街に、ルネッサンス UR都市機構

事前防災の取り組み

URPRESS 2018 vol.55 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]


ノウハウを活かし、事前防災を支援
事前防災の取り組み

事前防災とは、読んで字のごとしで、想定される災害の被害を最小限に抑えるため、事前に対策を講じること。
今後、巨大地震の発生が懸念されている自治体では、事前防災への取り組みを進めている。
URはこれまでの災害復興などで蓄積されたノウハウを活かすべく、自治体の事前防災の支援に取り組み始めた。

和歌山県海南市で防災拠点整備を支援

和歌山県の和歌浦湾に面した海南市。晴れた日には淡路島や四国を望むこのまちも、南海トラフ巨大地震が発生した場合、沿岸部をはじめ中心市街地エリアでは、津波による浸水被害や多くの家屋倒壊等が想定され、こうした大規模災害に備えるため、防災関係機関の活動拠点や仮設住宅用地などの事前防災が急務となっている。

このような中、海南市では、IC隣接の総合体育館、高台移転した市役所に加え、市街地に近接する中央公園を防災公園として拡充整備することで、災害時に有効に機能する地域防災拠点を構築しようと取り組みを進めている。

URでは市を支援し、防災関係機関の活動拠点や応急仮設住宅用地に活用できる防災公園としての拡充整備だけでなく、既存の公園エリアも含めた公園全体の複合的な再整備を目標に、公園の優れたロケーションを活かした魅力と賑わい、集客力のある公園づくりを進めている。

なお、国が行っている海岸保全施設整備事業で津波防波堤・水門の整備及び護岸の嵩上が2023年度の完成を目指して進められており、完成後は津波の浸水想定域の大幅な減少、浸水深の大幅な低下が見込まれることから、中心市街地エリアと拡充整備された公園を含むエリアが一体となって支えあう相乗効果によって、豊かな自然や伝統文化に恵まれたまちづくりの取り組みが今後更に高まりそうだ。

津波防災まちづくりの推進を支援
徳島県美波町と協定を締結

2018(平成30)年3月20日、徳島県美波町とURは、南海トラフ巨大地震に備えた津波防災まちづくりを推進するための協力協定を結んだ。

美波町は、徳島県南部に位置し、アカウミガメの産卵地として有名な大浜海岸やリアス式の海岸が広がる風光明媚なまち。一方で、過去に大きな津波被害を度々受けており、町内には、正平南海地震津波(1361年)の犠牲者の供養碑で日本最古の地震津波碑といわれる「康暦(こうりゃく)の碑」が残っている。

南海トラフを震源とする巨大地震が近い将来、高い確率で発生すると予測されるなか、美波町にはこの地震によって最大20メートルを超える津波が押し寄せると予想されている。

それを受けて美波町では、津波に強いまちづくりに向けたさまざまな取り組みを行っていて、その一環として公共公益施設の高台移転や、大災害時に必要となる避難場所や防災拠点、応急仮設住宅利用などを想定した防災公園の整備が進められている。URはこれらへの技術的支援を行うとともに、津波防災まちづくりを進めるための具体的な方策を探っている。

今年3月に行われた締結式。写真左は美波町の影治信良町長、右はUR西日本支社長の西村志郎(当時)。

「ぼうさいこくたい2018」開催
一人ひとりが防災意識を高める

10月13、14日の2日間にわたり、東京ビッグサイト(東京都)を会場に「ぼうさいこくたい2018」が開催された。

「ぼうさいこくたい」とは、家族連れから専門家まで幅広い方が防災を学ぶことができ、一人ひとりが防災の意識を高めることで災害の被害を抑えることを目的としたイベントで、内閣府などの主催により今年で3回目の開催となる。今回、URも初めて参加した。

10月13日のオープニングセッションは、東京ビッグサイト国際会議場で行われ、冒頭に山本順三内閣府防災担当大臣から開会宣言がなされたのち、ファシリテータとして東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター長・教授の田中 淳氏が登壇。広域大規模災害では産官学が連携したオールジャパンでの対応が不可欠であり、そのために事前の段階から十分な連携・協働体制を構築しておくことの必要性を訴えた。

これを受け、「みんなの連携の輪を地域で強くする」をテーマに、呉市長の新原芳明氏をはじめとするパネリストによる「ハイレベル・ディスカッション」が行われた。

URからは副理事長の石渡廣一が登壇。URの震災復興支援事業、密集市街地整備事業の事例などを通じて考える連携の在り方について発表した。

壇上では、地域が抱える災害のリスクについて共通理解をもつことの大切さや、平時から対話の機会を増やし地域の人々同士の信頼関係を築くこと、異なる分野や組織の間でつながりをもつことなど、みんなの連携の輪を強くするためになすべきことについて、活発な意見が交わされた。

午後にはURの職員による「災害に強いまちづくり」と題したセッションを実施。これまでURが行ってきた復旧・復興支援の概要や事前防災の取り組みのほか、東日本大震災からの復興で被災自治体と連携した具体的事例について女川町などを例にとって説明。URのこれまでの経験が、今後の防災・連携にどう活用できるのかを議論した。

また、大会の2日間、そなエリア(東京臨海広域防災公園)では、防災に関する展示や屋外イベントも行われ、たくさんの来場者でにぎわった。

10月13日に行われた「ハイレベル・ディスカッション」(上)と、UR職員による「災害に強いまちづくり」をテーマにしたセッション(下)。
「そなエリア」では、防災に関する屋外イベントも開催。

武田 ちよこ=文

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