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【公団誕生70年】集合住宅をもっと快適にするJSの研究開発拠点 団地クローズアップ2

  • URPRESS 2025 vol.83 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

公団誕生70年 暮らしとともに変化・進化する団地(2) 団地はひとつのまち

団地はひとつのまち

団地が地域の人々の交流の場に

1955(昭和30)年に日本住宅公団が設立され、翌56年に日本初の公団住宅(団地)が誕生して以降、都市近郊に次々に造られていった団地。当時の最先端技術・設備を導入し、新たなライフスタイルを提案した団地は、憧れの住まいとして人気を集め、一大ブームを巻き起こした。

昭和40年代に入ると、ファミリー層の入居が増え、団地内や近隣に幼稚園や小学校ができ、商店街や商業施設などがオープン。活気にあふれる大規模な団地は、ひとつのまちのように。そして、団地内の緑豊かでゆとりのある屋外空間は、子どもたちの遊び場はもとより、お祭りやイベントの会場となり、地域の人々の大切な交流の場として活用されてきた。

月日が流れ、子どもが独立したり、家族構成が変わったり、それぞれ変化はあるものの、長く住み続けている方が多いのも団地の特徴だ。「ここがふるさとだから」「自分が親になって、団地で子育てしたいと思って戻ってきた」。最近はそんな声が聞こえてくる。

1970年代の赤羽台団地(東京都北区)の夏祭り風景。
名入りの提灯や山車が華やかに団地を彩る。
現在は建て替えられ「ヌーヴェル赤羽台」に生まれ変わっている。
現在、163棟(5,740戸)の住棟で構成される巨大な花見川団地(千葉市花見川区)。写真は1981年に開かれたマラソン大会。団地周辺もコースに。
1983年に開かれた上和田団地(神奈川県大和市)の団地まつりの様子。大勢の子どもたちが山車を引いて団地内を練り歩いた。

時代に合わせてアップデート!

豊島五丁目団地

東京都北区豊島5-4他
1972(昭和47)年8月~
4,959戸(12棟)1DK~3DK
敷地約14ha

隅田川に囲まれた広大な敷地に、商店街や医療施設、郵便局など、生活に必要なものが揃う。豊島五丁目団地バス停から、赤羽駅、王子駅、池袋駅まで乗り換えなしでバスでアクセスできる利便性も人気の理由。高齢者向け住宅(約240戸)を含め、1DKから3DKまでさまざまな間取りがあり、家族構成や生活スタイルに合わせて選べる。

豊島五丁目団地の写真

豊明(とよあけ)団地

愛知県豊明市二村台5-1-1 他
1971(昭和46)年8月~
2,127戸(49棟)1LDK~3K
敷地約16ha

歴史ある緑豊かな自然環境が魅力。敷地中央には野球やグランドゴルフができるグラウンドを備えた唐竹公園があり、公園を囲むように住棟が建つ。豊明市、藤田医科大学、豊明団地自治会、URが連携して地域包括ケアに取り組むなど、健康に明るく暮らせる体制づくりにも力を入れている。団地内にスイミングスクールもある。最寄駅は名鉄名古屋本線の前後(ぜんご)駅。

豊明(とよあけ)団地の写真

西長堀団地

大阪府大阪市西区北堀江4-2-40
1958(昭和33)年12月~
258戸(1棟)1R~2LDK
敷地約0.36ha

関西初の公団高層住宅として脚光を浴び、多くの著名人が入居していたことでも知られる団地。全長100mほどの外壁に、縦長のスリット窓を設けたファサードなど、当時の面影を残しながら、時代に合わせてアップデート。ヴィンテージな空間をリノベーションした2タイプの部屋も話題に。最寄駅はOsaka Metro千日前線・長堀鶴見緑地線の西長堀駅。

西長堀団地の写真

団地の歩みが一目瞭然

「URまちとくらしのミュージアム」

奥がミュージアム棟。手前は初期の団地にあった、各階に3つの住戸が放射状に配置されたポイント型住棟(スターハウス)。2019年、国の登録有形文化財(建造物)に登録された。

赤羽台団地(東京都北区)の建て替えによって整備された「ヌーヴェル赤羽台」。その一角にある「URまちとくらしのミュージアム」では、集合住宅の歴史がわかりやすく紹介されている。建築家・前川國男の設計で1958年に完成した晴海高層アパート住戸や、進化する団地の建設・設計部品などが見学できる。

【青木登、菅野健児=撮影】

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