街に、ルネッサンス UR都市機構

青木茂先生 講演会を開催

平成26年5月29日(木)15時から東日本都市再生本部会議室(新宿アイランドタワー13階)にて、講演会「リファイニング建築を通して見る人口減少社会における都市再生デザインのあり方」を開催いたしました。

目的

西新宿でもこの10年位で超高層ビルが随分増えましたが、ビルの寿命は60年以上ともいわれています。かたや現在1億2千7百万の人口は45年後には8千700万人を割り込み今より4千万人も人口が減ります。さらに2005年時点では8400万人もいた15歳から65歳までの生産年齢人口が、45年後に4400万人まで落ち込みます。

ざっくり言ってオフィス床は2005年当時の半分強あれば間に合います。このような人口減少時代においては、これまでと違った都市再生の考え方が必要になってきます。

今後のURの都市再生事業の参考にさせていただきたく、今回の講演会を企画いたしました。

講演会概要

今回は講師として、リファイニング建築を提唱され、実践されている 青木茂建築工房主宰 首都大学東京戦略研究センター教授の青木茂先生をお招きしました。

リファイニング建築とは、青木先生が名づけた建物の再生手法で、従来の増改築とは異なり、弱体化した構造躯体の耐震性能を軽量化や増強によって現行のレベルまで向上させるとともに、大胆な意匠の転換や用途変更、設備の一新を行い、このことを繰り返すことによって建築の長寿命化を図る手法です。(商標登録第4981412号)

講演会では、先生のご自宅を含め様々な実例を挙げながら、リファイニング建築についてご説明いただきました。

後半は、身の丈再開発の提唱者であり、昨年まで当本部まちづくり支援部の部長をされていた東京電機大学の遠藤薫先生と青木先生の対談を通して今後の都市再生について考えました。

集合住宅や公共建築に関してのリファイニングや再開発事業への応用など、広くご意見を伺うことができ、大変参考になりました。

講演会会場の様子

講師紹介

青木 茂 氏 首都大学東京特任教授 青木茂建築工房主宰 大連理工大学客員教授 博士(工学)

プロフィール
約25社にわたり、独自に再生建築の定義を確立し「リファイニング建築」という名称で再生建築に取り組んでいる。
「リファイニング建築」は従来行われている「リフォーム」「コンバージョン」「大規模修繕」などとは大きく異なり、建設当時の機能を失いつつある既存建物を再生し有効活用する手法として、単なる短期的な耐震改修のみでなく長期的視点に立ち、新築以上の付加価値を付けて変身させる手法である。
2001年に受賞した日本建築学会・業績賞、2012年2月に受賞した日本建築防災協会耐震改修優秀建築賞貢献者賞理事長賞はその実績が認められたものである。
現在は、首都大学特任教授、大連理工大学客員教授を務め、「リファイニング建築」の考え方を衰退する団地や都市の再生の手法に取り組んだ提案などに積極的に取り組んでいる。

著書に「リファイニングシティ×モンゴル」「公共建築の未来」「住む人のための建てもの再生」「REFINING CITY × SMART CITY」「長寿命建築へ」「団地をリファイニングしよう。」など
    
受賞に日本建築学会賞・業績賞(2001)BELCA賞(2001)JIA環境建築賞(2000)エコビルド賞(2002)グッドデザイン賞特別賞(1999,2010)GREEN GOOD DESIGN AWARD(2009)福岡市都市景観賞を連続受賞(2005,2006)千葉市優秀建築賞(2009)兵庫県知事賞(2010)JFMA賞(2010)日本建築防災協会耐震改修貢献者賞理事長賞(2012)日本建築防災協会耐震改修優秀建築賞(2013)など

1948年 大分県生まれ
1971年 近畿大学九州工学部建築学科卒業
1977年 アオキ建築設計事務所設立
1990年 株式会社青木茂建築工房に組織変更
2007年 首都大学大学院工学系研究科にて博士号取得
2008年 首都大学東京戦略研究センター教授に就任(~'12)
2011年 大連理工大学客員教授に就任
2013年 首都大学東京特任教授
     文教施設協会 文教施設づくりに関する調査研究委員会委員
     文部科学省 学校施設の長寿命化改修に係る手引き作成検討会委員

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