街に、ルネッサンス UR都市機構

特集 つながる ひろがる 復興するまちを訪ねて6 兵庫県芦屋市

URPRESS 2014 vol.41 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス

兵庫県芦屋市
その未来は東北にもいずれやってくる

阪神・淡路大震災から20年たったいま、壊滅状態だった兵庫県芦屋市茶屋之町も見事に再生した。被災・復旧・復興・再建に携わった人だからこそ、
「再生したまちを見に来て」と、東北の人々に熱きエールを送る。

阪神・淡路大震災の悲劇を忘れないよう、炊き出しなどで使用したドラム缶をモチーフに鐘を屋上に制作した、西法寺の上原照子さん。

「絶望のどん底。何をしていいのか、何をするべきなのか、まったく考えられない状態でした」
そう話すのは、芦屋市茶屋之町にある西法寺の上原照子さん。

20年前の1995年1月17日、阪神・淡路大震災が起きた。 この大震災により芦屋市も大きな被害を受けた。特に店舗と住宅が立ち並ぶ前田町や清水町、そして市場と住宅が密集した茶屋之町と大桝町の一帯がひどかった。
「このあたりは、昔からの知り合い同士が住むこぢんまりとしたまちです。一度転勤で芦屋を離れても、皆いずれ帰ってくる、それほど住民が愛着を持っている土地なんです。それが震災で、見てきた光景が瞬時になくなってしもうたんです。わたしら、もうこのまちは再建できないと思ってました」

上原さんは震災後、芦屋の復興計画を住民同士で話し合う「街づくり協議会」の副会長を務めた。住民たちは、幾度となく集い語り合った。ところが、再建への組み立ては進まなかったという。
「UR都市機構さんが手助けをしてくれたんです。わたしらのまとまらない意見を、うまく理解しながら、設計図に描いてくれました。ここは公園にするといい、ここはこうしたらいいんじゃないかと、いろんなアドバイスもしてくれ、“もしかしたら新しいまちをつくれるかもしれない”、そう思えるようになってきたんです」
上原さんが住む地域は区画整理され、住民たちは住宅を建設し始めた。目に見える形で一歩一歩進む様子を見て、
「確信しました。多くの助けを得ましたが、わたしら住民が一生懸命に取り組むことで、まちは再生できるんやと」

どん底からのまちづくり

大震災から21年目を迎えたいま、上原さんは東日本大震災で被災した地域の人たちに、自信に満ち溢れた様子でエールを送る。
「わたしら住民が話し合ったんは、いつも未来への夢でした。震災直後は気付かなかったけれど、20年たったいまだから言えることもあるんです。こうしておけば良かったと後悔することもあります。だから、皆さんに伝えたい。いま一生懸命にやっていることに、自信を持ってほしいということ。それと、個々の再建だけではなく、まちや商店街全体で統一感を持つデザインを意識すれば、もっともっと夢に近づくまちづくりができるということです。少し無理してでも、いまだからできること、未来を信じてください」

公園を配してお洒落になったいまのまちなみ。
震災直後の茶屋之町・大桝町一帯。
震災直後の茶屋之町・大桝町一帯。

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