宮城・福島震災復興支援本部から(2014年11月)
2014/11/14
東松島市東矢本駅北(ひがしやもとえききた)地区災害公営住宅(市営あおい住宅)第1期が完成
11月14日(金)、URが東松島市から建設要請を受け工事を進めていた市営あおい住宅の第1期の入居式が行われました。
市営あおい住宅の立地する「東矢本駅北地区」は、JR仙石線東矢本駅の北側にある地区で、震災前は田んぼなどの農地が広がっていました。震災後は、東松島市復興まちづくり計画で移転先に指定されました。土地区画整理事業で、この地区に整備された宅地に住民の方が集団移転するという計画です。
移転される方で構成する「まちづくり整備協議会」(以下「協議会」といいます。)では新しい街の誕生に合わせて集団移転者がまとまるように親しみのある新町名(字名)を公募し、東松島市のイメージである「海、空、田んぼ」を表す「あおい」に決定しました。
当地区には災害公営住宅307戸と防災集団移転によって住民の方自らが再建する住宅273戸の計580戸が建設される予定で、東西幹線道路(下図赤線)を境に北(上)側が災害公営住宅、南側が自ら再建住宅のエリアとなっております。
今回完成した市営あおい住宅の第1期は、下図の西(左)側にある青い点線で囲まれたゾーンです。移転される方々に街や建物のイメージを理解していただくため、先行整備街区として整備を始め、平成26年2月に宅地が造成完了しました。その後建築工事を進め、この日、無事に入居を迎えることができました。
第1期の戸数は47戸で、その内訳は木造戸建て住宅が2LDK 19戸、3LDK 9戸、4K 3戸の計31戸、2世帯で1棟となる(2戸1)木造住宅が、がそれぞれ1LDK 4戸、2LDK 8戸、3LDK 4戸の計16戸となっています。
住宅配置計画の特徴は主に3つあります。まず1つ目は、入居者の方や地域住民の皆さんが集まりやすい街角などに交流の場であるコモンスペースを4か所設けたことです。そのうちの1つのコモンスペースには災害時に備えてかまどベンチも設置してあります。
2つ目は、高齢者の居住を想定する住宅(平屋建て1LDK・Kタイプ)は周りの住宅に囲まれるように配置することで、見守りに配慮したことです。
そして3つ目は、街並み形成です。東西幹線道路沿いに計画した(2戸1住宅)(K、M、N、Oタイプ)の外観を和風のデザインにし、併せて生垣を連続させることにより沿道景観に統一感を持たせました。戸建て住宅では、外観の意匠や色彩にバリエーションを持たせ、変化のある街並みづくりを意識しました。
ほかにも、全ての住宅にスロープを設け、高齢者や足の不自由な方に配慮しています。また、各住宅には十分な敷地を確保し、各戸に駐車場と倉庫を設けてあります。
また、入居式に先立ち、11月8日(土)と9日(日)には第1期の内覧会を行いました。
当日は、第1期の入居予定者の方だけでなく、第2期~第4期や野蒜(のびる)北部丘陵地区の入居予定者の方にもご覧いただきました。
入居を間近に控え、窓枠や廊下を採寸されたり、家族で部屋の利用を相談されたりしていた皆さんの姿は、一様に笑顔だったのが印象的でした。そして、その笑顔に応えるべく、担当したUR職員も時間の許す限り、住宅設備などについて説明しました。
内覧会に参加された方からは、「図面を見るだけでは住宅内をイメージできなかったので、実際に自分の目で確かめられて良かった。『ここに住むんだ』という実感が湧いてきた」「広くて立派で夢みたい。入居が待ち遠しい」「まだ先の入居予定だが、これだけ素敵な住宅ならもう少し待っていようと思う」など、喜びの声が聞こえてきました。
入居式当日、式典での冒頭のあいさつで阿部秀保(ひでお)東松島市長は、「あおい地区第1期災害公営住宅の完成で、市内の災害公営住宅の建設予定計画数である1,010戸のうち完成戸数が301戸となった。特筆すべきことは入居率の高さで、300世帯が入居あるいは入居予定となっている。それは市職員と被災者の方々が細かな個別面談を行いしっかりと意向を聞かせていただけたから。復興はまだ道半ばなので、関係者とこれまで以上に連携し、被災者の気持ちを受け止め、復興に取り組みたい」と更なる災害公営住宅の建設推進と入居促進への抱負を述べられました。
続いて、UR松田秀夫復興支援統括役は、「3年前、阿部市長から直接、復興支援の話をいただいた。こうして本日、被災者の皆さまが入居を迎えられたことは非常に感慨深い。宮城県、東松島市、協議会をはじめ、フジタ・佐藤東松島市震災復興事業東矢本駅北地区整備工事共同企業体、住宅建設工事を実施した株式会社ヤマムラと住友林業株式会社の皆さまには並々ならぬご尽力をいただいた。周辺住民を含め、関係者に厚く感謝申し上げる。引き続き、地区全体の整備を図り、お待ちいただいている被災者の皆さまに一日も早く入居いただけるよう全力で工事に取り組んでいきたい」と関係者への感謝の意と当地区全体の整備への意気込みを述べました。
次に、村井嘉浩(よしひろ)宮城県知事から、「復興を進めるにあたり、恒久的な住まいを可能な限り早く提供することが最優先課題となっている。URの支援の下、無事に工事が完了し、入居式が執り行われることは誠に喜ばしい。また、URには、多くの被災市町で復興を進めるために災害公営住宅の建設や復興まちづくりで力強い支援をいただいていることについて、深く感謝申し上げる」とのお言葉をいただきました。
その後、UR清水良祐(りょうすけ)東松島復興支援事務所長から「当地区の西側に立地している市役所等の公共公益施設に近いという利便性を生かせるように、また、災害公営住宅の建設予定エリアと自立再建住宅の建設予定エリアの交流・連携を促すために東西及び南北の道路を整備した。第1期が当地区全体のコミュニティー形成や街並み形成の先導的な役割を果たすように計画した」など、事業概要について説明いたしました。
引き続き、テープカットと銘板の除幕を行った後に、鍵の引き渡しが行われました。
最後に協議会の小野竹一(たけいち)会長から、「協議会ができてちょうど2年目になる。その間、3~4日に一回という頻度で話し合いを重ねてやっとここまで辿り着けた。私たちは市やURに無理なお願いや提案を数多くしてきたかと思うが、それを聞き入れてくださって感謝している。今後は今回入居する47世帯だけではなく、残りの災害公営住宅に入居する方と自立再建で住宅を建てる方のことを含めて活動しなければいけないことが沢山ある。そういった課題を乗り越えて、きれいな街を地区全体でつくりあげていきたい。そして、入居者が安全・安心でこのまちに住んで良かったと思える、日本一のまちをつくっていきたいと考えている」とこれまでの活動を振り返ると共に、地区全体のまちづくりについての想いを述べられました。
URは今後も被災者の皆さまの声をしっかり聞き、市をはじめとする関係者の皆さまと連携して、引き続き宅地の整備と災害公営住宅の建設を行ってまいります。
2014/11/2
いわき市豊間(とよま)・薄磯(うすいそ)地区 豊間公民館まつりでどんぐり苗の里親募集イベント
豊間・薄磯地区では皆さまのご協力のもと、高台住宅地となる森林のどんぐりを昨年10月に集め、苗を育ててきたところです。今回、11月2日(日)に行われた豊間公民館まつりで、どんぐり苗の里親募集(苗木配布)を行いました。
前日は雨でしたが、当日は好天に恵まれ、大勢の来場者でにぎわいました。
イベントが始まる前は、どれくらいの人たちが里親になってくださるのか不安でしたが、開始早々、多くの方々が、UR職員の説明に熱心に耳を傾けてくださいました。
おかげさまで、16名の人たちに里親になっていただくことができました。
里親の皆さんには、これからしばらくの間ご自宅などで苗を育てていただき、新しく整備される防災緑地や公園への植付けイベントで大きくなった苗を植樹していただく予定です。
まつりの会場内では、絵画やパッチワークの展示会や芸能披露、こども映画祭、バザーなどが行われていました。
また当日は、自転車イベント「第1回ツール・ド・いわき2014」も開催されており、豊間・薄磯の事業地区をたくさんの競技参加者が駆け抜けていきました。復興の様子を身近に感じていただけたと思います。
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