街に、ルネッサンス UR都市機構

「希望」が見えてきたまちへ(UR災害復興支援の取り組み)

URPRESS 2018 vol.49 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

UR災害復興支援の取り組み
災害からの復旧・復興を各地で全力サポート!

阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災と復興支援に取り組んできたUR都市機構。
これまでの経験やノウハウを生かし、災害からの復旧・復興に取り組む自治体と連携し、復興を支援している。

糸魚川駅と日本海の間に広がる被災エリア。建物の基礎の撤去作業は夏までに終了予定。
道路を拡幅し、「居住」「にぎわい」「商業飲食」の3つのエリアに分けて復興を進める計画だ。

新潟県糸魚川(いといがわ)市

宿場町の風情を残す日本海に面したまち、糸魚川。その中心市街地で大規模な火災が起きたのは昨年12月22日、フェーン現象で気温が20度近くまで上がり、強い南風が吹く日だった。火災現場が昔ながらの雁木(がんぎ)造りの商店街や木造住宅の密集地域だったこともあり、飛び火と延焼で被害が拡大。近隣自治体の消防や消防団の応援も受けての懸命の消火活動にもかかわらず、焼失は4ヘクタール、147棟に及んだ。

国土交通省の要請を受けて鎮火後いち早く現地に入ったUR都市機構は、2月からは職員を糸魚川市に派遣して支援。(1)災害に強いまち、(2)賑わいのあるまち、(3)住み続けられるまち、という3本柱を掲げ、復興まちづくりの計画作成に取り組む市をサポートしている。

米田徹糸魚川市長は、人口減少、高齢化、商店街の活性化といった被災前からの課題もあり、長い目で見たまちづくり計画が必要と話す。UR都市機構へ「多くの課題や困難が予想されるなか、専門知識と経験のある人材による体制整備が不可欠なので、ぜひご尽力いただきたい」と期待を寄せた。

それを受けてUR都市機構理事長 中島正弘は、「市だけで抱えるには負担が大きすぎる仕事なので、URの総力を挙げて糸魚川市の復興に一緒に取り組んでいきます」と力強く応えた。

UR都市機構から市に出向している産業部復興推進課参事の太田亘は、阪神・淡路大震災、東日本大震災の復興支援を経験したエキスパート。

糸魚川に来る前は岩手の震災復興に携わっていた。まち全体が津波にのみ込まれた東北の沿岸市町村と異なり、糸魚川の被災地はまちなかの一部分。すぐに再建したい被災者もいれば、じっくり取り組みたい人もいる。
「個別の要望に応えながら、まち全体の計画を進める難しさがありますが、市の将来を見据えて、焼失した4ヘクタールだけでなく周辺部も含めた17ヘクタールのまちづくりを計画中です」

と語る太田は、市が一丸となってまちづくりに取り組むための雰囲気づくりも自身の役目だと感じている。そんな太田の存在が心強いと、市産業部復興推進課の斉藤孝課長は言う。
「復興まちづくりに関してはさまざまな意見が出てきますが、太田さんは一人ひとりの話を丁寧に聞きつつ、まとめあげていくのがとても上手。復興の知識もノウハウもあり、他の課のメンバーも含め大変心強く、太田さんから勇気をもらっています」

復興推進課に着任以来、息つく暇がないほど多忙な斉藤課長の心のよりどころは、2月に生まれたお孫さんの存在。
「孫が大きくなった時に、うちのじいさんがこのまちづくりにかかわったんだよ、いいまちにしてくれたなと言ってもらえるような仕事をしていきたいと思っています」

未来を担う世代を見据えての糸魚川のまちづくり。それをUR都市機構も全力でサポートしている。

復興まちづくりを牽引する市の復興推進課。奥が斉藤課長、右奥がUR都市機構から出向している太田。
糸魚川市消防本部の近喰(こんじき)正夫氏の案内で現場を見て歩く。火柱は3階建てのビルより高く上がり、強風で火が120mも飛んだという。
3月21日に糸魚川市とUR都市機構で「糸魚川市駅北復興まちづくりの推進に向けた覚書」が交わされた。

岩手県 岩泉(いわいずみ)町

「岩泉町における復旧・復興まちづくりの推進に向けた覚書」を2017年3月16日に交換

昨年8月30日の「平成28年台風10号」の豪雨による河川の氾濫、土砂崩れで、死者22名を含む甚大な被害を受けた岩泉町。インフラの復旧工事と復興まちづくりに向けての膨大な事業に、町と、復興まちづくりのノウハウ・技術力をもつUR都市機構、自治体における多くの発注者支援業務や複数の工事間マネジメント実績を有するURリンケージの三者でスクラムを組んで挑む。

中島正弘UR都市機構理事長(左)、伊達勝身岩泉町長(中央)、渡邊輝明URリンケージ代表取締役(右)。
小本(おもと)川の氾濫により、高齢者福祉施設など流域で大きな被害が出た。
©国土地理院

熊本県 「平成28年熊本地震における災害公営住宅の整備に係る基本協定」

宇城(うき)市

2017年2月23日に締結
守田憲史宇城市長(左)、内山省吾UR都市機構九州支社長(右)。

御船(みふね)町

2017年3月22日に締結
藤木正幸御船町長(左)、内山省吾UR都市機構九州支社長(右)。

昨年4月、震度7クラスの大きな揺れが続いた「平成28年熊本地震」。家屋倒壊や土砂崩れによる被害が大きく、住宅全壊は8,600棟、半壊は33,400軒を超え、直接の死者50名、関連死200名を超える大災害に至った。

地震直後から熊本県に入り、被災者への住戸の提供やさまざまな技術支援をしてきたUR都市機構は、今年2月に県内の宇城市と、3月に御船町と「平成28 年熊本地震における災害公営住宅の整備に係る基本協定」を締結。東日本大震災後、約5,900戸の災害公営住宅を整備した実績を踏まえ、迅速な復興に向けて支援を行っている。

地震後の宇城市。自力再建が難しい被災者に提供する災害公営住宅を100戸建設予定。
写真提供/宇城市
建設候補地のひとつ、宇城市豊野町の市有地。地域特性や高齢者にも配慮した住宅を建設する計画だ。

【妹尾和子=文、青木登=撮影】

宮城県 石巻市

石巻市の南側に広がる新門脇地区では、復興公営住宅がすべて完成し、宅地と道路もほぼ完成を迎えた3月、新たなまちのお披露目が行われた。

宮城県 塩竈(しおがま)市

「災害公営住宅の整備に係る基本協定」に加え、「コミュニティー形成と地域の支え合い活動の推進に関する協力協定」も結び、安心して暮らせる環境づくりを共に進めてきたUR都市機構と塩竈市。担当する最後の災害公営住宅が完成し、節目となる日がやってきた。

宮城県 南三陸町

高台の住宅地の完成、そしてさんさん商店街の移転オープン。この春、南三陸町の復興まちづくりは、新たな幕を開けた。

岩手県 陸前高田市

2月、俳優・村上弘明さんが、テレビ番組の収録で、震災から6年たった故郷・陸前高田を訪れた。地震と津波で壊滅的な被害を受けた陸前高田。そこで進む復興まちづくりを支える人々に、笑顔があった。

復興インタビュー

震災直後から故郷・陸前高田をはじめ東北地方を訪れ、被災した人々に寄り添った活動を続けている村上弘明さん。6年間、復興を見つめてきたから、見えてきた希望があると語ります。

福島県 いわき市

この春、いわき市は明るいニュースに包まれた。まっさらな造成地を彩る復興祈願のツツジが鎌倉から届いたのだ。

Before&After 2011→2017

大震災から6年。復興の槌音は、確実な響きとなって被災地にこだましています。新たなまちづくりが進む東北3県のなかで、今回、本誌で紹介した6つの地区の、6年前と今の姿を写真でお届けします。

AKB48「誰かのために」プロジェクト 東北復興支援

宮城県山元町、岩手県岩泉町、福島県広野町

復興支援MAP

UR都市機構が取り組む復興支援MAP2017

UR災害復興支援の取り組み

阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災と復興支援に取り組んできたUR都市機構。これまでの経験やノウハウを生かし、災害からの復旧・復興に取り組む自治体と連携し、復興を支援している。

団地で楽しく防災を考える

災害に備える知識を学ぶワークショップや被災時に住まいとなるテントに泊まる体験など団地を舞台に「もしも」のときについて学び、体験する催しが大好評だ。

UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

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