URは大火からの速やかな復興と、未来のまちづくりを支援
新潟県糸魚川市
2016(平成28)年12月22日に発生した糸魚川市駅北大火は、被災者状況145世帯、260人、消失面積約4万㎡にも及びました。URは国の要請にもとづき、被災直後にいち早く現場に入り、早期復興に向けた取り組みを支援してきました。
具体的には、
(1)災害復興の経験を活かした市の計画策定支援
(2)事業経験に基づく最適な事業スキームの提案と技術的支援
(3)被災前からの課題であったにぎわい創出に向けた支援。
以上3つの役割を担い、現在も活動を続けています。
糸魚川市駅北大火の復興の向こうへ
日経 地方創生フォーラムより
糸魚川市長 米田 徹氏
鎮火まで約30時間。まるで戦災を受けたようなまちの姿を見て、どこから手をつければよいのかと、不安にさいなまれたことを覚えています。
3日後の12月25日、道路上のガレキが撤去され、車両の通行が可能になり、2カ月後には、建物基礎部を残して地上部分のガレキの撤去が終わりました。17年2月1日、国交省、URのご支援を受け、復興推進課を立ち上げ、8月22日には「糸魚川市駅北復興まちづくり計画」を策定することができました。
情報不足は一番被災者を不安にさせます。そこで私どもは火事の5日後に全員説明会を開き、それから毎月定例の説明会を設けて、被災者への情報提供に努めてきました。計画をオープンにすることで、被災者と市民が今後の対応を共有することができるようにするためです。
17年10月には、被災地に残っていた基礎部分の撤去と用地測量を終え、大火から2年後の昨年12月には、市道の拡幅と40棟の住宅、事業所と、耐震性大型防火水槽が完成しました。
これほど短期間にまちづくりが進められたのは、国、県、URからの支援、それにたくさんのボランティアや応援のおかげです。
糸魚川市の復興まちづくり計画は、(1)災害に強いまち (2)にぎわいのあるまち (3)住み続けられるまちの3つの柱からなります。特に失われつつあった市街地のにぎわいを取り戻すことは今後の大きなテーマで、まさにいま、仏に魂を込める段階にあると思っています。
にぎわいづくりに向けた柱は3つです。(1)リノベーションまちづくりでは、新しい発想で空き家や空き地を活用し、リノベーションスクールを開いて、面白い人たちの化学変化に期待しています。(2)にぎわい創出広場の整備では、全天候型の広場に市民が集うきっかけの場づくりを行っています。(3)にぎわい拠点施設の整備は、子育て支援施設などへの集客を周辺の消費に波及させることが目的です。この3つの柱を連動させて進めていきます。
いま、大火から立ち上がるまちの中に、少しずつ明るい兆しが見えてきました。空き物件のリノベーションや復興マルシェの開催をはじめ、若者を中心とした団体が生まれ、活動を開始したことも心強い限りです。そしてこの被災地の復興の取り組みを、市内全体へ広げ、地域内の連携や愛郷心を育てることなどにつなげていきたいと考えています。
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