特集: 関東・中部・関西・九州の団地から評判の「おいしい店」16店が大集合！（関東エリア）

関東エリア

Cafeここたの

団地に根づいた学生運営のコミュニティーカフェ｜国立富士見台団地

団地商店街「むっさ21」の一角に、ちょっと不思議な店名をもつこの喫茶店はある。

「『ここたの』という名前には、『ここに来れば楽しい』という意味がこめられています」

そう教えてくれた店の代表者、樋口龍人さんは一橋大学の２年生。じつはここは一橋大学や津田塾大学の学生たちのサークル「Pro-K」が運営している店なのだ。

スタートは14年前。一橋大学のまちづくり授業を端緒に、にぎわいを失っていた国立富士見台団地を含む地域活性化のために、学生たちが商店主や団地商店街、市民と協力しサークルを結成。シャッター商店街状態だったむっさ21に店を立ち上げ、運営に乗り出した。

店内の設えもメニューも手作り感覚を重視。コーヒーは注文ごとに豆を挽いてサイフォンで淹れ、日替わりランチの料理の数々はもちろん、ケーキなどのスイーツもすべて自家製。団地をはじめ周辺住民の憩いの場として愛されている。

最近は、カフェの運営に興味があって参加する学生が大半だというが、樋口さんいわく「僕もそうでしたが、活動の中で商店街の人たちや団地の方々と関わりができ、まちづくりや地域への関心が高まりました」

学生スタッフは17名、市民スタッフは立ち上げの時からいる人も含めて６名。学生スタッフは有償だがバイトより時給は安く、大学のテスト期間中もシフトに入らなければならない。なかなか大変で、頑張れるのは好きだからこそ。今年度の卒業生には、ここでの経験を生かしてカフェの企画・運営会社に就職した人もいるそうだ。

商店街や団地のイベントに参加するのはもちろん、楽器演奏でもマジックでもやりたいパフォーマンスを自由に発表できる「ここたのナイト」を月１回開催。また去年から国立市の委託で、中高校生の留学や海外への興味を盛り上げる「グローバルカフェ」を実施するなど、コミュニティーカフェとして交流も育み、地域にしっかり根を下ろしている。

soup curry 鳩時計

ヘルシー＆スパイシー 辛さが選べるこだわりの味｜車返（くるまがえし）団地

らーめん ぎょうざ 治（はる） らいおん百草店

名店の系譜を受け継ぎ地域で愛される味｜百草（もぐさ）団地

府中の行列店「らいおん」で20年修業し、店長も務めた小川正治さんが、2012年に独立開業。「らいおんの味に自分ならではのこだわりや工夫を加えています」というらーめんは、パンチがありながらまろやかなスープが、コシの強い中太麺によくからむ。
お客さんは団地や周辺の住民が大半で、ぎょうざの持ち帰りや年末のチャーシュー１本売りなど、暮らしに即した商売で地元に根づいている。年配客のリクエストで始めた、細麺にあっさりスープの「懐かしの中華そば」も人気だ。

タイ食堂 サワディーカー

本場タイの多彩な料理をここから広めたい｜東中神（ひがしなかがみ）団地

タイマッサージ店を営む金沢栄治さんが、長年の夢だったタイ料理店をオープンしたのは昨年の夏。「駅前の好立地で、しかも条件が良かったんです。URの団地だということは後から知りました」。
森をイメージした店内はカフェ風で、女性や子ども連れのママたちにも人気。厨房で腕を振るうのは、タイの有名レストランのコックだったナンさんとジアップさん。ぜひ注文してほしいのが、ソフトシェルクラブのカレー炒め「プー・パット・ポーン・カレー」。奥行のあるおいしさ！

地域リビング プラスワン

誰でも歓迎 笑顔いっぱいのおうちごはん｜高島平団地

NPO法人ドリームタウンが運営する「地域リビング プラスワン」は、孤立しがちな高齢者の居場所づくり、子育て支援のために2013年にオープンしたコミュニティースペース。地域のボランティアが調理を担当して、「おうちごはん（お昼ごはん）」（1食400円〜）を提供している。「ここで会話をしながら楽しく食事してほしい」と学生時代から高島平の地域コミュニティーに携わってきた代表理事の井上温子さん。作る人も食べる人も笑顔があふれるスペースだ。

ロイヤルキッチン

おひとりさまから家族連れまで大満足｜習志野台団地

昨年12月に、団地にあるエールきたなら商店街にオープンしたばかりのインド料理店。おすすめは5種類のインドカレーとスープ、サラダ、ナン、ライス、デザートが好きなだけ食べられるカレーバイキング（90分間、1080円）。「団地の方や地域の方に愛されるお店にしたい」とオーナーの関口信弘さん。お子様セット（540円）やシニアセット（691円）、テイクアウト（540円）など、幅広い世代に向けたメニューも充実している。

一本堂北習志野駅前店

いつでも焼きたて 食パンを極めた専門店｜習志野台団地

「一本堂」は毎日食べても飽きがこないと評判の焼きたて食パンの専門店。昨年夏に、千葉県内では3店舗目となる北習志野駅前店が、習志野台団地にオープンした。定番の「一本堂ぷれーん」や、国産小麦だけを使った「ゆたか」、チーズやレーズン入りも人気。「団地内の商店街ということもあって、お客さまとの距離がとても近く、毎日買いに来られる方も多いですよ」と店主の佐藤忠宏さん。手土産用に買い求めるお客さんも多いそうだ。

Pilly’s Bread Company

地域に貢献したい その思いでパンを焼く｜左近山団地

「お店をやるなら、知った顔が集まる団地の中がいいと思っていた」と話すのは、「Pilly’s」店主の佐々木学文（さとふみ）さん。妻の実家があった左近山団地に店を開いたのは2014年。「商売で地域に貢献したい」との思いを胸に、無添加のパンを良心的な値段で提供している。常連さんの9割は団地の人で、高齢者も多い。「すぐに食べられるパンは、じつは高齢者向きなんです。幅広い年齢層を意識してパンを作っています」と笑顔で語った。

【西上原三千代、石井克美、武田ちよこ=文、青木 登、竹居鉄也=撮影】

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