街に、ルネッサンス UR都市機構

防災、待ったなし!(4)

URPRESS 2020 vol.63 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


豊かになった非常食の世界
目的に合わせた選択を

かつては「非常食」=「乾パン」という時代もありましたが、令和の昨今では賞味期限・おいしさ・機能性など、さまざまな方向で非常食は進化を遂げています。家族構成や立地によっても必要なものは変わります。ここで非常食を見直しましょう。

1.行動食(1日分程度)

通勤・通学など外出先で被災した場合や避難行動時に、素早くカロリー補給をするための非常食です。菓子類・栄養補助食品が該当しますが、おすすめは「ようかん」。高カロリーで、乱暴に扱っても砕けない耐衝撃性、夏場でも溶けない対高熱性に優れています。家庭用の防災リュックに入れるなら、飲料水代わりにもなる「ゼリー飲料」などもおすすめです。

2.避難食(3日分程度)

避難所や車中泊など、屋外で避難中に、調理なしで食べられる簡易な非常食です。選ぶポイントは「調理不要・常温で食べられる」ことで、食器も不要だとさらに便利です。「乾パン」はこの避難食に該当しますが、固くて食べづらい場合は「パンの缶詰」などがおすすめです。なお避難所へ持って行く際は、においの強いものは避けましょう。

「パンの缶詰」は幼児から高齢者まで常温でそのまま食べられる。

3.備蓄食(1・2あわせて7日分程度)

停電や断水しているときに、簡易調理で摂れる食事です。避難所へ持って行くほか、自宅で過ごす「在宅避難」時にも活躍します。火を使わない加熱剤入りの食事セット、25年長期保存のフリーズドライ雑炊、アレルギー品目不使用のご飯、普段のおかずとしても食べたい味にこだわった長期保存惣菜など、さまざまな備蓄食がありますので、家族の好みに合わせて選びましょう。すべてリュックに入れると管理が難しくなるため、「古いモノから食べ、都度補充する」日常備蓄で準備するのがおすすめです。

外出が多ければ「1.行動食」、自宅が津波や洪水の想定地域にある場合は「2.避難食」を増やし、逆に自宅の周囲に危険が少ない場合は「3.備蓄食」を増やすなど、必要なシーンに合わせて量を増減させるといいでしょう。

日持ちする食品を多めに持ち、食べながら入れ替える「日常備蓄」。

プロフィール

たかにともや

「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、自身が運営するWebサイト、各種メディアやセミナーを通じて防災を解説するフリーのアドバイザー。

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【高荷 智也(ソナエルワークス代表)=文・写真】

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