設施設整備事業を活用し、待望の仮設商店街オープンとなりました。
この商店街は中華料理店、野菜・牛乳・日用品販売店、飲食兼宿泊施設、鮮魚店の4店舗からなり、ここへ来れば、生活に必要なものはそろうことになります。お年寄りにとっては、豊間団地から歩いて通える場所に商店街があるというのは、利便性の向上だけでなく、外出するモチベーションになり、体力維持にもつながります。また普段からのちょっとした住民交流が地域での見守りの輪を生み、孤独死の抑止効果も期待されます。
グランドオープンに先立ち、昨年12月20日(土)に行われたプレオープンで、清水敏男いわき市長は「震災から3年9か月が経過した。仮設とはいえ、立派な商店街だ。いわき市を訪れる多くの方々が立ち寄られるような場所として、とよマルシェから豊間の皆さんが一丸となって頑張っていることを発信していただきたい」と祝辞を述べられました。
とよマルシェの立ち上げに尽力した地域住民で組織するふるさと豊間復興協議会の遠藤守俊(もりとし)会長は「とよマルシェに出展される4店舗は、津波被害を受け、大変な思いをしてきたが、地元活性化のためにと立ち上がってくれた。豊間の復興に向けて、みんなの力で一歩一歩前進していきたい」とあいさつされました。
プレオープン、グランドオープンの両日とも各店舗が祝賀セールを開催し、大盛況。
「ベジタブルShiGa」店長の志賀文彦さんは「今日が自分にとって、復興のスタート。自分の力だけではここまで来られなかった。皆さんに感謝したい。あくまで仮設なので、しばらく頑張って、事業地区内に本設となる際にはURに期待したい」と笑顔で語ってくれました。
鮮魚店「ウロコジュウ」では、マグロの解体ショーと即売会が行われました。
こちらのトレーラーハウス2棟は宿泊施設「B&Bきゅういち」です。ツインルーム(3名まで宿泊可)が4部屋あります。テレビやバスルームも完備しています。
「中華はまや」では、ラーメンを注文。
隣りに座っていた男性は、「あの頃(被災前)とおんなじ味だ。懐かしい」と嬉しそうに話しかけてくれました。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
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