街に、ルネッサンス UR都市機構

URから大学、そして次世代を支える皆さんに受け継ぐ

「実学尊重」「技術は人なり」「学生・生徒主役」を学園の教育・研究理念として掲げ、2007年に学園創立100周年宣言を行った東京電機大学が、1990年の千葉ニュータウンキャンパスに続き、学園創立100周年記念事業の中核事業として、2012年4月、東京千住キャンパスを開設します。

この事業推進にご尽力された新キャンパス創設本部長の射場本忠彦教授にキャンパス創設にかけた思いと今後の若い世代に期待することをお伺いしながら、新キャンパスをご案内していただきます。

東京電機大学大学院で講義する射場本教授
【2011年12月】>
射場本教授と東京電機大学大学院生の皆さん
(前列中央が射場本教授)【2011年12月】

東京電機大学未来科学部建築学科教授 新キャンパス創設本部長 工学博士 射場本 忠彦氏

1972年 北海道大学工学部卒業
1977年 東京大学大学院工学系研究科・博士課程修了
1979~84年 東京電力株式会社
1984年 東京電機大学工学部建築学科講師
1991年 同教授
2006年 改組により未来科学部建築学科に変更
現在に至る。
その間、学生部次長・部長、建設技術研究所所長、工学部第一部長、理事を歴任し、現在常務理事(新キャンパス創設本部長)。
この他、2004~2007年北海道大学大学院客員教授、2008~2010年空気調和・衛生工学会会長、2006~IEA(世界エネルギー機関)蓄熱実施協定・執行委員会(日本代表)も務める。

【専門分野】
建築環境工学の中の熱環境/建築設備

東京千住キャンパスをご案内していただく前に、2011年12月7日、東京神田キャンパスの射場本研究室(建築熱環境・省エネルギー研究室)の皆さんが出席する大学院の授業を訪問しました。

研究者、そして教育者として

UR
射場本先生、研究室での研究内容を教えていただけますか。
先生
簡単に言うと「建築物の省エネルギー」です。その中でも、熱をためる蓄熱を軸足にして、さまざまな省エネルギーを考えることが研究室のテーマです。対象はオフィスビルが中心です。
今日の午前中は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委員会がありました。この委員会は、次世代ヒートポンプを使った省CO2 省エネルギーの検討委員会で、その研究の一部を私の研究室で行っています。私が代表者ですが、准教授などにも手伝わせて、3年間(昨年から来年)ということで、地域の熱供給に関する研究をしています。ここにいる学生諸君の何人かも、これに関わっていて修士論文を書いています。
UR
研究室は、昭和59年の創設とお聞きしました。もう27年ですね。歴史を感じます。第4期生の方で工学博士号取得者を輩出されていますが、研究室から博士号を取られたのは何名ぐらいいらっしゃるのでしょうか。
先生
何人でしょうか。覚えてもいないって言ったら怒られるけど(笑)。最初に輩出したのは、企業に勤めながら大学院に通っていた者、他には先程の准教授や設計事務所に行きながら取った者や、13年間大学に在籍していた者もいます。合計5名です(他に他大学の博士課程院生を1名指導)。

~大学教授は屋台の…!?~

UR
教員になられたきっかけは何でしょうか。
先生
昔の大学の教員は暇でした。たまたま私の父親もそうだったのですが暢気なものでした。今は、そうはいかないのが実情です。大学教授は、屋台の親父さんと同じです。屋台の親父さんは、社長業から便所掃除まで自分で何でもやりますね。そして、さらに言うと学生を食べさせなくていけない。就職もさせなきゃいけない。これを全部やらなくてはならないので大変です。食べさせるには稼いでこなくてはならない。つまり研究費の獲得です。勿論、学生はアルバイトもしなくてはならないから、アルバイトをするのであればちゃんと勉強になるアルバイトをしなさいということになると、それも用意しなくてはならない。常に走り続けている感じです。
私は、教員になろうというよりは、研究者になろうという思いが強かったので、一度、寄り道をしています。ドクター(博士課程)を終えて、東京周辺で大学の就職口がなかったので就職浪人で研究生をしていたのですが、私の先生の勧めもあって東京電力に入社しました。最初の1年間は、当時の省エネルギーのはしりで、電気をつくるというよりは、需要者側に立って、こういう使い方をすると電力がお得になりますよというプログラム作りをしていました。
1年が過ぎ、訓練期間が終わったところで、研究所に配置換えになりました。そこで、氷蓄熱というものを始めたのです。これはいまだに、先程のNEDOの研究にも一部活きています。幸い、その蓄熱が今回の東日本大震災でも役に立ちました。蓄熱システムが入っていたために、節電しなくて済んだというところがたくさんあるのです。晴海トリトンがそうです。晴海トリトンの地域熱供給は、(氷ではなく水蓄熱ですが、)震災後の昼間の電力不足が懸念されている時期にも、蓄熱を利用して、9割は夜間の運転で地域の冷房ができたのです。
UR
空気調和・衛生工学会特別賞十年賞(注)の審査を受けたそうですが。
先生
省エネルギー分野は、10年間正しく維持管理をして所期の目的を果たしているということを、データで見せなくてはなりません。
これほどいろんな建物の熱製造から利用までのエネルギーの計測データを取ったところは晴海トリトンがおそらく世界で一番だと思います。今回は十年賞の審査ですが、継続するというのはものすごく大変なことで、資金がないとできません。データ取りにはお金が掛かります。一昨年からようやく、国が予算を出して計測し始めましたが、アメリカ合衆国エネルギー省(United States Department Of Energy)ですら建物のエネルギーの定点観測は、つい3~4年前に始めたに過ぎません。これだけ「省エネ、省エネ」といっていますが、きちんとしたデータに基づいていないから、ふらふらした議論ばかりになっていると感じています。困ったものです。物価だと、内閣府が毎月の物価を調べるために全国に5、6千人(もっといるかもしれないけど)もの物価Gメンを雇って調査を行っているのですが、エネルギーに関しては何にもないのです。
地味に着実に省エネを実践するというのは、この震災の後にやっと内閣府が動き始めたことです。
UR
千葉ニュータウンキャンパスにも実験施設がありますね。HPでも写真を拝見しました。すばらしい施設ですね。
先生
いろんな種類があり、様々な研究を行っています。今日ここにいる学生も泊り込みで実験をしたりしています

~常に疑問を持て~

UR
さて、本日はどのようなテーマで講義をされるのですか。
先生
環境形成論を講義します。室内の良い環境をどのようにすれば具現化できるかというものです。良い環境とは、ここでは温熱感をベースにしています。それをさかのぼると、人体の暑いとか寒いとは何なのかということから始まります。黒人も白人も赤ん坊もお相撲さんも、ほぼ皮膚温が平均33~34℃です。体温は36度。それをちょっと過ぎると病気ということになる。それぐらい人間はすばらしい自動制御をしています。その中で、暑い、寒いのパラメーターはざっと言うと6つあります。音や光のパラメーターは、耳か目しかないので1つしかありません。それに比べて暑い寒いは複雑なんです。人間側の条件だと着衣量と作業量。これは建築で言う設計条件ですね。そのほかに気温と輻射と気流と湿度があり、この4つが物理要因です。
室温とは何ですか?と聞かれて分かりますか。
UR
正確な定義を即答するのは難しいですね。
先生
学生諸君もほとんど知らなかったのですが、やっと分かってきたのではないかと思います。普段、話をする時に、温度と気温を区分けして話せるかということから始まります。室温って何なの、室温はどうやって測ればいいのということです。これが難しいのです。日が当たれば変わるし、風が吹けば変わります。未だにどのエアコンがいいかというようなことがなかなか決まらないのです。
そのような、室内をいかに省エネルギー的にカンフォタブルに作り上げるかというベーシックな話をするのが今日のテーマです。これが理解できれば、免許皆伝なんですけどね(笑)。
UR
言葉で聞くと分かりやすいテーマですが、実際には奥が深い話なのでしょうね。
先生
非常に奥が深いです。今日のNHKテレビでも冬の暖房のエアコンの節約方法みたいな話をしていました。毎年、マスコミに取り上げられており、それぐらい身近でありながら、実は答えが分からないのです。特に今年は「節電、節電」と言っていますが、例えば、エアコンよりも石油ストーブを使用する方がエネルギー代が安いと思っている。ところが、エアコンの方が安いのです。他にも、先日、テレビ番組で家庭での無駄な電気使用の話題を取り上げていました。ウォシュレットとトイレットペーパーはどちらが安いかというテーマでしたが、ウォシュレットの方が安いそうです。このように、間違った感覚というものはたくさん存在するということです。
UR
いろんなところで解き明かしていただけるとありがたいです。
先生
そうですね。私は、そういうことを雑談で話すことが学生諸君にとって良いことだと思っています。「常に疑問を持て」と言っているわけです。研究のネタはいっぱい転がっています。
UR
ひとつひとつが研究テーマになるということですね。
先生
そういうモットーです。
UR
射場本先生、ありがとうございました。 それでは、本日ご出席の大学院生の方にお話しを伺います。普段の先生はどうでしょうか。皆さんの知っている射場本先生の素顔を教えて下さい。
院生
研究室よりも教員室でいつも忙しく作業なさっているので、会える機会が少ないです。
UR
あまり相手にしてもらえないのですか?
院生
そういうわけではないです。
懇親会の場などではゆっくり話す機会もあります。
UR
先生はお忙しいのですね。もう、皆さんぐらいになると、先生に指導されるというより、自ら研究室の中で研究するということでしょうか。
先生
私もだんだん歳をとってきたので、私と学生の間にもうひとり指導者がいるといいのですが。准教授もいるのですが、その下に助手クラスが欲しいですね。
UR
ところで、UR都市機構は、1955年に設立された日本住宅公団を前身とする独立行政法人です。UR都市機構のことをご存知でしたか。
院生
(11人中7人が挙手。)
URの賃貸住宅なら聞いたことがありますし、テレビCMも見たことがあります。
UR
大学院生の皆様、ありがとうございました

~疑問に思うこと。それがソリューションにつながる!~

UR
最後に、射場本先生から皆さんに期待することをお願いします。
先生
期待するのは、ああでもないこうでもないと自分で疑問に思うことですね。いろんなことについて私はぼやきます。こんなおかしなことを新聞が書いているのかとか思う訳です。疑問に思わないと困るよということです。「こんなこと新聞に書いてある。本当にそうなの?」とかね。そういう眼力をもうちょっと自分で付けてもらいたい。それには鍛錬が必要です。テレビ番組で言われるとそれが正しいと思っている人がまだたくさんいますからね。そうじゃなくて、自分で何が正しいのかを判断する、という癖をつける。そういうことじゃないかと思います。そうすればソリューションができるようになります。
UR
ありがとうございました。
東京電機大学東京千住キャンパス1号館前にて
【2011年12月】

2012年1月11日に竣工式を迎える前の2011年12月16日に東京千住キャンパスをご案内していただきました。

~エコ技術最先端!世界初の取り組みがいっぱい~

UR
いよいよ竣工ですね。
新キャンパスの特徴はどんなところですか。
先生
制震、免震と環境設備でしょう。環境設備については、目標として、CO248%削減を掲げています。何と何をやれば達成できるかと、シミュレーションしています。

<エアフローウィンドウ・自動調光型ブラインド>

いくつか特徴があって、まず見て分かるのは窓、エアフローウィンドウです。二重の窓の間を空気が流れて外へ出るというものです。これは学校建築では世界で初めてだと思います。また、その制御が、学生の数(CO2の量)によって吹込みの通風量が変わるようになっています。さらにブラインドも、太陽の直接光を遮蔽する自動調光型のブラインドを採用しています。

<地中熱利用>

また、再生可能エネルギーの地中熱を利用しています。この仕組みがロッジアの下に入っています。オープンエアー空間なのですが、石の下に敷設したパイプにより冬は床暖房、夏は輻射冷房となります。そして災害時にはビニールカーテンでそこを囲って避難所になる、というコンセプトです。

<縦型連結蓄熱槽>

あと一番の見どころは蓄熱槽でしょうね。縦型連結蓄熱槽を採用しています。これは建物の中ですから、外からは見えませんが、中からはガラス張りで見えます。5段ロケットが2本、3段ロケットが2本あるようなものです。もちろんこれは世界で初めてです。これは熱を蓄えるだけでなく、非常用の水も貯めてあるのです。これを採用することによって、熱源容量が半分になっています。電力の節電ですね。これはまさに、熱と電力節電と防災を全部兼ねているのです。 さらに、教室棟にはトイレが多いので、帰宅難民がここに来れば、トイレが使えます。水は先ほどの縦型蓄熱槽からの重力で送れます。さらにもっと期間が長くなれば、2号館の地下の蓄熱槽からポンプで送れるようにしてあります。非常用発電機でポンプで送れて、トイレは、ヒーターはないけれども、ウォシュレットなら使えます。そして、換気がある。これが売りですね。また、メインの都市下水道が被害を受けるとトイレが流せないですよね。そういう場合には、雨水貯留槽から切り替えて、そこに汚水を貯留します。

<変動微風空調>

それからもう一つは、空調の無駄を省くということ。変動微風空調です。「人がいるところだけ空調します。」というものです。学校では世界初ですが、仕組みは、扇風機ほど強くないですが吹き出し口から人に向かって風速0.4~0.6mの風が吹きます。それが、冷たいドライな空気なのです。ですから、28度でも全然暑くありません。人にふっと吹いて、そのままだと寒いのでふっとやむわけです。そして、足下が冷たくならないようにその吹き出しの空気が次のところへ行くのです。特に、広い教室で人数が少ないとき学生に前においでよと呼ぶんです。そんな時、「後ろは、暗くて暑いぞ」と言えますね(笑)。この空調は実際に、あるオフィスで3年間試験的に導入して使用しましたが、だいたい熱源エネルギーが1割減ります。1割って大きいでしょ。

<情報システムとの連携>

あとは情報システムとの連携です。これは教室の出欠で学生が何人いるぞと把握し、今何人いるから(一人当たり換気量25m3というのがありまして、)何人分の換気で済ませましょうというものです。無駄な換気をやめるということですね。学生がどこにいるかという話を試験的に画像処理で少しやります。ここに人がいるぞ。ここに吹けと。これは例えば、広い空港の待合室とか、航空機が到着すると急に人がいなくなったりするでしょ。そういうときの無駄な空調を省くためにも利用できるわけです。

<冷暖同時発熱>

さらに、暖房装置がないんです。装置が無いというと大げさだけど、基本的には暖房はいらないと思っています。結局、これだけ施設が大きいと冬でも冷房使用が多いんです。そして、冷房すると必ず排熱が出ますから、その排熱で暖房をするというものです。冷と暖同時発熱するのです。そしてそのバッファを蓄熱槽がやるわけです。ただし、勿論、寒いと言う人が出てくるとは思います。そのために、各部屋のぺリカウンターの裏側に電気ヒーターを入れられるスペースとコンセントが用意してあります。

UR
これらの取り組みは先生のご発案ですか。巨大なキャンパスで先生の研究の壮大な実験をしたということでしょうか。
先生
そう言えるでしょう。恐らく、このキャンパスはオープンするといろんなところから多数の見学者が来ると思います。また、新しいものを採用したら、皆その成果がどうなるかデータが欲しいのです。
UR
敷地内の豊かな緑化と最新の環境技術施設・設備を導入し、地球環境にやさしいエコキャンパスの取り組みが、国土交通省にも認められ、国の省CO2モデル事業に選定されましたね。
先生
そうです。向こう3年間のデータ計測をして、それを公表する義務もあります。あとは、様々なエネルギーのデータを含めてデジタルサイネージで見えるようになっているのです。各部屋全部がそうですが、電力が計測できるということは大きな武器です。 結局、無駄なことを減らすということが重要だと思っています。やはり、不便さで我慢させてはいけません。我慢ではなくて、無駄を減らす。例えば、ブラインドで自動制御をやると、嫌だという人は必ずいます。普通ブラインドは上げ下げする時、パタッと羽根が立ってスーと上がる。パタッと羽根が立ってスーと下がる。上げ下げする時にすごく明るさが変わるわけです。これが失敗の元なのです。平らにしておいて、そのままスーといくと、あまり気がつかない。そうすれば不快感がないのです。それから、どういうときにブラインドを動かすかというと、自分の机に日が当たった時で、それ以外はほとんど動かさないんです。ですから、直接光は当たらないけれど、外が見えるような、ぎりぎりの眺望優先制御をやっているのです。キャンパス内のほとんどのブラインドで採用しています。
UR
これだけいろいろな取り組みを採用して、よく工期が間に合いましたね。
先生
そうですね。相当斬新な取り組みをいろいろやっているでしょ。補助金のおかげです。

~作るだけではダメ。継続したデータ収集が重要~

UR
世界初という取り組みがたくさんありますが、完成したら相当の評価を得られますね。
先生
完成するだけではダメです。我々の仕事は、導入して、効果を実証しなくてはならない。オープンしてから、寒いぞ、暑いぞといわれるこれからが大変なのです。
UR
学内の管財部が対応するのでしょうか。
先生
管財部だけではとてもできませんから、最初の1~2年は専門の組織を作って指導し保守点検をします。
このキャンパスでは、7万点ぐらいのデータ取りをします。六本木ヒルズに匹敵するぐらいの点数を収集するのです。ここのデータが学校のリニューアル含め設計資料として公表できるように考えています。
UR
実証実験ができて、データが社会に公開されて活用されて素晴らしいですね。 さて、2期計画の敷地はどんな計画ですか。
先生
詳細を詰めているところです。本当はこの工事と連続でできればよかったのですが。 今回のキャンパスの計画もよくまとまったと思います。大学の一般論としては奇跡に近い。構想から決定まで2ヶ月かかっていないのです。
UR
これまでで一番ご苦労なされたことは何ですか。
先生
最後はまとまって協力していただけましたが、学内調整は大変でした。

~それでは、新キャンパス内をご案内していただきます~

上段左から 1縦型連結蓄熱槽 2竣工間近の東京千住キャンパス 3キャンパスを歩く射場本教授
中段左から 4モザイク・ステンドグラス  5地中熱利用ロッジア 6東京千住キャンパス校舎
下段左から 7射場本教授と聞き手 8キャンパス屋上庭園 9エアフローウィンドウ

<自然エネルギー(地中熱)を利用したオープンエアーで世界初という床冷暖房を備えたロッジア、世界初の縦型連結蓄熱槽、エアフローウィンドウ、眺望優先自動制御機能付ブラインド、製氷機なども設置されている屋上、地元小中学生や足立区長の作品が埋め込まれたモザイク・ステンドグラス、非常用備蓄スペースや人感換気機能・照度調整機能などの付いた教室棟等をご案内いただきました。>

UR
新しくキャンパスができて、地元の方も喜ばれているのでは。
先生
大変喜ばれていると思います。
UR
これからの100年、若い世代に期待するものについてお願いします。
先生
いろんな物事を日常生活の中でウォッチしなきゃだめです。草花ひとつ、昆虫一匹を見てファーブルになる。勉強なんですからそういう観察力を養うことが大事です。新聞だってそうです。新聞記事を鵜呑みにするのではなく、これはおかしいんじゃないのかと思いながら読む。言われるままではなく。自分で咀嚼しなくては。

URへのメッセージ

UR
URに一言お願いします。
先生
URさんは、昔は住宅を入手することが困難な方を対象にしていましたが、今後は、それをグレードアップしたものがあるといいと思います。今の日本では高質なマンションというと、億ションの話ばかりになってしまう。そうではなく、高質であるレベルのところで中堅の人が借りることができて、相応の家賃で住める質の高い、派手というわけではない賃貸住宅があるといいなと思います。
買うのは大変だけど、そこそこの家賃なら払い続けても良いと思う安心して住めるハイグレードの賃貸住宅。民間不動産会社の場合、月何十万もするでしょう。もうちょっと家賃を抑えて、長く住めるものを。
今回の東日本大震災で集合住宅が壊れ、お住まいの方も困っているじゃないですか。賃貸だったら安心して次に引っ越せますね。そういうのが今は少ないですよね。
UR
URの団地再生での取組みを期待していただきたいと思います。
最後に東日本都市再生本部にメッセージをお願いします。
先生
新キャンパス創設にあたり、URさんには、大変お世話になりました。まちづくりには、何といってもURさんのノウハウは必要ですから、足立区さんのような地方公共団体、地元の皆さんともうまく協力していただいて、私たちのような需要者との橋渡し役を今後もぜひお願いしたいと思います。
UR
ありがとうございました。

(注)空気調和・衛生工学会特別賞「十年賞」とは、同学会が平成13年(2001年)より、建築設備を長期間にわたり健全に維持する運用管理技術の発展と振興を図る目的で特に優秀な会員の業績に対して賞を贈って表彰するものです。

【聞き手】総務部総務チームリーダー
齋藤 哲也

History of Project

事業地区名: 千住旭町地区(土地有効利用事業)
平成16年 北千住駅東口周辺まちづくり連絡会発足
平成19年 まちづくり基本協定締結(足立区・JT・UR)
平成20年 補助191号線を区画街路13号線に都市計画変更決定・告示
区画街路12号線都市計画決定・告示
JT跡地に東京電機大学進出決定
東京電機大学・URが所有地の一部を土地交換
平成21年 大学施設の一層の拡充を希望する東京電機大学がUR所有地を取得
平成22年 東京電機大学東京千住キャンパス起工
平成24年 東京電機大学東京千住キャンパス竣工
区画街路第12号線交通開放(予定)

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