街に、ルネッサンス UR都市機構

特集: 渋谷駅街区土地区画整理事業

URPRESS 2018 vol.51 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

渋谷 渋谷駅街区土地区画整理事業 世紀の大規模再開発を縁の下から支える

駅舎や百貨店が解体され、新しいビルの骨組みが建ち上がってきた。
広場の地下では川が移設され、雨水の貯留槽が着々と整備されている。
今、渋谷で進行している大規模な再開発。注目を集めるその現場に、UR職員の姿があった。

渋谷駅街区(宮益坂交差点方面より望む)。立体的な歩行者動線「アーバン・コア」が整備され移動がラクになるのが特徴。かつて東急東横線のホームがあった場所には、ランドマークとなる地上47階建ての渋谷スクランブルスクエアが建つ。
渋谷駅街区共同ビル事業者提供

地下には新しい渋谷が生まれつつある

作業現場に設置された小さなドアから細い階段を降りていくと、地上の音が消え、工事が続く地下世界が現われた。細い通路を進むと、コンクリートで囲われた空間に到着。ここが現在整備中の渋谷駅東口地下広場の一部だ。その片側はコンクリートの壁だが、「この壁の向こうは地下鉄半蔵門線に通じています」。案内してくれたURの阿部英和の一言に驚いた。

続いて雨水貯留槽へ。渋谷という名前の通り、谷底に位置する渋谷駅周辺の地下に、豪雨に対応する雨水貯留槽を新設して、災害に強いまちをつくるのが目的だ。このように目に見えないところで工事は確実に進み、新しい渋谷が少しずつ形づくられていた。

電車もバスも走るなか工事が続く現場

JR東日本、東急電鉄、東京メトロ、京王電鉄の6駅8線が乗り入れ、大規模なバスターミナルを持つ渋谷駅。増え続ける利用者に比して、駅施設の老朽化が進み、安全性の確保と利便性向上が課題となっていた。

この渋谷で、東急東横線の地下化と東京メトロ副都心線との相互直通運転を皮切りに、2010(平成22)年度から大規模な再開発が始まっている。目指すのは「日本一訪れたい街」。災害に強く、まちに来る人たちが動きやすく、歩きやすいまちを目標に、渋谷駅を中心に渋谷駅街区(渋谷スクランブルスクエア)、道玄坂一丁目駅前地区、渋谷駅桜丘口地区、渋谷ヒカリエ、渋谷ストリームという5つのエリアで、都市機能を向上させるための再開発が官民一体で進行中だ。

100年に一度ともいわれるこの大規模再開発を支えるのが、基盤づくりとしての土地区画整理事業。JR東日本、東京メトロから同意を得たURは、東急電鉄とともに渋谷駅街区土地区画整理事業に参画している。主な整備内容は、先ほど見学した東口地下広場、雨水貯留槽をはじめ、西口タクシープール・西口駅前広場・自由通路の整備と銀座線橋脚の移設、渋谷川の移設などがある。「渋谷駅に乗り入れている電車やバスなどの交通機能にできるだけ影響を与えずに事業を進めることが、最大の課題であり難題です。さらに行政から民間企業までこれほど関係者の数が多く、多岐にわたる事業もありません。まさに世紀の大改造。これらを円滑に進めるための関係各所との調整や協議の準備、技術支援などがわれわれURの仕事です」と主に計画調整を担当する阿部は説明する。

渋谷駅エリア計画課の阿部英和。「オリンピックまでに何ができるか、日々考えています」
渋谷ヒカリエから大規模な工事が進むまちを見下ろす。左側に建ち上がりつつあるのが、上のパース中央に描かれている渋谷スクランブルスクエア。
工事が進む東口地下広場。
東口地下広場(渋谷ヒカリエ9階から見た将来整備イメージ)。現在工事が進む地下広場や雨水貯留槽は、ここにできる。
渋谷駅街区土地区画整理事業施行者提供

円滑に進めるためにノウハウを駆使

例えばバスターミナルをたった一晩で北側に移して集約した東口駅前広場改造工事。最終バスが出てから始発が動き出すまでの数時間にすべての工事を終えるため、なんとその数年前から綿密な計画を立て、関係各所と連絡を取り、その調整に動いてきたという。「このケースでは渋谷区や東京都、警視庁、都バスなどに加え、ここから発車するバスを利用する学校などとも何度も協議を重ねてきました。また、当夜に行われる他の工事との調整も必要です。関係者が膨大で複雑に絡みあうなか、われわれのノウハウが生かせたかなと思っています」と主に基盤調整を担当するURの五味将典は言う。

特に行政との調整では、関係先の部局が多岐にわたり、部局によって異なるベクトルをまとめていく苦労があるという。だが、これまでのニュータウン開発や都市再開発で培ってきたノウハウや知識と経験がここでも生きている。「それは民間の企業にはない強みかもしれません。公平中立なURだからこそできることもあります。反対に他社さんから学ぶことも多くあります」と阿部。

URも構成員の一員である渋谷駅前エリアマネジメント協議会は、工事の進捗状況や渋谷の未来図などを一般向けに発信している。工事中の通路に設置された電子パネルを、立ち止まって熱心に見入る人々を見かけると、「この仕事に携わっている誇りとやりがいを感じます」。2人は口をそろえてそう結んだ。

渋谷駅エリア計画課【基盤調整】の五味将典。「地図に残るような仕事をしているやりがいを感じます」

【武田ちよこ=文、青木 登=撮影】

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