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【復興地探訪 第17回】岩手県野田村

  • URPRESS 2025 vol.83 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

復興地探訪 生まれ変わった「まち」へ行ってみよう!その17 野田村 岩手県 記憶に残るのどかな村の食と自然

記憶に残るのどかな村の食と自然

岩手県の北東部、美しいリアス式海岸が続く三陸沿岸に位置する野田村。平安時代の歌にも詠まれた景勝地、十府ヶ浦(とふがうら)の美しい海岸線は今も変わらない。村を代表する「のだ塩」をはじめ、豊かな自然の恵みがもたらす特産品の数々が、東日本大震災の甚大な被害を乗り越え、今も丁寧につくられている。豊かな食と自然が息づく野田村で、心に残る旅を楽しもう。

景勝地の十府ヶ浦。緩やかな弧を描く砂浜が3.5kmも続く。
三陸鉄道北リアス線の安家川(あっかがわ)橋梁。ここからの海の眺めは最高だ。この絶景を楽しんでほしいと、車両は一時停車する。
陸中野田駅前にある「野田の牛方」像。塩を内陸へ運んだ歴史を伝える。

URの野田村復興支援

URは2011年4月から野田村の復興計画の策定支援などを行い、翌年には、「復興まちづくり総合支援事業業務委託契約」を締結し、土地区画整理事業の事業計画策定支援にあたった。14年3月に事業コーディネートの完了により支援は終了した。

被害が大きかったのは、行政機能や商店街がある村の中心地、城内地区。
現在は多くの家が立ち並んでいる。
東日本大震災の犠牲者の鎮魂と、津波の教訓を未来に伝えるため、十府ヶ浦公園に建てられた大津波記念碑。
野田漁港に突き出した約50メートルの断崖、大唐の倉。地層の縞模様が美しい。

『あまちゃん』ロケ地へちょっと足をのばして!!

『あまちゃん』の舞台になった、久慈市小袖海岸。
海女さんが体一つで海に潜り、ウニや海藻などを捕る姿は、ドラマでも再現された。夏には素潜り実演を見学することができる。
岩手県野田村周辺の地図。国道45号線と三陸鉄道北リアス線が沿岸に沿って走り、野田玉川駅や陸中野田駅などの駅が表示されている。野田漁港、十府ヶ浦海岸公園、安家川橋梁、のだ塩工房などの観光スポットが記載。左側には岩手県の位置図があり、野田村が大文字や色で強調されている。1番から5番の番号付きスポットは三陸の食事やカフェを紹介。4つの飲食店と新施設情報を掲載。

1.三陸の海の幸が楽しめる食堂

十府ヶ浦食堂

村の中心地にある、地元で愛される食堂。一番の人気は、海の幸を贅沢に盛り込んだ海鮮ラーメンだ。ホタテやエビ、イカなど海の恵みが豪華に彩り、あっさり塩ベースのスープも格別だ。また、ホタテ焼きや刺身など、地元の味を堪能できる一品料理も揃う。

TEL:0194-78-2532

左/人気の海鮮ラーメン1,350円。
右/入荷があればラッキー、野田村産のホタテ焼き550円。

2.からだにやさしい郷土料理

かまどのつきや

古民家の懐かしい雰囲気のなかで、のんびりと過ごせる食事処。自家栽培の野菜や地元の旬の食材をふんだんに使用した、体にやさしい手作り料理が自慢。郷土料理の汁椀がいただける「けいらん御膳」など、滋味深いメニューが揃う。心温まる野田村の食を満喫できる。要予約。

TEL:0194-78-2235

鶏卵の形をした団子の汁が付いた、けいらん御膳1,500円。

3.野田村の幸を楽しめる

国民宿舎えぼし荘レストラン

三陸の海を一望できる国民宿舎えぼし荘レストランでは、野田村の海と山の旬が詰まった食事がいただける。「のんのりなのだ定食」や、「えぼしよくばりカレー」などのオリジナルメニューを、雄大な絶景とともに楽しもう。ランチは週末限定。

TEL:0194-78-2225

左/のんのりなのだ定食1,500円。のんのりは方言で、「いっぱい、たくさん」という意味。
右/南部福来豚とシーフードがたっぷり、えぼしよくばりカレー1,500円。

4.囲炉裏のあるカフェ

南部曲がり家民宿&カフェ 苫屋(とまや)

山間にひっそりと佇む民宿&カフェは、茅葺き古民家を再生した癒やしスポット。囲炉裏が残る空間で、手作りスイーツを味わえば、都会の喧騒を忘れ、非日常の静寂と心安らぐひとときを体験できる。

野田村大字野田第5地割22(電話なし)

右/築160年以上の古民家を改築した民宿&カフェ。電話がないので宿泊予約は、はがきか手紙で。
左/カフェは月曜定休。挽きたてのコーヒーと手作りケーキなどがある。

5.2025年6月移転オープン!

道の駅のだ ぱあぷる

今年6月に移転オープンした「道の駅のだ ぱあぷる」は、新たな観光拠点になっている。施設内には特産品が勢揃い。名物の「のだ塩」関連商品や加工品など、お土産に最適な品々が並ぶ。レストランでは、地元食材を生かしたこだわりの料理を。ワンコイン朝食(土・日祝日休み)は、上記の「かまどのつきや」が提供する。

TEL:0194-78-4171

道の駅のだ ぱあぷるの写真
のだ塩(200g) 1,050円
野田村の伝統的な直煮製塩法で作る天然塩。まろやかなうまみがありミネラルが豊富で、料理の味を引き立てる。
山葡萄ワイン紫雫(しずく) 3,200円~
野田村産山葡萄100%の赤ワイン。濃厚な風味としっかりとした酸味が特徴。
のだ塩ソフト 400円
お隣の洋野町の大野ミルクと、「のだ塩」から作ったソフトクリーム。濃厚でやみつきになる味。
のだ鮎コンフィ 1,000円
のだ塩を使った野田村産のアユのナタネ油漬け。低温調理で骨まで食べられる。
蜜カス 360円
山口県宇部のしっとり濃厚な蜂蜜カステラと「のだ塩」がコラボ。奥深い甘さに。

のんびりと海風を感じながら山海の幸を楽しもう

海と山々に囲まれた自然の恵みあふれる村の宝は、"食の恵み"。伝統製法で作る「のだ塩」は、まろやかなうまみが特徴で、塩スイーツなどの関連商品も大人気です。山葡萄ワインや、荒海ホタテやアワビ、地元ブランドの豚肉「南部福来豚(ふくぶた)」も絶品です。秋にはマツタケも採れます。

また、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地として知られるのが、三陸鉄道・野田玉川駅。ヒロインがウニ丼を売るシーンに登場しました。ほかにも、マリンローズパーク野田玉川で宝石探しをしたり、美しい十府ヶ浦を散策したりと、ゆったりした時間を過ごしてください。

野田村観光協会
野田村大字野田第19地割117
(野田村商工会館内)
TEL:0194-78-2012(野田村商工会代表電話)

野田村観光協会 北田晴子さん
村の特産品のホタテがモチーフの「ほたてんぼうだい」。十府ヶ浦を一望できる。
東日本大震災後に整備された十府ヶ浦公園。東京ドームおよそ4個分の広さ。写真はパークゴルフ場。
「あまちゃん」のロケ地として知られる野田玉川駅。うに弁当は久慈駅で販売されている。

【石井克美=文、青木 登=撮影】

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