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命を守る防災新常識(4)

  • URPRESS 2026 vol.85 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

世界有数の地震国・日本 地震対策は、「常に備える」のみ

日本では毎年のように大地震が起こっていますが、生まれてこの方、大地震の揺れに見舞われたことはない、という方も多くいます。
しかし、世界有数の地震国・日本において、「今まで揺れていない」ことは、「今後も揺れない」保証にはなりません。

日本では107年間に82回大地震が起きている

下の地図は、「震度6弱」以上の、いわゆる大地震の震源を示したものです。気象庁が保有する最も古いデータ、1919年から2026年3月までの約107年間に、日本では合計82回、震度6弱以上の大地震が発生しています。

この地図を見ると、北海道から鹿児島まで、全国で大地震が発生していることが分かりますが、細かく見ると、大地震が生じていない都道府県もあります。107年という時間は人間の寿命から考えればかなり長い期間です。生まれてから一度も大地震に遭遇したことがない、という人も多いのではないでしょうか。

なおこの期間中、沖縄県で震度6弱以上を観測する地震は生じていません。しかし、1911年に那覇で震度6弱相当を観測した「喜界島地震」が起きているので、沖縄は地震が来ない地域である、というわけではありません。

気象庁「震度データベース検索」より、1919年1月1日~2026年3月15日に生じた「震度6弱以上」の地震の震源地図

地球上では13,500回も起きている

下の地図は、全世界で発生した「マグニチュード6以上」の大地震の震源を示したものです。同じ1919年から2026年3月までの約107年間に、地球上では13,500回もの大地震が発生しています。

地震を引き起こす原動力は、プレート運動と呼ばれる地球の活動です。そのため、プレート境界となるエリアに、大地震の発生も集中しています。国や地域によっては、物理的に大地震が生じないエリアもありますが、これは大変にうらやましいことです。

この地図は、中心に日本を配置していますが、地震が多すぎて日本列島の形が見えません。文字通り北海道から沖縄まで、日本国内で地震が生じない場所はなく、大地震は来るか来ないかではなく、来ることを前提にどう備えるか、が考え方の基本となります。

USGS・アメリカ地質調査所「Latest Earthquakes」より、1919年1月1日~2026年3月15日に生じた「マグニチュード6以上」の地震の震源地図

100年間大地震がなくても、安全ではない

日本国内の地震発生地図では、100年以上大地震が発生していない「一見すると安全そうなエリア」が存在しました。しかし視点を広げて全世界の地図を見てみると、日本周辺は文字通り「大地震の巣」になっており、地球上でも有数の大地震多発地帯であることがよく分かります。

地球上で最も大地震が発生するエリアのひとつが日本周辺です。このエリア内で、地震が起きやすい場所・起きにくい場所を論じることに、あまり意味はありません。日本ではいつでもどこにでも大地震が起きる、これが前提です。

大地震は数千年・数万年という単位で生じる自然現象です。日本の場合、わずか100年程度大地震が発生していないことは、「まだ来ていない」だけで、「今後も来ない」ことを意味しません。

むしろ大地震が起きていない地域ほど、古い木造住宅が多く残されており、次の震災で大きな被害をもたらす可能性があります。また住民の意識も油断しやすくなるため、地震対策を、より積極的に進めなければなりません。

地震対策はどこであっても「常に備える」のみ。改めてわが家の対策を見直してみてください。

プロフィール

たかにともや

備え・防災アドバイザー。地震対策からパンデミックへの備えまで、各種防災情報を講演会やメディアを通じて解説するアドバイザー。防災系YouTuberとしても活躍中。近刊は『防災リュック はじめてBOOK』(徳間書店)。

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【高荷 智也(ソナエルワークス代表)=文】

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