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プロが指南!防災グッズの新常識(8)

URPRESS 2019 vol.57 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


単身世帯の防災対策
けがをしない事前の対策と救助を呼ぶ準備が肝要

平成の30年間で「単身世帯」が増えています。平成元年、単身世帯は約20%でしたが、平成29年時点で約27%。災害直後に頼れるのは自分のみという単身世帯の防災対策を考えました。
(出典:厚生労働省・国民生活基礎調査の概況:平成29年版)

閉じ込められる可能性がある部屋に、笛・軍手・簡易トイレ・非常食などをセットにした小箱などを設置しておくと、最悪の場合に役立ちます。エレベーターなどに置かれている救急ボックスのようなイメージです。

室内への閉じ込めに備えて、
スマートフォンや笛を常備

単身世帯は「室内への閉じ込め」にも注意が必要です。地震で玄関ドアが歪んで開けられなくなることも多く、トイレや寝室のドアが外開きの場合は、小物の転倒や荷物の落下程度でもドアがつかえて開かなくなる可能性があります。
この状況で火災や津波が発生すると危険です。スマートフォンを常備したり、部屋に100円ショップでも購入できる笛を置くなどして、いつでも外部に助けを呼べるようにしておきましょう。

“分担できない”物資の受け取りに備えて防災備蓄を

さらに単身世帯では、“役割を分担できない”という問題があります。飲料水と食事を分担して受け取る、交代しながら物資の受け取り行列に並ぶなど、特に物を受け取る作業が困難になります。そのため非常用トイレ・飲料水・食料・日用品などの備蓄を多めに用意しておくことをおすすめします。

大地震による負傷を回避する

事前の準備がそのまま生死につながる地震対策。特に単身者は、災害で負傷して身動きがとれなくなると、助けを呼ぶことが難しくなるため、家具の転倒、家電の移動、重量物の落下、ガラスの飛散などを防ぐ対策を徹底し、まず大地震直後の身の安全を確保することが重要です。

プロフィール

たかにともや

「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、自身が運営するWebサイト、各種メディアやセミナーを通じて防災を解説するフリーのアドバイザー。

【高荷 智也(ソナエルワークス代表)=文・写真】

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