京女×UR 団地リノベーションプロジェクト
プロジェクト概要
UR都市機構と京都女子大学は、2013年より洛西ニュータウン内の団地において、同大学の家政学部・生活造形学科・井上えり子教授による指導のもと、大学生が創造する住戸リノベーションプロジェクトに取り組んでいます。
洛西ニュータウン内では、UR都市機構が6団地・3,052戸の住宅を管理しています。最初の入居開始から40年以上が経過し、熟成されたコミュニティが形成され、住民の世代交代も少しづつ始まっています。ライフスタイルの多様化に伴うニーズに応えるための試みとして、UR都市機構では、京都女子大学と協同で、若者の柔軟な発想を起点とした住戸リノベーションを推進しています。
プロジェクトはリノベーション対象となる団地を選定し、プランの選考会を経て、受賞作品を実際の住戸へのリノベーションとして施工してきました。これまでに2013年、2015年、2017年、2019年に設計コンペを実施し、18プラン、合計90戸のリノベーションが完成しています。そして2022年、洛西福西公園団地を対象に最新のプロジェクトが進行しています。
リノベーションのプラン
STYLE2022
プロジェクト発足から10年を迎える節目となる今回、リノベーションの対象団地として初めて洛西福西公園団地が選ばれました。設計コンペを経て26作品のうち、2作品について、実際に設計・施工を行い、住戸が完成しました。
STYLE2019
リノベーション住戸3プランに加え、新たなアプローチとしてインテリアコーディネート住戸1プランを募り、『STYLE2019』と名付け計4プランの供給を目指し実施されました。
STYLE 2017
STYLE2017では「洛西新林団地」で初めてリノベーションを実施。設計コンペでは2つの設計プランが受賞しました。
STYLE2015
STYLE2015では、洛西新林北団地・洛西竹の里団地を対象に、4つのリノベーションプランが受賞し、実施されました。「光」「風」「色」…「団地のこれから」「団地の未来」を見つめました。
STYLE2013
「若い世代に受け入れられるこれからの団地を作る」「自由な発想で団地の未来を考える」というテーマのもと、2013年にプロジェクトが動き出しました。同年に8つのプランが受賞し、住戸リノベーションが実現しました。2014年には「2nd Season」として、アレンジを加えたリノベーションも展開しました。
指導教授からのメッセージ
団地は、現在の若者にとっては、「昭和っぽい」という言葉で表現される、ちょっと古めかしい存在になっています。
けれども実際に訪れ、その緑の多さやゆったりした共用空間を体感してみると、時間を積み重ねたものの良さがわかります。
町家と同様、いったん失えば二度と新しくはつくれないような貴重な住環境です。
ところで、リノベーションという手法は、団地の良さを残しつつ、内部は新しくできるという良さがあります。
急激な変化を望まない京都には、向いている手法とも言えます。
すでにちょっと歴史めいた感のある「団地」という空間に、学生たちが挿入した新しい空間のアクセントをお楽しみください。