街に、ルネッサンス UR都市機構

岩手県 宮古市

URPRESS 2019 vol.57 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


安心・安全で暮らしやすいまち。
環状交差点「ラウンドアバウト」がシンボルに

天然の良港・宮古湾を擁する、鍬ヶ崎・光岸地地区。
この3月、約5年半にわたる土地区画整理事業が全て完了。
まちの人の声を活かした、安心・安全な新しいまちに生まれ変わった。

新たなまちのシンボルとなったラウンドアバウト。信号機を必要としないため、渋滞を回避し、停電時でも円滑に通行できるなどの利点がある。

信号なし、渋滞なしの交差点をもつ幹線道路

宮古市街地から景勝地の浄土ヶ浜へつながる幹線道路。道路右の海側は水産加工場などが並ぶ産業エリア、左側は商店などが建つエリアと区分されている。
UR宮古復興支援事務所の三上純一。ニュータウン建設などを歴任し、2017年4月に赴任。「通常から考えると2倍くらいのスピード感のある仕事で、大きなやりがいを感じました」

4方向からの道路が交わる中心にあるドーナツ状の交差点を、くるくると回りながら車が通っていく。復興が進む宮古市鍬ヶ崎(くわがさき)・光岸地(こうがんじ)地区の新たなシンボルとなっているのが、「ラウンドアバウト」と呼ばれる環状交差点だ。ヨーロッパなどでよく見かけるこの交差点のメリットは、信号がなく、車が停車することがないため渋滞がおこらず、災害時などの停電でも交通を妨げないこと。交差点に入った車は一方通行でゆっくり回り、出会い頭の事故を防ぐ役目もある。岩手県では初という珍しさに、遠方から見に来る人もいるほどだ。
宮古湾に沿うように細長く伸びる鍬ヶ崎・光岸地地区は、江戸時代には三陸の海産物の交易や海上交通の要衝として繁栄。戦後は、サンマ漁船が全国から集まる漁港として大いににぎわった歴史あるまちだ。東日本大震災からの復興に向けて、URは2012(平成24)年に宮古市と復興事業推進協力協定を締結。土地の嵩上げや道路、公園といった公共施設の整備改善など、安心・安全なまちの整備のために尽力してきた。
新しいまちでは、まず宮古市の中心市街地と景勝地として有名な浄土ヶ浜とをつなぐメイン道路を17メートルに拡幅。その目玉として設置されたのが、前述のラウンドアバウトだ。その道路を境にして、海側は水産加工場や保冷施設などの産業エリアに。陸側には商店や生活利便施設を配した商業エリアに整備。住宅は安全な山側へ集め、高台への避難路となる区画道路も設けるなど、暮らしやすさと防災の両面に配慮したまちに生まれ変わった。
「今回の工事では、山側などに残った家の方々の生活を維持しながら、全体の工事をいかに円滑に進めていくかが課題となりました。道路の拡幅などをするにも、先に移転先を整備してから住居を移していただくなど、段階的に工事を行いました。無事に整備終了の日を迎えられたのも、住民の皆様のご協力があってこそです」と、URで事業を担当した三上純一は工事の難しさを振り返る。最後の公園整備を終え、この3月には当地区での事業が完了。山本正德宮古市長から「新たなまちづくりが進んだのは、URの豊富な知識や経験、ノウハウがあったからこそ」と感謝状が贈られた。

住民の声を活かした歴史を感じるまちに

「おくまんさま」としてまちの人々に親しまれている熊野神社。1600年代からの記録が残る由緒ある神社で、現在の社殿は1852年に再建された。
本州最東端の魚市場である宮古市魚市場がある出崎埠頭。タラやサンマをはじめ四季折々の魚の水揚げがある。

新しいまちをつくるにあたっては、住民の要望が大きく取り入れられた。そうした住民とUR、市との橋渡し役として奔走したのが、鍬ヶ崎区画整理審議会の古館昌三会長だ。
「私たちの願いは、まず防潮堤をつくること。そして、降水時に道路に水が溢れないように川幅を広くしてほしい。さらに、狭くて一方通行が多かった道路を使いやすくしてほしいの3点でした」
その要望を受け、曲がりくねっていた道路を直線にし、対面通行にして広い歩道もつけた。また細く曲がった河川を一部地中化や直線化して拡幅。その成果もあって、2016年に当地を襲った台風10号の被害も免れることができた。
歴史あるまちの面影を残すための工夫も、至る所で見られる。
「まちの守り神でもある熊野神社の参道は、そのまま活かして拡幅しました。また、公園はお祭りなどの集まりでも使いやすいよう、スペースを広く確保。公園のあしらいには道路整備をしたときに出てきた岩を活かし、まちの歴史が感じられるデザインにしています」とURの三上が説明する。
「URの方々とは密に連絡をとり合い、細やかに対処していただきました。そのかいあって、私たちが希望したようなまちができました。新しい公園は遊具もあり、近隣の方々やお子さんもとても楽しみにしています。今後は、この新しいまちに、多くの人が帰ってきてくれればうれしいですね」と古館さん。生まれ変わったまちに、新たな歴史がまた1つずつ刻まれていく。

3月14日、事業完了の報告を受け、山本正德宮古市長(右)からUR岩手震災復興支援本部本部長の栗原徹(左)へと感謝状が贈呈された。
鍬ヶ崎区画整理審議会会長を務めた古館昌三さん(右)は、大正2年創業の鯛屋商店店主。震災後の2011年8月に店を再開。現在は息子の慶樹さん(左)、奥様の3人で店を切り盛りしている。

阿部民子=文、菅野健児=撮影

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